節目【エッセイ】八〇〇字
早大エクステンション「エッセイ教室」春講座(全八課題)の最終課題は、「節目」。早いもので、2024年も半分になろうとしています。その節目になるのが、七夕の節句。もう少しですね。
私の人生における節目は、就職(仕事選び)、転職、異動、そして独立だったように思います。
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就職をきっかけに免許を取得し、半世紀。歴代の愛車たちの排気量は、私のキャリアに合わせるかのように、大きくなってきた。
学部近くのバイト先のオーナーに誘われ、飲食店のチェーン化計画に参加。東京から実験店がある群馬に移り、最初につき合ったのは、黄色いチェリー一五〇〇。計画は中止に終わるのだが、故郷・北海道への往復三千キロの傷心の旅にも、寄り添ってくれた。
その後、計画に関わった店舗設計会社の社長に誘われ、大阪へ。が、すぐに東京からオファーがあり、東名を三往復したことも。結局、二十代後半はモラトリアムな動きに振り回され続ける、黄色いサクランボであった。
三十路からは、十七年勤めることになる会社での順風満帆な、道程。二代目は、八〇年代「カラス族」カラーを身にまとったインスパイヤー一六〇〇。私を、鼓舞してくれた。
後に一挙に開花し、ゴルフをやる余裕も。そのキャディ役も務めたのが、ブルーバード二〇〇〇。早朝から叩き起こし、こき使う。
さらに胸が膨らみ、クラウン二五〇〇。天狗になったわけではないが、この頃から社長と衝突。「零細企業の社長さんの車」に、背中を押され、四十七歳で独立することになる。
ほどなく、売上が安定しないというのに別人に目移り。清水の舞台から飛び降りる覚悟で乗っかったのが、三〇〇〇のナイスバディ。
中々の「アゲマン」だったようで、直後からうなぎ上り。飛ぶ鳥落とす勢いとなり、高値が付いたところで、整理することに。退職金代わりに金髪さんでもと迷ったが、団塊の世代にとって、妬みの対象。グッと我慢する。
引退するも、三年でコロナ禍。体力も減速、ゴルフ場への頻度も激減。肺活量も減少する身には過分な、排気量。なによりも、「エコ」に反する行為と反省する。人生も一区切り。免許返納の頃合いかと、検討中、である。
TOP画像:豊洲市場サイト
(おまけ)
先週アップした『自由題』。師匠の添削が戻りました。しかし、「自由題」というタイトルにしたことについてのコメントは、なし・・・。ちょっと拍子抜け。
「なにをご冗談を」とか、「的外れ」とか、「狙いは良かったけどね」とか、「その勇気は買う」だとかあっても良さそう。じゃありません? 💦
コメントは、このような内容でありました。
いささか、勢いの微妙な流れ。「それに歩調を合わせた風」が、その後の展開を、それなりに予感させます。
「ドラマ仕立て」の提要は、「この辺りが結末かな?」と読者が予感する「その一歩先を見据える」こと。
この作品では、その視点をベースに、スタッフ二人、そして筆者ご自身の「心の襞の揺れ」が、絶妙に活写。結果的に、読者の心の襞も、揺らしています。
(おまけ2)
「まあ~、こんなもんじゃないの」なんてシラケていては、いつまでも低俗なままじゃない? じゃ、どうする。