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秋の過ごし方

「体のケア、忘れるなよ」

高校野球らしい季節の夏が過ぎ、季節は秋に。
秋の時期は大きな公式戦はなく、唯一あるのが秋季大会。

僕のいた県では、秋の大会に優勝、あるいは準優勝すると、近隣県の優勝、準優勝校とのトーナメントが行われる。成績がベスト4以上に入ると翌春に行われる選抜高校野球大会への出場の権利を得られる可能性があった。

僕らのレベルでは選抜野球に出ることはできなかったので、秋の大会で少しでも良い成績を残すことで、春の大会でのシード権を目指した。

シード権とは、2回戦以上からのトーナメントの参加と、シード権を獲得した学校同士での対戦するリスクを避ける目的がある。
トーナメントにおいて良い成績を残すためには、

  • 試合数を減らす(=余力を残すため)

  • シード権を獲得することで強豪校との対戦を遅らせる

最低でもこの2つを達成することが大切。高校野球は短期間で試合が行われるので、疲労が残ってしまいパフォーマンスが低下した状態から、強豪校などとの対戦は不利になる。そのため、なんとしてもシード権を獲得を目指していたのだ。
結果は無事、秋の大会でシード権を獲得して今年の公式戦は終了となった。

公式戦が終わると、通常の練習とともに体力向上の練習メニューが追加された。短中長距離、それぞれのメニューが追加されていく。

僕らは何も知らない+体力に余裕はないのでついていくだけで必死。
そんな中先輩たちの不敵な笑みが浮かんでいた。

ある時を境に先輩たちから、日を追うごとによく言われるようになった言葉がある。
「体のケア、忘れるなよ」

ん?どういうことか。

そう、それをこれから知ることになっていくのだ。

他のどんな季節よりも厳しい時間を過ごす、「冬」という季節。
想像以上の練習がやってくる。

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