目測の露出
シャッター幕が開いた瞬間に露光した部分の像がフィルムに焼き付く。
ある程度イメージはついているが、本当に写ってるのか家に帰って現像するまでわからない。
さらに、現像時間、攪拌の方法や回数、液温、液の疲労具合。現象に入ってからも不安は尽きない。
そんなドキドキを毎回経験しながら撮影に赴くことは、最初はとてもストレスであった。
ただ、目測で露出を決めることができるようになってきて、最終的にダメでもまた撮りに来ればいいと割り切る気持ちが身についたことで、撮影体験がものすごく楽しいものになっている。自分の目で見て明るさを考えて絞りとシャッタースピードを決めて撮る。写す世界を自分で決めているような高揚感が気持ちがいい。
さて、私なりの目測の露出は以下の通りだ。
(セオリーはあれど露出の決め方は人それぞれだと思うので、あくまでも私個人の見解であることを先に断っておく。)
<ISO感度100の場合>
ベースの露出
太陽を背にした空→F16,SS1/125
被写体に直射日光が当たっている→F8,SS1/250
被写体が木漏れ日のある日陰に入っている→F5.6,SS1/125
被写体が室内で窓際にいるOR被写体が木漏れ日のない日陰に入っている→F2.8,SS1/30
SUNNY16ルールを基準に、緑が18%グレーと同等の反射率であることを考慮して、以上の値を元に撮影をしている。ただドキドキして落ち着かない時は反射光が拾える距離ならばライトメーターで値を測定して撮影する。遠景の場合は、陰をどれだけ起こすか、ハイライトをどれだけ抑えるかなど部分ごとの露出もイメージしながら撮影する。
こうすると一回の撮影に平気で2時間ほどかかり、いい有酸素運動ができるのである。
ある程度この考えで大きく露出を外さなくなってきたので、次のステップとしてポジフィルムに移行しようと考えている。ポジの場合はフィルム代も薬品代もモノクロより多少かかるので、一枚一枚を無駄にできない。毎回しっかり露出を図って意図した写真を残せるようにしたい。
モノクロ写真を通じてアンセルアダムスを知り、露出による表現の可能性を見出すことができた。これからも精進していきたい。
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