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笑福亭銀瓶さん

近日中に公開予定のYahoo!拙連載で、落語家・笑福亭銀瓶さんにインタビューしました。

師匠・笑福亭鶴瓶さんとの関係性を詰め込んだ著書「師弟」を上梓したことをきっかけにお話を伺いましたが、その中で銀瓶さんがおっしゃっていた“鶴瓶イズム”の一つが「何事も適当にしない」ということでした。

仕事においては当然のこと。あれだけ売れていても、もう70歳になろうかというキャリアがあっても、今でも毎日ネタ帳をつけ、新しい面白さを模索する。

番組作りにおいても、妥協しない。

「そこまでやるか」という徹底ぶりが、それこそ、TBS「A-Studio+」のカラーにも繋がっているのだと思います。

さらに、日常生活においても、それは徹底されていると言います。

お礼を言う。

頼みごとをする。

どんな細かいことであったとしても、相手のところに直接出向いて話をする。

できそうでできないことです。ましてや、日々、スケジュールに追われる超売れっ子タレントとなれば、なかなか物理的にも難しくなりますし、周りに的確に動いてくれるスタッフさんもたくさんいる。それでも、自ら足を運ぶ。

何がどう変わるものか、正確な統計など残るものではありませんが、その積み重ねは今の鶴瓶さんを築くことに確実に結びついている。そう感じました。

そんな感覚が頭にあったのか。

今朝、連載を出してから、仕事で必要なズボンを買いがてら自宅から梅田までウォーキングしました。

お目当てのズボンをこれでもかと試着をした末にユニクロで購入し、帰路につきました。

特にルートを決めず、フラフラと気の向くままに、家に向かっていましたが、何の気なしに時計を見ると11時48分。そして、ちょうど行きつけのまぐろ料理屋さんのすぐ近くでした。

今は夜の営業はストップされていて、昼のランチのみ。食材選びにも、料理にも、大将の強いこだわりがあるからこそのクオリティーであり、昼の営業時間にもこだわりが伝播し11時50分からというトリッキーな設定になっています。

カウンターだけのお店なので大人数では行けませんが、コロナ前はそれはそれは見事なまぐろ尽くしの刺身盛りと選りすぐりの地酒を堪能するために足を運んでいたお店。

しかし、コロナ禍となり、なかなか行けずに時間が過ぎていました。

今日の昼は、昨日の晩に食べた蓬莱の甘酢肉団子の残りに野菜の切れ端と卵でかさましをしたものを作り、大量に炊いた古米をかき込むと決めていたのですが、気づいたら、お店の扉を開けていました。

ランチに来るのは初めてでしたが、メニューはまぐろの刺身盛りの定食か、大皿に盛ったまぐろ丼か。

なんとなく、まぐろ丼にひかれ、注文しました。

まぐろのクオリティー、そして、圧倒的ボリュームは夜のメニューでこれでもかと把握していましたが、丼が出てきて驚きました。

大皿にてんこ盛りになったアツアツのご飯の上に、まぐろのあらゆる部位の切り身が40~50切れ盛られています。

まぐろが地層になってご飯までたどり着かない御馳走。

瞬時にラッパーに転身してしまうくらいの感動でした。

量だけでなく、赤身、中トロ、大トロ寄りの中トロ、中落ち、脳天…。あらゆる部位一つ一つのクオリティーが凄まじい。

北大路欣也、役所広司、佐藤浩市、福山雅治、小栗旬、菅田将暉…。そんな俳優陣が、映ってるんだか映ってないんだか分からないスタジアムの客席のエキストラとして犇めいている。そんな贅沢さと、言葉には置き換えられない大将の心意気を感じる丼でした。

「世の中が落ち着き、夜の営業が再開したら、必ずまた寄せてもらいます」とだけ大将に言って小銭を払い、お店を出ました。

今のご時世、なかなか人に直接会いに行くことができません。

その分、リモートなどそこを補うツールや方法が多々生まれてもいます。

でも、この世の中の基本は、人が人を動かすこと。そして、人を動かす最大の要因は心です。

この真理だけは世の中がどうなろうと、絶対に変わることのない部分だと強く感じました。

noteのコンテスト「♯自分にとって大切なこと」に自分が思う面白さを詰め込んだ「渡部建さん」で応募したが箸にも棒にもかからず、選ばれた作品を見てみると、現代人がコロナ禍で忘れてしまっている大切なものを思い起こさせるような内容のものが選ばれており、ほな「こんなん書いたらエエんやろ」とロールプレイをする遊びでケタクソ悪さを浄化した楔を、まぐろがくれた感動と共に残しておく46歳。

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