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MBSラジオ「中西正男のエラいすんまへん…。」内「まぁ、皆さん聞いてください」・2024年11月26日分

⚫︎タイトル「軍師とは」

先週から、兵庫県知事選をめぐりPR会社の女性社長に注目が集まっています。

何が真実かはともかく、何かしら軍師として参加し自分の陣営が勝つ。

その喜びは相当なものでしょうし、手柄を誇りたくなるのも分からなくはありません。

ただ、以前から僕には強く思ってきたことがありました。

人のために立てた手柄は隠してナンボ。

なぜそう思うのか。二十代の頃からお世話になってきた元西日本ボクシング協会会長のアポロ嘉男さんのおかげです。

アポロ会長は現在73歳。ボクシング界が華やかだった時代の強豪で、天才的なディフェンスが評価された選手でした。

世界タイトルにも3回挑むものの、不運が重なりあと一歩手届かず。引退後はアポロジムを経営し、今も指導者として活躍されています。

時は1982年。

既に現役を引退していたアポロ会長はパナマのペドロサ選手との世界タイトルに挑戦する、こちらも伝説的なボクサー・渡辺二郎さんからコーチを打診されます。

ただ、当時、渡辺選手には名門ジムのコーチもいたし、アポロ会長は固辞しますが「それでも」と打診され「この試合だけ」との約束で引き受けます。

アポロ会長にしかできないと言われたフットワークを伝授し、渡辺選手は見事ベルトを手にします。

リング上の歓喜をよそに、会長は誇ることなく、勝利をしがむこともなく、コーチのギャラも受け取らず、立ち去りました。

手柄をひけらかすことなく官軍から身を引く。この評判はイヤでも広がります。

アポロ会長にお世話になっていることをボクシング関係者に話すたびに、「あの時の会長の振る舞い、カッコ良かったですねぇ」と今も言われます。

会長は僕の出演番組をチェックし「中西さんには頑張ってもらわなアカンからな」と振る舞いや発言内容、衣装に至るまで細かくアドバイスをくださいます。先日お会いした時も、渾身のアドバイスをいただきました。

「井上公造さんやないけど、中西さんはこの世界のチャンピオンになる男やから。今でもエエ感じなんやけど、もともとラガーマンやし、衣装もラグビージャージとか分かりやすいほうがエエと思う。ほんで、出身もハッキリさせといたほうがエエから、胸に大きくワッペン“同志社”と貼ったほうがエエと思う」

…あの、会長、僕、立命館大学なんです。そんな無粋なことを言ってる場合ではありません。男気には男気で返すのが粋というもの。

来週“同志社”の文字をマイク・タイソンばりに顔面にタトゥー入れてきたいと思います。

ただ、いきなりの変化にこの番組の敏腕パートナー、田口茉莉さんも引いて、この前のタイソンの試合くらい凡戦になったら、エラいすんまへん…。

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