佐川真佐夫が如何に天才なのかを世間に伝えるためのnote 第9話~カンニングと言う名の完全犯罪~
学校と言う組織の中では試験(テスト)と言うものが存在する。今も昔も変わらないだろう。真面目に勉強し続け試験に備える奴もいればカンニングと言う奥の手を駆使する奴もいるだろう。
俺は正直、カンニングと言うものを行使した事が無い。それはカンニングするよりもっと効率の良い事を考え付くほどの天才だからだ。
カンニングペーパーを作った事はあるのだが作っている最中に内容を覚えてしまい全く意味をなさないペーパーになってしまう。だから作った事はあるが使用した事は無い。これは俺の天才的な記憶力の凄まじさを自慢しているわけではない。そんなレベルの話で済まされたくないのだ。
俺は勉強が好きなタイプの人間ではなく、「いかに楽をして点数を稼ぐか。」と言う事にこだわっている人間だった。今もそうかもしれないが・・・
それは高校時代の話。
天才的な俺はある盲点を付き100%点数を稼ぐ技を見つけ出した。しかし、それは俺一人では実行できない。仲間が必要だった。しかも後ろの席、もしくは前の席にいないと実行できない。
俺が通っていた高校では試験の時、出席番号順に席替えをし試験を受ける事になっていた。俺の前の席は斉藤、後ろの席は澤田と言う男。斉藤と澤田だと澤田の方が仲が良いし扱いやすい。俺は澤田を味方につけることにし、とある提案をした。
中間テストなら5教科。期末テストなら10教科。共に半分ずつ勉強しよう。
澤田は俺が何を言っているのか分らない感じだった。
勘違いしてもらいたくないのだがテストの時「回答を見せ合う」わけではない。ここが重要だ。
見せ合うにはリスクが大きいのでそれは駄目。天才的な俺はもっと凄い事を思いついているのだから。
ではどう提案したかと言うと。個々に勉強した科目しかテストをしないでいこうと提案したのだ。
順を追って説明しよう・・・
例えば俺が国語、数学、日本史で澤田が生物、英語、英語(文法)が担当とする。
国語のテストの時は俺が澤田の分まで答案用紙を貰い澤田の分も解答を書き提出する。勿論、字体も変えてね。
答案用紙を回収するのは一番後ろの席の人間。その時に俺が俺の分と俺が澤田の為に書いた答案を渡すと言う技。
ただこれには一つ決まりを作った。「担当した方の点数が10点ほど多く書き込む」と言う決まりだ。
全く同じだと疑われてしまうのでそう言う決まりを作ったのだ。
澤田は驚き、そして嬉しそうに俺の提案を受け入れた。十中八九、ばれない完璧な技だからだ。
どうです!!理解できましたか?凄いでしょ?
その技の御蔭で俺も澤田も学年で10番台に何時も顔を出す賢い人間だったのだ。あたりまえだ。他人より半分しか勉強しないのだから1教科あたりの勉強時間が倍。優等生も優等生。驚くほどの優等生なのだ。
数回、繰り返していくうちに近くに座る生徒達も次から次へとマネを始め我がクラスの平均点は驚くほど向上する事となった。特許を取得したいほどの人気っぷりだったのだ。
その後、大学受験を迎えた俺たちは全ての大学に落とされ澤田は2浪、俺は専門学校へと落ち着いたのだ。
つづく・・・第10話へ
『佐川真佐夫が如何に天才なのかを世間に伝えるためのnote』
○第1話 ~概要~
○第2話 ~はじめに~
○第3話~蛙と俺~
○第4話~こんにちわ新聞屋さん~
○第5話~天才はやっぱりモテる~
○第6話~愛しのポン太~
○第7話~静電気と宇宙人~
○第8話~芥川賞を受賞した時のための記者会見の練習~