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押さえておきたいお金の知識 その1

2022/4/9の日経プラス1で特集されていました『10代で学びたいお金の知識』について、別に10代でなくても必要な知識だなと思いましたので、私の感想も含め記事としてみました。私にも娘息子がおりまして、そろそろお金の勉強をさせないといけないなと思い始めているところです。
お金が重要ということは誰しもが同意することだと思いますが、一方で文部科学省の方針から、お金に関する教育は学校では行わないという不思議な日本の環境があります。多分源泉徴収でいくら取られているか分かって欲しくないという戦時中からの悪巧みが残っている気がしますが、自分に必要な知識であれば学ぶべきです。今週は1位から5位を特集します。ぜひ以下の5項目は最低限、興味関心を持つようにしましょう。

<1位 税金>

税金が国や地方自治体が徴収するお金である事は想像できますが、その中身は所得税や住民税、消費税、相続税等と細かく分かれ、種類は約50もあります。使い道をしっかりと把握することが税金の理解につながります。税金で大事なのは、公平で効率的な『徴収と分配』。これを決めるのが政治の役割なので、税金を勉強することで政治に対する関心が高まります。

→私は税理士なので法人税や所得税等も一通り勉強しておりますが、税金に慣れ親しんでいない方は、まずは身近な所得税に焦点を当てて学んでみるのが1つの方法だと思います。
具体的にはふるさと納税や住宅ローン減税をやってみることから始めるのが一番早いと思います。できれば確定申告を提出するようにしましょう。源泉徴収と年末調整で終わってしまうと全く税金に触れる機会がなくなります。
支出の一番大きいものは税金と社保です。ここを節約することにより、資金繰りは大きく改善されます。ぜひ興味を持っていただきたいです。 

<2位 年金>

日本に住む20歳以上60歳未満が原則加入するのが国民年金です。年金の本質は人生の様々なリスクに備える保険です。老後に備えるにも何歳まで生きるか正確には分かりません。終身で生活を支える公的年金は、長生きリスクへの重要な備えとなります。老後だけでなく病気などで障害が残ったときの障害年金や、家族が働き手がなくなったときの遺族年金など現役時代を支える保障もあります。

→税金と同じく社保は人生の多額の支出となります。保険なので、本来であればその保障内容をきちんと理解した上で加入すべきですが、社保は強制加入のため、ほとんどの人が保障内容を知らない状況です。非常に高額の保険のため、保障内容も充実しております。
社保の保障内容を理解した上で、民間保険の見直しを実施するとかなり保険料が抑えられます。保険は人生において家に次ぐ高額支出商品です。ぜひ保険は見直しましょう。

<3位 奨学金>

奨学金は若者にとって一昔前より身近なお金の問題です。昼間部の大学生のおよそ2人に1人は奨学金を受給しています。国は返済不要の給付型の拡充を急ぎますが、返済が必要な貸与型の利用者が多いです。安易な利用はリスクとなる一方、奨学金の利用を避けるために学生時代の貴重な時間をアルバイトに注ぎ込み過ぎてるのも問題です。奨学金の返済は子がするが、どれぐらいの期間、月々いくら返済するかを子に説明するのは親の義務となります。

→大学生にとって貴重な収入源である奨学金ですが、貸与型がほとんどのため、社会人1年目から多額の借金を負ってスタートすることになります。一方、大学の学費を稼ぐためにバイトに明け暮れるのはもったいないです。私は親として、大学の学費までは準備してあげたいと思います。難しければ給付型がなんとか取れないかを検討しましょう。借金は少ないに越したことはありません。

<4位 金利>

金利とは、お金の貸し借りで払う利息の割合です。利率や利回りなどとも呼びます。金利は原則として需要と供給で決まります。利息を元金に組み入れる複利と組み入れない単利があり、この2つの違いを確実に理解しておきたいところです。

→日本の国債金利がずっと0%近くを推移している昨今では、ほとんど金利は影響しませんが、1980年代は郵便局の定期で8%もの金利がついていました。また、住宅ローンを借りる際にもどうやったら借入金利を減らせるかが、今後の利息支払に大きく影響します。
また、今の円安が日米の金利差を一因としていることは金利を理解していないと分かりません。世界経済を知る上で、金利は不可欠な要素です。
単利と複利の違いは絶対に抑えておくべきです。『72の法則』等有名な法則はありますが、とにかく複利の膨らみ方は想像以上です。資産を運用するにも、借入金を借りるにも金利は非常に重要な考え方となりますので、ぜひ押さえておいて欲しいと思います。

<5位 株式>

株式は会社やお金を出資した証明として発行されるもので、株を買う事は会社のオーナーの1人となることです。経営破綻すれば紙屑となるリスクもありますが、事業成長などで株価が上がれば市場で売って利益を得られます。株価が動く要因を理解すると、経済全体を見る目が養われます。株式は仲間を集める仕組みとして理解しても良いと考えます。企業は1人の力ですると思う人が多いですが、実は他の人から様々な協力を得て成り立つものです。

→投資の基本となる株式の考え方も重要です。収益となるのがインカムゲインとキャピタルゲインで、当然ながらキャピタルゲインの方がハイリスク、ハイリターンとなります。日本企業は安定配当を好むため、日本株はインカムゲインが計算しやすいです。その他、日本株に特有な株主優待制度等もあります。
コアサテライト戦略からすると、インデックス長期投資がコア、個別株式への投資がサテライトになるかと思います。コロナ前の優良株がコロナ禍になり、酷い目にあったのは皆様ご存じの通りです。また、コロナ禍で新規ビジネスも生まれました。
株式は資本市場の基礎となる部分です。会社法等の難しい話は理解する必要はありませんが、ぜひ株式には興味を持ちましょう。


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