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ほとけさまのおしえ「道の真ん中」

 電車に乗ったとき、あなたはどの位置に座りますか?

 長椅子席でもボックス席でも、できるだけ「端」に座ろうとする人が圧倒的に多いと思います。

 人には「パーソナルスペース」という心理的な空間があり、端に座ることでなるべく「守ろう」とするそうです。

 ちなみにちょっと(だいぶ?)変わっている私はなるべく「真ん中」に座るようにしています。

 理由は簡単で、混雑したときドアから遠いほうが比較的「空くから」です。

 トンチで有名な一休さんの逸話でこの話を聞いた人も多いでしょう。

 ある橋に掲げられた「コノハシ渡ルベカラズ」の告文を見た一休さんは、堂々と橋の真ん中を歩いたというお話です。

 仏教の大切な教えに「中道」があります。

 この教えは、激しい修行に心身を「すり減らされた」お釈迦様が、河岸で村娘スジャータからの「乳粥」の布施を受けて生気を取り戻し、悟りを開いたことから来ております。

 これを「何事もほどほどが大切だ」というふうに解釈され言い伝えられております。

 でも私はもう一つの「意味」もあるのではと感じるのです。

 それは「堂々と真ん中を歩いていきなさい」という心持ちです。

 「心身受け難し、今既に受く」

 皆一人ひとり「命を与えられた存在」であり、「選ばれた存在」であるのです。

 その命を燃やしながら堂々と「真ん中」を生きていくのも大切だと感じております。


☆今日の一句☆

 人はみな
    道の真ん中
        生きている

 


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