芸能記者と芸能リポーター・前編
お笑いコンビ「しずる」のお二人の原稿をYahoo!拙連載にアップし、そのままの勢いで、この文章を打っています。
僕の職業は芸能記者。
言わずもがな、書くのが本業です。
ただ、テレビやラジオなどのメディアに出役として出していただくことも多々あります。
なので「テレビで芸能ニュースのことをしゃべる人」というカテゴライズから芸能リポーターという呼称を用いられることもあります。
ただ、個人的には、その呼び名に正直大いなる違和感を覚えます。
その理由は大きく分けて2つです。
1つ目は、僕がいわゆる芸能リポーターさんのように、囲み取材でマイクを持って芸能人に質問して…という仕事をほとんどやったことがないからです。
あくまでも、私の主な仕事はインタビューや周辺取材をして、インタビュー原稿なり、ニュースの原稿を書くこと。
その中で、知り得たことをテレビなどでお話をさせてもらう。そんなお仕事も多々頂戴しておりますが、僕がプロとしてのスキルを持っている領域と、芸能リポーターさんがプロこスキルを持っている領域は明確に違います。
もちろん、大きな意味での取材のやり方や人脈の築き方など、スキルが重なっている領域もあります。
ただ、番組によっては「囲み取材の時に、他のリポーターに負けずに質問をねじ込むコツは?」「良い並び位置をゲットする裏ワザは?」「リポーター同士のチームプレーにはどんなものがあるのですか?」などと芸能リポーターさんの固有スキルに関するプロの技を尋ねてこられる場合もあります。
実際、私はテレビにもたくさん出してもらってますし、正味の話、そうやって出演料をいただいているからこそ、家族を養えてもいます。
ただ、何の疑いも、逡巡もなく、真正面から僕に“芸能リポーター界のルール”を尋ねてこられた場合は、澄み切った小川のせせらぎのように思いが心を潤します。
そんなもん、知るかぁ!わしゃ、そんなんしたことないねん!ケーキ屋に突撃してパティシエに「かつおぶし作りの極意は?」って聞くか!?ほんでまた、仮にパティシエが答えたその“極意”にどんな意味があんねん!!
そんなせせらぎを横に飲む、一杯の珈琲。否、すっぽんの生き血。より一層、味も増しますし、精もつきますわなぁ。
「味の招待席」の桂米朝さんフレーバーを足しても、一向に収まらぬざらつき。
「重要無形文化財、それが人間国宝!この流れの雑味消し、酷!Hoo!」と人間国宝に慣れぬラップを強いてしまいかねない、無駄にマルチョウを裏返して内壁を見せるような戯れはさておき、そんな思いが僕の根底に流れていることは事実です。
もちろん、番組から出演のお仕事をいただくことはこの上なく有り難いことですし、そこで僕が責任を持てる領域でプロの仕事を100%する。これも当然のことです。
ただ、時々、先述したような、僕がいくら頑張ってもプロとして責任が持てない領域のことを尋ねられることもあります。
その時には、ハッキリと「僕には分かりません」とお答えするようにしているのですが、なぜ、まあまあ頻繁に、そんなことが起こるのか。
それが2つ目の理由、そして、僕の今後につながっていくのだとも思っています。それは次回、綴りたいと思います。
あざとさではなく、これは風味的に2回に分けるのが最善だと考え、前後編に分ける46歳。