謹賀新年
今年も明けました。
昨年は12月31日まで「メッセンジャー」あいはらさんの7時間35分ラジオ特番「こんちわパラちゃん年の瀬ですょ!」に今年も出演することができました。
大みそかまで心底楽しいお仕事をさせてもらえる。まさに、この仕事冥利に尽きる流れです。
あいはらさん、武川智美アナウンサーとの掛け合い。そこに川岸ゆかさんがくわわってのハーモニー。
自分のことながら、川岸さん相手にはいろいろと泉のように正論が湧いてきて、それがお聴きの皆さまにはエンターテインメントになりうる。そんな可能性を改めて感じた1時間でもありました。
そして、そのコーナーには僕は出ていなかったものの「シンデレラエキスプレス」の渡辺裕薫さんの毎年恒例の松竹芸能のお話。都合、3回繰り返して聴かせてもらいました。
放送中にあいはらさんもおっしゃっていたようにNetflixで「浅草キッド」が配信され、芸人さんの世界にのみ一瞬咲く美しいバラの花。その値打ちを感じている人が増えている中だからこそ、今年のお話は特別なフレーバーを漂わせていたと感じました。
重ねて僭越ながら、その香りが最も強く出ていたのが正司敏江さんのお話だろうなと。内容は是非ともradikoなどで聴いてもらえればと思いますが、清く、アホらしく、生々しくて、透き通っている。そんな人間の心が花びらの一枚一枚のように折り重なり、独特の美しさをたたえている。
芸人さんではない僕でも知っているその煌めき。
“アラ探しよりバラ探し”
先日、こちらのnoteにも綴らせてもらいましたが、それを煮詰めたような渡辺さんのお話に、何度も心震えました。
ラジオなどでも少しお話をさせてもらっていますが、今年、僕は本を出します。
中西正男が選ぶ男前芸人30人。そんなトーンの内容になると思います。
メジャーな方からホンモノまで。僕が直接見聞きしたエピソードを僕なりの筆致で綴りたいと思っています。
その中のお一人に、正司敏江さんも入れられればと考えています。
昨年、鬼籍に入られた時に書いたYahoo!オーサーコメントを再録します。
2002年1月31日、道頓堀の浪花座が閉館する日、当時デイリースポーツの記者として取材に行きました。
伝統ある劇場のラストとあって何とも言えない寂寥感が漂ってもいましたが、楽屋では敏江さんがベテランの芸人仲間とキャッキャ言いながら花札をしていました。
2011年、松竹芸能が手掛けるビッグプロジェクトの会見が行われ、社員さん、そして、ベテランから若手に至るまで多くの芸人さんも出席していました。
大きな会見だけにシリアスな空気に満ちていましたが、敏江さんは鼻をほじりながら横のベテラン落語家さんとキャッキャしていました。
芸人さんにも高い倫理観が求められる。そんな世の中です。ただ、本来、芸人さんという何をすべき存在なのか。それを体現されていた方だと強く思います。
敏江さんの肉体はなくなってしまいましたが、そのスピリッツは後輩に受け継がれている。個人的には、それを切に願います。
400文字までという制限があるオーサーコメントなので、ダイジェストみたいな内容になっていますが、ここをさらに深く、そして面白く綴る。それが僕が出すべき書籍の方向性だと思っています。
インターネットの書き込みなどを見ていると、僕の比喩が分かりにくいだとか、考えないといけないからトークの流れが悪くなるなどの声も散見されますが、貴重なご意見を頂戴しありがたいばかりです。
ただ、僕は自分の人生という掛け金を出して、それを増やそうというギャンブルをしています。最後に決めるのは僕です。勝つも負けるも自分の判断次第。何の保証もないこんな仕事になった以上は勝ち続ける。
極めてシンプルな信念に立ち返った新年でもありました。
僕はとっつきにくい人間です。ややこしい人間であり、穏やかでもありません。
ただ、だからこそ、できることもあるはず。
そう信じて進むしかありません。
そんなこんなの47歳。