東近江トレイル繖山コースのパトロール・倒木処理

画像1 繖山の山中は、タカノツメの黄葉が真っ盛りです。タカノツメは辛い辛いトウガラシの「鷹の爪」とおなじ名前・・・。東近江トレイルのツアーの際などに紹介すると、稀に首をかしげる方がおられます。この木の冬芽は「鷹」の爪にそっくり、トウガラシの鷹の爪も同様なのでこの名前だそうです。
画像2 今日は、繖山登山道の整備活動などを行っているボランティア団体「きぬがさ山 里山に親しむ会」の定例作業日です。今は除草作業は必要がない時期なので、パトロールを兼ねて倒木などがあれば処理する作業です。それぞれがチェンソー・ノコギリなどを持って、さっそく出発です。
画像3 出発前に、あたりの植物などを観察していたので、少し遅れを取って、置いてけぼりにされます。コースは確認済みなので後を追いかけます。地獄越という山道を登っていくと倒木が・・・、先に出発した仲間は、迂回ルートを進んだようなので、合流を優先して作業は後回しにします。
画像4 地獄越のルートは、旧能登川町と旧五個荘町を結ぶ繖山横断の登山道です。自動車や自転車がない昔、この道が幹線道路として主要な役割を担っていたそうです。「地獄」の名前の由来は、観音寺城の六角氏と織田信長の戦いの様相が地獄のようだった・・・、思い荷物を運ぶのが地獄だったという比喩・・・、2説あります。真偽のほどは分かりません。
画像5 地獄越の峠(217m)まで登ります。左へ登っていくと観音寺山三角点(432m)を経て、観音寺城址や観音正寺に至り、右に登っていくと雨宮龍神社を経て北向十一面観音に至る東近江トレイルコートです。いつもここで休憩するのに、おかしい・・・。仲間に追いつきません。先に登っていったのか・・・?
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画像7 雨宮龍神社の方向に登って行きます。神社に着きますが、ここも休憩場所なのに誰もいません・・・。連絡を取ると、みんなの現在地は地獄越峠だとか・・・。途中で追い越したようです。参拝後に、周囲をパトロールします。幸い倒木等もないので、ここでみんなを待ちます。
画像8 合流後に北向十一面観音方向に歩き始めるとすぐに、石馬寺から登ってくる三叉路があります。この辺りも綺麗に整備されていて特に支障はありませんが、小木の処理します。
画像9 さらに進みますが、幸い大きな倒木もありません。通行の支障となる小枝を処理しながら進むと、不思議な三段重ねの岩に出会います。この山の岩は、七千年前の火山噴火で形成された湖東流紋岩で構成されています。この不思議な重ね石は、それからズーットこの形なのでしょうか・・・? などなど頭の中を空想が巡ります。登山の際の話題が増えました。
画像10 コシダです。
画像11 ウラジロです。
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画像13 コシダとウラジロはいずれもシダ植物ですが、道中に並んで生えている場所があります。コシダの葉っぱは2叉⇒2叉を繰り返し、ウラジロは春に一回だけ2叉します。並んで生えているので、その違いがよく分かります。
画像14 紅葉・黄葉を眺めながら、快適な登山道を歩いて行きます。
画像15 北須田城址に着きます。この場所には、この道標が立っているだけです。城址と説明を受けないと、城好きの人でないと見逃してしまうでしょう。 私は午後に用事が入っているので、ここで仲間と連絡取り離脱し、北向十一面観音方向に進んでいきます。
画像16 伊庭山城址に到着します。麓には伊庭城址がありますが、ここは山城跡です。写真の右側が少し高くなっていて続いています。低土塁の痕跡です。ここも、城好きの人でないと見過ごすかもしれません。中央には、大きなアセビの木が生えています。
画像17 ここから長い木段を下っていきます。あともう少しで、北向十一面観音に到着です。
画像18 途中に、この登山道が国有地であり、東近江市が借用している旨のことが書いてある看板に出会います。用途は「生活環境保全林遊歩道敷」だそうです。
画像19 北向十一面観音の祠岩は、アマノウズメノミコト(天鈿女命)とあります。天孫降臨・天岩戸などで知られる神様です。麓近くの岩船神社の大きな船の形をした岩は、比良から渡ってきたとか・・・。湖の向こうの白髭神社のご本尊は、サルタノヒコノミコト・・・。岩船に乗ってアマノウズメノミコトに会いに来られたのでしょうか・・・? 神話のローカルストーリーに思いが及びます。
画像20 北向十一面観音にある道標です。この道標と、隣にある東近江トレイル地図看板は、安全登山に役立てるために、きぬがさ山里山に親しむ会と東近江トレイル実行委員会で整備をしてきたものです。
画像21 伊庭内湖の向こうには比良山・・・、ここ猪子山山頂からの風景を眺めて、今日のパトロールと作業は無事に終了です。
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画像23 繖山北端の猪子山はモミジの紅葉、タカノツメやコナラの黄葉が本格化してきました。12月初めまで楽しめます。

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