柿川亭の挑戦
柿川亭は新潟県長岡市の長岡駅から少し外れた柿川沿いに2020年10月7日(水)オープンしました。
店主の前職は高校教員。飲食経験ほとんど無し。
5歳と3歳の子どもが2人。加えて奥さんは現在妊娠中。
2020年は新型コロナウイルスが世界中を襲いました。
そんな中での、飲食店開業。
多くの人から心配されたこの決断。
私だって自分以外の誰かが同じような事をするならやめた方がいいんじゃないって言うと思います。
ただ、自分にとってこの挑戦は難しい方に振れれば振れるほど価値のあるものになるのではという思いがありました。
そしてこの挑戦は突然思いついたものではありません。
誰にも言っていない長い準備期間がありました。
そもそも、この挑戦の土台は大学生時代に遡ります。
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大学時代はスポーツを通じて挑戦する過程の偉大さを知りました。
「努力無限、感動永遠」
この言葉に出会い「ひたすらに取り組む事がどんな形であれ、絶対に後で自分に返ってくる。」という言わば「くじけない心・常に前を向く心」を鍛えて来ました。
大学4年生の最後の大会、インカレでずっと目指して来た日本一にあと一歩届かず準優勝。
大学生で日本一になるという夢は叶いませんでした。
しかし、この日本一を目指すまでの過程で本気になった自分と、その夢を一緒に見て日本一を目指した仲間との絆、そしてその経験は今でも宝物です。
例え夢が叶わなくとしても結果が出るまで本気になる、思いを誰よりも注ぐ。とにかく夢中に走る。
この事が出来るようになってきたのかもしれません。
それに、夢は叶うことよりもそれに向かう過程が一番充実していて、一番自分を育てる事だと感じました。
常に目標を立てて行動していく。
叶った目標の先には次の目標を探さないといけないし、学びも続けていかなければいけません。
叶わない事があったら次の目標に向かってまた進んでいく。
常に「挑戦」と「次への準備」を両立しながら毎日を過ごしてきました。
これが私の大学時代に築いてきた土台です。
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大学を卒業してから商業科の教員として13年間、県立の商業高校の何校かで勤務していました。
ここでも教員としての挑戦と同時に次の準備を進めていました。
それは…
起業するという事。
自分なりの挑戦!自分で事業を始めたい!
実はこの思いは親しい仲間にも伝えず、何年も一人で心の中で育てて来た思いです。
当時付き合う前でしたが、今の奥さんにだけは伝えていました。
(その事をしっかりと覚えていてくれて最後には後押しをしてくれて奥さんには感謝しています)
私はそんな思いを秘めながら高校教員をやっていました。
もちろん仕事は全力です!
ただ、心の中であと何年、あと何年とカウントダウンをさせながら…
この間、仕事をしながらの13年間は自分の心の奥底に秘めた思いを外に出さず、孤独と戦っていた時期でもあったように思います。
これは正直結構しんどかったです。本当の事を職場の人に言えないという事。
言ったら自分の今やっている仕事を奪われるかもしれない…
話が変な方向に広がって、もしかしたら、いざという時に何か阻まれる事が起こるかもしれないから…
なので、この思いを隠して耐えてきました。年数にして13年間です…
自分で勝手にそう思っていただけかもしれませんが、夢を語れる環境って実は少ないのかもって思っていました。
実はそんな事も無かったということも分かりましたが。
(オープン前日に沢山の方が応援してくれる事に泣いたのはそういう理由です)
でも、そんな事はその時になってみないと分からないことでした。
だからひっそりと、一人で準備を続けてきました。
「起業する為に必要な事」をひたすらインプットしてきました。
具体的には本を読み、ビジネス系の番組を録画して何度も見たり、地域の交流をとにかく大切にしてきました。
オンラインサロンに入ったのもそういう理由です。
教員時代、先輩の先生方と交わした20年後とか30年後の話とか、管理職になるお誘いとか…そういう類の話は実は自分には全く響いていませんでした、ごめんなさい。
かといって高校教員時代の仕事は無意味だったの?って言われたら全く違います。
むしろ今の自分の仕事の考え方、起業の方法、人との向き合い方、学んで来た知識は教員時代で培ってきたそのものです。
私は高校教員の中でも、商業科の教員でした。
商業の教員って何教えるの?
って言われて良く簿記とか情報処理とか、マーケティングとかって答えます。
私は特にコンピュータとマーケティングが大好きでした。
コンピュータはプログラミング的思考が好きで、考え方をプログラムを解くようにロジックを組んで行く事が大きな価値があると気付いていました。
仕事をする上で、どう順序立てて仕事を組んで、どこでどういう仕掛けを入れるとどうなるか?
もしくは突然何かイレギュラーな事が起こったらどうやって立て直すかとか…
そういう考えは情報処理を突き詰めていくと上手くなります。
将棋やチェスとかも一緒です。(あまりやりませんが…)
そしてこれはビジネスに転用できる事もよくわかっていました。
そしてマーケティング。
正直教科書で高校生に教えるマーケティングなんて大して役に立ちません。
教科書の内容なんて正直、時代に取り残されています…
でも社会の中で新しいビジネスが生まれた時、成功している企業をマーケティング的な視点で見るための土台にはかなり役に立ちます。
上手く行っている企業のやり方が「なんで上手くいっているのか」を説明できるようになるので。
そして、簿記。
簿記は資格を取る為の知識よりも、お金の計算については最低限知っておいた方がいいという認識ですが。
こうやって考えると「高校の教員」と「起業」は一見遠いようですが、私にとって起業をするための知識の土台をいくらでも得られる環境でした。
沢山自分なりにビジネスを学び、会社の仕組みを学び、お金の動かし方を学んできた教員生活でしたが、同時に現実の社会との教育現場で教える商業という科目の誤差がだんだん広がっているような気がしていました。
自分ができる事はなんだろう?
近いうちに起業する高校教員の自分にできることは何か?
この事が起業する為の一つのテーマになっていました。
ちなみに大学時代から一番好きで学んでいた事は都市開発について。
「街づくりをしたい」という思いは昔からあります。
ただ、どこにどんなビルを建てて道路をどこにつくってとか、そういう類の事は全く興味がありませんでした。
もっと身近な街づくりをやっていきたい。
自分なりの答えは
人と人が繋がり、関わる事
です。
多くの人が繋がり、街に関わることが街づくりの為の一番大切な要素だと私は信じています。
これは何年もブレずに思っている事です。
私の起業はどんな形であれ、この事に関わる事が最大のテーマです。
だから何?何が言いたいの?
そんな事を言われそうですが、もう少しお付き合いください。
最初に私が浮かんだ事は飲食店の経営です。
飲食店は沢山の人が分け隔てなく利用できる場所です。
でも経営は一般的に始めやすいが続けづらい。そういう側面もあると思います。
ましてや新型コロナウイルスで大ダメージを負って今も苦しい状況の飲食業界…
「厳しいから辞めた方がいい」
そういうアドバイスも飲食店の方から言われました。
正直悲しい事だと思いました。
確かにコロナが変えた世界がそういう気持ちにさせているんだなって思いました。
でも人が繋がらない社会なんて何も出来ないし、楽しくないと思います。
そこを何とかしたい。こんな自分が辞めた方がいいという所に挑戦するからこそ伝えられる事がある!!
だから何としても飲食店を作りたい。
その思いがこの柿川亭をつくる一番の動機です。
「飲食店の敵は飲食店ではない」
これも思っています。
(じゃあ何が敵なの?って言われたら正解を言えないですが…)
ただ、繋がりが広がれば全員が勝つ道だって見つけることが出来る。
街全体が賑わって活気づけば今の現状を変えていける事がある!
こんな風に思っています。
新米のお店ですが、大きな旗を振らせてください。
「街づくり」
これが私の、柿川亭の目標です。
どれだけでかい事が出来るか分かりませんし、失敗もあると思います。
でも、農家さんと繋がり、他の飲食店と繋がり、街にアクションを起こしていく。こう言った事にどんどん挑戦して、街の魅力を発信していきたいです。
そして、優しい気持ちの巡る街を作りたい。
柿川亭ではペイフォワード(恩送り)に挑戦しています。
支援をする事は日本ではまだまだ一般的ではありません。でも支援の文化は必ず必要になっていくし育てていくべきものであると信じています。
支援が必要な時、支援が出来る時。人によってタイミングは違うと思います。
支援が必要な時は支援を求めたらいいし、支援を受けたらいい。
逆に余裕があって支援ができる時は支援をする。
そういった繋がりをもっと広めていけるような事も柿川亭から始めていきたいと思っています。
そして最終的には「挑戦する」という事のハードルをとにかく減らしていきたい。
まだまだ、挑戦する事のリスクが高いと思われる社会ですが、こんな自分が起こすある意味「ぶっ飛んだ挑戦」が誰かの刺激になって、誰かの挑戦の後押しになったらいいなって思っています。
柿川亭を造る為に建物の解体から工事を始めて、開業するまでの道のりは知らないことがいっぱいで失敗だらけ。
それでも助けてくれる人がいて何とかここまでやって来ました。
今度は柿川亭から支援を回す番もあるし、まだまだ挑戦は続きます。
♪受け取った愛のギフト 今度は僕が送る
いつか巡り巡って きっと君の元へ♪
尊敬と共に大好きなミュージシャン「ひなた」が創ってくれた『綴』というテーマソング。この曲に負けないように柿川亭は頑張っていきます。
きっと今日はこの記事に辿り着く人がいるんじゃないかって思ったので長文で今の思いを書かせていただきました。
頑張ってください。
いただいたサポートは挑戦に投資します! 挑戦している人を応援して、自分も応援されたい!