自分の人生は自分で決める!
<副業・兼業は増加中>
内閣府がリクルートワークス研究所の『全国就業実態パネル調査』を集計したところ、30歳未満は2019年時点で男性は15%、女性は18%が副業・兼業をしていました。この率は年齢が上がるほど下がる傾向にあります。副業・兼業からの収入は50歳代男性で80万円を超えるなど、年齢が上がるほど高まる傾向があります。
米調査会社YipitDataによると、ウーバーの一回乗車あたりの料金が、2022年4〜6月に全米平均で20.9ドルと、データが確認できる2017年以降で最高を更新しました。Uber等テクノロジー系の各種アプリで働く人々は1年前に比べて31%増の500万人近くに達し、過去最多となっております。
<学生も事前に体験を望む>
採用支援のプレシャスパートナーズが2023年春に大学を卒業する学生を対象にアンケートを実施した結果、内定を得た後、入社前の期間に仕事を体験したいと回答した学生は91%に上りました。ミスマッチを防ぎたいという学生が多いようです。
<シニア労働者の増加>
スタッフサービスは2022年5月、60〜70代の派遣就業者数が3200人と前年同月比4割増、コロナ前の2019年5月比でも6割拡大しました。パーソル総合研究所の調査では、再雇用後の年収は平均44.3%減少します。
総務省の労働力調査によると、2022年5月の65歳以上の派遣社員数は14万人で5年前から4割増えました。
内閣府がまとめた高齢社会白書2021年版では、2020年の労働力人口のうち65歳以上が占める割合は13.4%で、10年前より4.6ポイント増えました。2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法では、70歳まで従業員の就業機会を確保することが企業の努力義務となり、シニアの働く環境の整備も進んでいます。
総務省が発表した2020年の国勢調査の就業状況等基本集計を見ると、90歳以上で雇用者として働く人は約5000人、95歳以上も約500人います。
厚労省の推計によると2040年時点の65歳が100歳まで生きる割合は2019年比で2から4ポイント上がり、男性が6%、女性が20%、100歳以上の人口は30.9万人に達し、2021年10月時点の約3.6倍になります。
帝国データバンクによると、全国の社長の平均年齢は2021年に60.3歳で、調査を始めた1990年の54歳から6歳上がり31年連続で過去最高を更新しました。
<40代以降でも転職>
日本生産性本部の2022年7月の調査によると、将来の転職を『希望する』『転職活動中』を合わせた比率では40代で約50%と年代別で最も高く、パーソル総合研究所が2021年1月に実施した調査では、50代の約2/3が60歳を超えても働きたいと答えました。
<女性の社会進出も増加>
企業統治助言会社のプロネットが、2022年7月1日時点でプライム上場企業1829社を調べたところ、選任する取締役のうち女性は1985人で、4社に3社が1人以上の女性取締役を選任し、投資家が求める取締役会のダイバーシティに配慮する姿勢を見せています。2020年の東証一部企業2186社では52%と2社に1社の割合でしたが、現在では75%と4社に3社の割合となっています。女性社外取締役を二人以上選任している企業の割合も12%から20%に増えました。ただ全取締役に占める女性比率は12%で、欧米の3割前後と比べるとまだ水準は低い状況です。
<男性の育休取得率は発展途上>
男性の育休取得率が2021年度過去最高の14%となりました。前年度より1.3ポイント増えましたが、政府目標の30%との差は大きいです。期間も2週間未満の短期が半数以上です。男性の育休を促すため、2022年10月から新たに『産後パパ育休』が創設されます。通常の育休とは別に、子供の出生後8週間以内に最大4週間利用が可能です。通常の育休より申出の期間が長く、労使合意の元完全に休まず限定的に働くこともできます。
<働き方の自由〜権利と責任〜>
昭和時代の日本のサラリーマンは、就職したら終身雇用で生涯一社に勤め、定年を迎え年金をもらう生活というのがほとんどの人の人生でした。転職市場もほとんどなく自由がない環境でした。35歳を超えたら転職は無理と言われました。
逆に言えば考えなくて良い生活だったと思います。キャリアは全て会社が決めてくれます。その決められたキャリアに沿って進めるかどうかというのが人生において大きな論点でした。会社の意向に沿う形で仕事をすれば、昇給昇格が比較的スムーズとなり、社会的地位や大金を手にできました。
女性は結婚による寿退社がメインで、M字カーブが示す通り出産後専業主婦になる人が多かったです。社会復帰したとしても、パートやアルバイトのみで正社員の道は閉ざされていることが多く、給料は低い状況でした。
今はそもそもキャリアから自分で決める必要があります。どの会社で働こうと自由です。また気に入らなければ転職することも可能です。
仕事も一つである必要はありません。副業・兼業が認められるようになってきましたので、パラレルキャリアを積むことが可能です。
年齢も関係ありません。40歳、50歳であれ、能力があれば転職が可能です。 定年後に起業して自分のやりたいことをやるシニア労働者も増えています。
場所も関係ありません。テレワークが主体となり通勤すら必要としない職種が増えています。
女性も専業主婦である必要はなく、保育所等に0歳から子供を預けて社会復帰する女性がかなり増えました。
『自由』という言葉は一見するという言葉に見えますが、私見では『責任』の方が大きいという認識です。
キャリアがうまく積めずお金が足りなくなったとしても、会社は一切面倒を見てくれません。老後お金が足りなかったとしたら自分が悪いのです。 全て自己責任です。
また選択肢が多いため、非常に迷いを生む状況でもあります。数多くある選択肢の中から決断をする必要があります。この決断も自己責任です。
権利と責任はセットです。自由という権利を得る以上、自由に対する責任は取らなければなりません。このことを認識していない人があまりに多いと思います。
<自分の人生は自分で決める!>
このような観点で見ると、現在は各個人に責任がある社会になったと言えるでしょう。自由を権利の面を強調してプラスと捉えるか、責任の重さを重視してマイナスと捉えるかは個人次第だと思います。ただ昭和には戻りません。ダーウィンの進化論ではありませんが、環境に適応する必要があります。
自由を謳歌できるだけの能力と覚悟をもって今の世の中を生きれば、昭和と比べ非常に楽しい、生きやすい世の中だと思います。 逆に能力と覚悟がなければ、保障がない生きにくい世の中になると思います。
自分の人生は一度しかありません。『自分の人生は自分で決める!』という覚悟がまず必要です。この一度しかない人生をどう幸せに100年生きるかを真剣に考える上で、どう自分のキャリアを積んでいくのかを年に1度はまとまった時間をとって考えるべきだと思いませんか?