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目指すべき国はデンマーク

北欧は医療や教育の無償化など福祉国家のイメージが強いですが、国民が挑戦しやすい環境も備えます。代表はデンマークの「フレキシキュリティー」。柔軟性「フレキシビリティー」と安全性「セキュリティ」を組み合わせた政策は解雇規制が緩やかで人員削減がしやすい一方、学び直しや再就職の支援など保障を手厚くします。1990年代にデンマークが導入し、2000年代後半からヨーロッパ各国に広まりました。
北欧の失業率は5~8%で推移し日本より高いですが、次に働く機会が見通しやすいため不安は小さいです。今貧しくても豊かになるチャンスも多いです。所得下位20%の家庭に生まれた人の最終的な所得水準を見ると、生まれた時より上位に上がる人の割合はスウェーデンで73%、アメリカの67%より高いです。
2000~2019年のGDPの平均成長率を見るとスウェーデンは2.2%、フィンランドは1.4%、デンマークは1.3%伸びる一方、所得格差の大きさを示すジニ係数は直近で0.26~0.28に留まり、個人主義と共助が良いバランスにある状態です。競争を促しつつ再挑戦を容易にすることで格差を抑えながら高成長する好循環です。
アメリカのGDP成長率は2%ですが、ジニ係数が0.4と高く格差が広がっています。所得別人口の上位1%が稼いだ額の合計が全体の所得に占める比率は、過去30年で14%→19%にまで上昇しました。それに対し下位50%は16%→13%に下がりました。富める者が富み、持たざる者が貧しくなった結果、幸福度は低いです。
日本のGDP成長率は年平均0.7%と北欧を下回るのに対し、ジニ係数は0.33と北欧より高く幸福度も低いです。30年間も実質賃金が増えない「国民総貧困化」という危機的状況を生み出しました。
中国はGDP成長率は年平均9%に達する一方、格差が広がり幸福度は日米欧を下回っています。
 
米ギャラップの調査では、熱意を持って仕事をする社員は、アメリカは30%超、北欧は20%前後に対し、日本は5%とダントツに低い状況です。
パーソル総合研究所の調査では、幸せの実感が低い人が多い企業は減収が多く、社内の幸福度の低さが企業の成長を阻み、それが社員の不満をさらに高めるという負のスパイラルを招きます。三菱UFJ銀行など有力企業が相次ぎ、社内の幸福度を調べる仕組みを取り入れ始めました。
 
上記から見えるのは、成長していないのに格差は広がるという日本の構造問題です。そして、Century Holdingsのミッションは「日本を幸せにする」ことなので、幸福度が高いヨーロッパ、特にデンマークのフレキシキュリティーは真似するに値すると思います。
フレキシキュリティーを達成するために必要だと思うのが副業だと私は考えますので、別途検討したいと思います。


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