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周りを不幸にする、幸福な漢の話
短編初投稿小説
エピソード1
その漢 現在56歳オッサンです
その漢は、滅茶苦茶ポジティブな思考と行動で今までは其れなりにハッピーな人生を生きてきたのですが、男としては実に羨ましい部分もあるのです。
そんな漢の事を少しお話ししたいと思います。
その漢は周りの人々に時に甚大な被害を被ったり不幸にしたり、迷惑をかけまくっているのだが本人はと云うと、めちゃくちゃ鈍感力高くて、其れに気付かなかったり、悪怯れなかったりである。
そんな本人だけが凄く幸せな、でも憎み切れない漢の破茶滅茶な人生の話です
1964年、そうです前回の東京オリンピック開催の昭和39年に、とある地方都市で板前の父、そこで賄いをしていた母との間の長男として生まれる、しかしこの漢は生まれる時から親に迷惑をかけたのだ。
超健康優良児で4,360kgの巨大児! その為、自然分娩では母体から世の中には出られず、帝王切開でこの世に命を受けたのだ、全くなんたる事でしょう、なかなか居ない逸材ですよね。
その後もスクスクわんぱくに成長して行きますが…
幼稚園でも、家の近所で友達と遊んでいたりしていても、友達を怪我させてしまったり何かを破壊したりの日々だった様で、本人は全くそんな気は無く楽しく遊んで居るだけだったのだが、結果として母は何時も誰かに謝っていた。
元気なのは良い事ですが、元気過ぎるのも考えもので…
そんな漢が唯一逆えない存在が父でした
【地震・カミナリ・火事・オヤジ】って昔の人はホント良く云ったものですね
厳格な父(板前)の前では日々怒られ、撃沈し時には庭に放り出されて当時家で飼っていたシェパード犬のジョンと犬小屋で寝た事も珍しく無かった、楽しい想い出だった様で、愛犬の包み込む優しさと実際の温かさが幼少期の漢には深く大きく残っているシーンだった。