東近江トレイル北端・猪子山の「坂上田村麿呂」伝説 7 東近江トレイル探訪、繖山・箕作山 2023年1月9日 16:42 猪子山の山頂にある北向岩屋十一面観音には大きな社があり、中には像高50㎝程の小さな石造の観音さんが岩の中に祀られていて、毎日多くの人達が健康維持を兼ねて参拝に訪れます。そして、その近くに由緒書がある石碑が建てられています。それによると「坂上田村麿呂」が鈴鹿の鬼賊を討伐の際、この繖山五嶺の東北端烏帽子岩窟内に十一面観世音菩薩の石造を安置して祈願されたと伝えられている。この観世音菩薩は、・・・・・、合掌の手に数珠をかけているお姿は、他に見かけられない・・・(北向岩屋観音奉賛会)」と書かれています。 昔は岩の祠だけだったようですが、近年に綺麗な朱色をした大きな社が建てられています。そして毎朝、奉賛会の人達が参道や周辺の清掃をしておられ、気持ちよく見学・参拝ができます。毎月17日には法要も行われます。 これは麓にある善勝寺の山門、まるで竜宮城のようです。坂上田村麿呂といえば、平安時代の公卿、武官で桓武天皇を支えた人、征夷大将軍として東北を平定した人で、京都の将軍塚に甲冑を着たまま埋葬・祀られ、平安京の守護とされたそうです。そして、この善勝寺(旧釈善寺)に東征を祈願、成功のお礼に千石余りの寺領を寄進したとされています。 また、善勝寺には大嶽丸の首塚が丁寧に祀られています。鈴鹿の鬼賊で坂上田村麿呂に討たれたそうで、酒呑童子と共に日本三妖怪のひとりとされています。しかし、実際の歴史はどうだったのでしょうか? 善勝寺に向かう道中で、カラスウリに出会いました。この個体は緑っぽく、実にウリによく似ています。中にある種は「打ち出の小槌」のような形をしています。 下山の途中でシャクナゲの花のツボミ、もうすぐ春、4月中旬には赤い花を咲かせてくれます。 帰途、麓に流れる瓜生川には数羽のオオバンが餌をついばみながら、のどかに泳いでいます。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #坂上田村麿呂 7