にしおかすみこさん
先ほどから拙連載のにしおかすみこさんのインタビュー記事がYahoo!トップに掲出されています。
その文章を単語登録しておこうかしらと思うくらいあらゆるところで伝えていますが、僕は年間200組ほどインタビューをして記事にしています。
デイリースポーツに勤めていた時は日々のニュース原稿もありますし、とてもじゃないがそんなペースでインタビュー原稿は書いてなかったものの、週に2本くらいはインタビュー連載もやっていたので、もう22年半ほど「誰かにインタビューをして原稿を書く」ということをしてきました。
改めて綴るまでもありませんが、僕はひん曲がった人間です。いわゆるフツーという金型からは大きく逸脱した人間だと思います。アウトローを気取る。そんな中二病的世界観ではなく、不便なことも多々ありますが、事実、本当にひん曲がっています。
だから、素人のオッサンながら、週に3本もAMラジオで番組をさせてもらっている。今となってはひん曲がりに感謝するばかりでもありますが、今でも、そして、自分でも「ひん曲がっているなぁ」と客観的に多々思います。
面白いと思うことも、心震えることも、切ないと思うことも、変だと思うことも、世の中の最大公約数からは逸脱している。
そして、それが物を書くという分野で、ラジオという分野で、お金にもなっている。お金になるということは、人から買ってもらえる商品になっているということ。それを望んでくれる人がいるということ。
となると、さらに自己肯定感に拍車がかかり、より一層「これでいいんだ」感が強まり、もっと最大公約数との乖離を礼賛するベクトルが長くなる。それが47歳現在の中西正男だと思っています。
前置きと下ごしらえが長くなりましたが、今回のにしおかさんの原稿。
インタビューをしている段階から「この原稿を書くのは相当大変だぞ」というセンサーはビンビンに働いていました。
それだけ難しい。内容がセンシティブということもある。ただ、それ以上に、この貴重で、真摯で、温かくて、切なくて、儚くて、強いお話を風味を損なわず文字に置き換えられるのか。そこのプレッシャーを感じた取材でもありました。
ただ、なんとか味の再現を極限まで追求し、原稿を書き上げました。
もちろん、これは小説ではありません。にしおかさんのインタビュー原稿です。にしおかさんがおっしゃったことをまとめた記事です。
なので、無論インタビュー時にうかがっていた文言を材料に原稿を作っていきます。何の材料を使うかは、シェフである僕は当然分かっている。知り尽くしている。
それでも、にしおかさんに対してお父さんがメールでお伝えになった文言で、胸がいっぱいになりました。
もし読んでいただけたら分かっていただけるかと思いますが、今回綴ったお話はとても難しい話です。要は、答えがない話です。だからこそ、多くの人に読んでもらいたい。
そう思っていたら、きちんとYahoo!トップにも出ました。
不遜な物言いだと分かって綴りますが、他の記事を読む時間があるならば、まずこの記事を読むべき。そう自信を持って言える記事です。
プロとは技術を売る仕事。
自分が売っている物に自信がないということは、それを買ってくださる方への誠意がないということ。
常日頃から僕はそう思って仕事にあたっていますが、今回もそれを全うしました。
自分の中に、こんなストレートな話で“心が震える”システムがあったことにも驚きましたし、22年半の記者人生の中で、どこまでも印象深い記事になりました。
自分の中の祝いとして、夕食を冷凍ご飯を解凍しての卵かけご飯からビリヤニに格上げした47歳。