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若井おさむさん
「めちゃくちゃ読まれています」
昨日、AERA.dot拙連載でアップしたピン芸人・若井おさむさんのインタビュー記事。
AERA.dotの担当者さんからご連絡があり、いただいたのが冒頭のお言葉でした。
アニメ「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイのモノマネでテレビ朝日「笑いの金メダル」などでブレークしましたが、実生活では幼少時から壮絶な体験をされてきました。
お母さんとの関係性、お兄さんとの関係性。
そのあたりは連載本編に委ねますが、記事タイトルからして少しはインパクトが伝わるかと思います。
「どうしたら、母を殺せますか?」家庭教師に問い続けた芸人・若井おさむが48歳で見た現実
まさに筆舌に尽くしがたい体験をされてきましたが、芸人を志し、そこで出会った先輩芸人・たむらけんじさんから言われた言葉で思考がガラッと変わったと言います。記事を一部抜粋します。
芸人の世界に入った時で、すでに20代後半。遅いデビューではあるので、それまで何があったのか、先輩方から尋ねられることも多かったんです。
そこで、あったことをそのままお話ししていたら、皆さん、すごく興味を持って聞いてくださるんです。
最初はたむらけんじさんだったんですけど、たむらさんが僕の過去を聞いて「オモロイ」と言ってくださったんです。
悲惨だとかかわいそうではなく「オモロイ」。
これまでのことが「オモロイ」に変換される場所があったんだ。確かに一つ一つは本当につらい。でも、それを前向きな力に変えることもできる。それがお笑いでもある。その感覚がとても衝撃的でした。
僕は芸人さんではありませんが、非芸人として芸人の世界を間近から見てきた中で、最も心震えるのがこういう瞬間です。
ポーズではない根っからの懐の深さ。
責任を伴った自由さから醸し出される優しさ。
清々しいほどの公明正大さ。
この空気が僕は芸人の世界の一番の魅力だと僕は感じています。
そういう世界は実在する。
そして、その世界かどうかは分からないが、自分に心底合致した世界に会うことによって、人は救われることもある。
そして、親と子のリアル。
リアルすぎるリアル。
そういったところが、この原稿の眼目のつもりで書いたのですが、日々原稿を書いている者として、正直な話「分かりやすいエエ話」ではないので、皆さまにどこまで受け入れられるのか。
事実を捻じ曲げまげたり、無いものを足したりすることはしないが、僕が書く以上、なるべく前向きな味付けにはしようとは思いつつ、広く皆さまに美味しいと思っている味にはならないのではないか。
そんな思いもあったのですが、それこそ思いの外、多くの方に前向きな感情をもって読んでいただけたようでした。
荒れることで知られるYahoo!コメントですが、今のところ500近く寄せられたコメントに攻撃的なものはほぼ見受けられない“凪”の状態となっています。
ただ、そこで驚いたのが若井おさむさんへの共感が原動力になっているコメントが本当に多かったということです。要は「自分も親からひどい仕打ちをされていました」という内容のコメントがこれでもかと並んでいます。
「親は子を可愛がるものである」ということは、真理ではないということ。
そして、それは僕が思っていたよりも普遍的なものであるということ。
コメントを見ることで、また、僕が学ぶこともありました。
一応、人の親として、二人の娘を一生懸命に育てていますし、愛情をもって育てているつもりではあります。
僕も、そうやって育ててもらったことを今になった痛感してもいます。
ただ、それが普通ではないこと。
普通の形は無限にあり、普通という概念すら存在しないのでは。
どこまでも奥深く考えさせられました。
ただ、僕は自分が思う普通を胸に、娘たちを大切に育てる。それを今日も、明日も、続けていこうと思いました。
新玉ねぎをみじん切りにして丁寧に炒め、新玉ねぎの水分と豚ひき肉だけで丹精込めて作ったポークキーマカレーに娘二人は一切関心を示さないが、それでも、まずは今日を生きる46歳。