佐川真佐夫が如何に天才なのかを世間に伝えるためのnote 第7話~静電気と宇宙人~
静電気。
それは悪魔のように、否。まるでドッキリ番組に騙される側として出演しているかの如く現れる。
玄関のノブを触ればバチ。電車の中でバチ。エレベーターの階数ボタン押してバチ。ひどい時は人間の肌に触るだけでバチと弾ける。
まさにドッキリだ。取り憑かれたら一日中でもバチバチバチバチやられる。忘れた頃にバチッ!!心臓に悪い。何で俺ばかりバチバチバチバチなるのか本当に不思議になるほどだ。体の中にデカイ磁石が入っていると勘違いするほどだ。ひょっとしたら俺ほどの天才だから宇宙人が興味を示し体の中に『何か』を埋め込んだのかもしれない。そのせいで他人より多く静電気地獄を味わっているのかもしれない。考えれば考えるほど、その確率が限りなく高いように思えてきた。宇宙人たちも、どうせ実験するなら天才がいいはずだ。そうだ!!きっとそうなのだ!!やはり俺は選ばれた人間なのだ!!
と自分自身を盛り上げてみても驚き、変な悲鳴を上げているのだから救えない。
仮に宇宙人が磁石か何かを俺の体の中に埋め込んでたとしたら、「俺様の許可を取らずにふざけた事をしやがって!!」とムカつきが出てくる。
ひょっとしたら宇宙人たちがドッキリの番組を制作していて俺を出演者としているのかもしれない。「俺様の許可を取らずにふざけた事をしやがって!!」と言うムカつきも宇宙人の思う壺なのか?ちくしょう!!まんまと罠にハマっているのか!!
今日ここに宣言する。宇宙人に宣戦布告をしてやる。俺様は一味も二味も違うのだから。
まずはドッキリに嵌ってしまっている事が不味い。だから静電気対策をする。そうすればドッキリ番組なんか怖くも何ともない。そう言えばマイナスイオンで静電気が退治できると聞いた事がある。嘘か本当か知らないが試してみるのも悪くないだろう。
俺は早速、ヨドバシカメラへ行き、マイナスイオンを放出する電気器具を探してみた。ある。ある。マイナスイオンを放出する器具が。
俺はその中から空気清浄機を選び購入した。これで宇宙人に舐められる事もないだろう。俺の部屋ではマイナスイオンが放出され体内までマイナスイオンのパワーで充満するだろう。静電気など怖くない。マイナスイオンパワーで蹴散らすのだ。
これだけではちょこっと心配だからポカリスウェットを飲もう。何だか解からないがマイナスイオンっぽいからね。静電気にも強そうだし。
これで完璧だ。
何処からか俺様を観察している宇宙人たちよ。番組を台無しにしてゴメンネ。ドッキリ番組を作るなら中途半端な天才にしなきゃね。俺のように天才過ぎると対抗策を考えるのだよ。
俺は優越感に浸りながらテレビをつけた。某番組の中では静電気について偉そうな先生が語っていた。偶然にしては出来すぎている。などと思いつつ観てみると、静電気対策について話し始めた。
「玄関のドアノブを触る前に地面を一度触ると良い。もしくはライターを点ける」
静電気は火に弱いらしい。実際に実験もしていた。完璧な対策だ。
俺はその番組を観ながら空気清浄機を作動させた。この俺の姿も宇宙人は見ているのかもしれない・・・
つづく・・・第8話へ
『佐川真佐夫が如何に天才なのかを世間に伝えるためのnote』
○第1話 ~概要~
○第2話 ~はじめに~
○第3話~蛙と俺~
○第4話~こんにちわ新聞屋さん~
○第5話~天才はやっぱりモテる~
○第6話~愛しのポン太~