なんとか、木曜がやってきました。
火曜、水曜は、月に2回ほど設けている連載取材集中日で今回は2日で14件のインタビューをしました。
1日7件ほど。件数だけで考えると、最大で1日12本まではやっているので、そこまで追いつめられることではないのですが、この2日間はその他に打ち合わせやYouTubeの撮影などもある。
そして、その取材したそばから、すぐにインタビュー原稿を最低4本は出さないといけない。となると、寝る時間もなければ、気の休まる時間がない。
仕事です。
そして、その仕事をしているからこそ、なんとか家族もご飯が食べられます。
ただ、しんどいものはしんどい。
これもまた事実でもあります。
同じところにとどまって、次々に取材対象の方が入ってきてくれるならば、時間的にも、動き的にもスムーズなのですが、それぞれ取材する場所が違うことが多いので、取材と取材の間には移動が伴います。
それをやりつつの十数件はなかなかくたびれます。
移動中も、なんとか写真の処理だけでもしておくため、パソコンを開けっぱなし。
なかなかです。
そんな中でも、耳だけは空いているので、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などをリアルタイムとタイムフリーを駆使して聴いていました。
バタバタの中だと声が頭に入ってこない時もありますが、昨日、一昨日はランナーズハイならぬ“連載取材やらYouTube撮影やら原稿やらいろいろやり遂げるしかないけど、いったい今自分が何をしてるのか分からんくらいにはなってしもてるからとにかく目の前のことをやることだけを考えろハイ”みたいに頭がフル回転していて、ラジオの内容も不思議といつも以上にサクサク入ってきました。
その中で、浦川泰幸アナウンサーがおっしゃってました。僕なりに理解したところをまとめると以下のようなことでした。
モノサシの小さな人(理解の浅い人、狭量な人、知識の浅い人、人間力が低い人)が言ったことは、昔は周りに流されていた。アホなこと言うとるわと。ただ、今はSNSなどでそれが一つの“意見”という形で取り上げられるようになった。そのことによって、いろいろな齟齬が出ている。それが歪なものを作り出す。
地下鉄の席に座りながらパソコンを打っていることを忘れて思わず膝を打ち、その勢いで期せずして押してしまったエンターキーによって、石田純一さんの写真フォルダーにガリガリガリクソンさんの写真を登録してしまい、なんとも言えぬ“シェフの気まぐれトラブル盛り合わせ”みたいにもしてしまいましたが、とにもかくにも、さすがは浦川さん。
僕の専門は芸能ですが、芸能の分野においても、あらゆる“良くないもの”の根底にあるのがこの歪さだと僕は思っています。
昨年12月、「M-1グランプリ」後に出てきたとされる「あれは漫才なのか論争」。ありがたいことにフジテレビ「バイキングMORE」などからコメントも求められましたが、これに対する見解を当時のYahoo!拙連載で綴っていたので、それをそのままここに転載します。
今回の「M-1」を見た方々がいろいろな感想を持つのは自由です。何が面白くて、何が面白くないのか。それを何かに縛られることなんて、あっていいはずがありません。
さらに、見方ややり方を制限するほど、漫才は狭量であろうはずも、脆弱であろうはずもありません。
漫才をやる側にも、見る側にも、ルールなどない。それなのに、かくあるべきという“論争”だけがぼうふらのようにいきなり湧いてきた。
“論争”と言われるものが生まれてきたキモの部分。それはSNSです。
誰もが自分の意見を広く届けられる時代になった。この功罪は、僕などが首を突っ込むのがおこがましいほど、あらゆるところで議論がなされています。
ただ、厳然たる事実として、王貞治さんの「いいホームランでしたね」と、バットを握ったことがないギャルの「いいホームランでしたね」の重みは違います。それは違って当然だし、これを同じというのは不平等です。
もちろん「野球をやったことがないギャルでも、思わずそう感じるくらい素晴らしいホームランだった」という意義はその言葉にあります。
そして、そのギャルが「いいホームランだった」と思うことも、発信することも自由です。
ただ、その言葉は王貞治さんと同じ“識者の意見”の棚に並べるものではない。
並べるなら“街頭インタビュー”の棚に陳列しておかないと、正確ではありません。
SNSの出現、拡大によって、この“棚”の整理がしっちゃかめっちゃかになっています。
ごっちゃになっているからこそ、メディアでも、そこが並列ぽく扱われたりもする。それがさらに陳列をごちゃごちゃにする。
今回は「M-1」というポップな事象が“棚ごちゃごちゃ問題”と合わさった形になりましたが、この話の根っこは深く、決して笑ってられるものではないと考えています。
バタバタの中ながら、そんなことが頭をめぐっていました。
そして、ふと、noteを見ると「メッセンジャー」あいはらさんが「同じ…」のタイトルで、なんと浦川さんのことを綴ってらっしゃいました。
自分の親和性、これまでの付き合い、そして、浦川さんの達者さ。
これがまたさらに膝を打つ中身で、今度は先ほどの写真フォルダーに「メッセンジャー」黒田さんの写真を盛り合わせにかかるところでしたが、幸い、当たり所が良くてそれは回避できました。
ぶれない頑健さは面白い。ラジオではさらに面白い。
そして、そんなものを持っている人は多くはないので、DAIHATSUミゼットに乗っている人同士がすれ違ったら、互いに二度見する。そんなところなのだと思います。
そして、その二度見を見ている僕もまたミゼットに乗っています。
今日も、もうすぐミゼットの3時間耐久レースが始まります。
「手延べ海鮮塩ちゃんぽんと五目焼き飯、餃子付き」というハイオク満タンで朝日放送に向かう46歳。