「インターナルコミュニケーション」なのか「インナーコミュニケーション」なのか

社内のコミュニケーション担当がやっているのは、「インナーコミュニケーション」なのか「インターナルコミュニケーション」なのか。

「どっちでもいいじゃん」と感じるかもしれません。実際どちらの部門名も実在しているのでケチをつけるのもどうかな、、、と思うところです。

が、私はこのことが気になって2014年に社内コミュニケーションの担当部門に異動してすぐこのテーマを検討課題に挙げて、説得の末、当時の室長が室名を変えてくださったということがあり、こだわりたいポイントなのです。

ちなみに僕は「インターナルコミュニケーション」派です。
なぜか。

それはこの仕事を学んでいく最初の段階で「インナーコミュニケーション」だと支障があったから、です。
異動してすぐに、僕はこの分野の素人だったのでまずは本を読んで学ぼうとしました。
そこで「inner communication」を検索ワードにして探しても、なぜか「精神世界」とか「自分を見つめる」系の本ばかりヒットしてなかなか求めるところに辿り着きません。
どうしてかしらん、と思い英語圏のサイトで探ってみたところ、どうやら英語圏では「inner communication」ではなく「internal communication」が社内コミュニケーションを指しているのだとわかりました。

こっちのワードを使ったら、あっさり本もサイトもたくさん見つけられて、めでたく洋書で業務の概要を学べたわけです。

そもそも日本の書店に広報の本ばりにたくさん社内広報の本が並んでいたら、こんなつまづきはなかったわけですが、新たにジョインしたメンバーが前向きに関連知識を得ようとしたときに、部署名を入れてもろくに検索結果がヒットしないのは不便です。

「inner communication」
とは、社内のコミュニケーションではなくて「内的コミュニケーション」つまり自分自身との対話のことを指しています。具体的には自己理解、自己啓発、自己実現など。
これは、、、社内コミュニケーションではないですねえ。
なので、英語圏の方と話す際にも誤解が生じやすいでしょう。英語の名刺を渡したら「あら?この方は自己啓発をする部署の方なのかしら」と思われるかもしれないのです。
あんまりいいことなさそう。

また対義語を考えても、internalであれば対義語はexternalで「external communication」は「対外広報」で、まあ自然ですよね。
innerの対義語って、outer=located outside。つまり「外側にあるもの」になるので、社内と外とのコミュニケーションという意味にはなりません。

そんなロジックを重ねたところ、心の広い当時の室長は全社に見える組織図の名称をサクッと変えてくださったのです。
今考えると、一度決めた組織名を変えるなんてなかなかしづらいし、度量のある方だったんだな、と改めて感じました。

一方、「インナーブランディング」については「正しくはインターナルブランディングだけど、インナーブランディングの方が日本で馴染んでるし、ビジネス用語としてはそれでよし」という論調を複数件見かけました。

コミュニケーションやブランディングを担当するのであれば、そこは誤解が生まれない言葉、正しい出会いが生まれやすい言葉をセレクトすべきでないかなあ、と思いますが、いかがでしょうか。

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