
#9 保険の外交員になり、 金融商品取引法を学ぶ
毎日毎日同じことの繰り返しの作業的なサラリーマン生活にほとほと嫌気がさしていたちょうどそのころ、以前の営業職時代のお客さんと偶然に再会したのです。
そのお客さんが外資系生命保険会社勤務ということで、
「山田くんがやるべき仕事は営業でしょう。もったいないよ」
そう、またもや勧誘だったのです。
しかしこの意見、完全にごもっとも。
結婚したら安定した仕事に就かなくてはならないと思ってサラリーマンになったものの、この時すでに離婚していたのでいろんな点で自分自身の中に矛盾が生じていた時期。
ということで約5年勤めたお堅い会社のサラリーマンを辞めて自由と変化を求めて転職を決意したのでした。
営業所、名古屋支社、日本支社、3つの試験面接を無事にパスして外資系生命保険会社の外交員としての道を歩むことに。
出社当日の朝、スーツなんて着て仕事するのは7年ぶりかななんて思ったのを覚えています。

しかしせっかくこの難関を勝ち抜いて採用になった保険会社だというのに、半年くらいで辞めました。
ライフプランナーという名前通り、お客様の一生に関わる重要な仕事。
本当に素晴らしい仕事だと思います。
だからこそその時住んでた愛知県を出て九州の実家に戻ろうと考えていた自分には、これは辞めるわけにいかない重要な仕事であって、自分みたいな定着の意志のない人間にはお客様に迷惑をかけてしまうしやってはいけない仕事だということに就職後に気が付いたわけです。
なので生命保険や医療保険は全く販売せず、それでもノルマクリアのために
「オーストラリアドル保険」という当時年利5.02%(変動アリ)の一括型の積立保険だけを販売してました。

もちろん為替相場の変動があるので絶対はないものの、銀行に貯金しているよりはかなりお得かなと。
よくよく考えたらこの半年の保険会社での経験は、知らず知らずのうちに金融商品取引法を実体験とともに学んでいたのでした。
例えば
・保険は資格試験をパスしないと販売できない
・契約の時には書面の重要事項説明の読み合わせと本人のサイン
・保険料は担当者が預かってはならない
・お客様の情報が入っている書類やパソコン端末は絶対に会社保管で家に持って帰ってはならない(個人情報保護の観点)
・頻繁に行われる朝イチで金融庁の超絶厳しい抜き打ち検査
ちょっとここで朝イチの金融庁の超絶厳しい抜き打ち検査について話しましょう。
朝いつものように出勤して扉を開けた瞬間に、
「はい、動かないで~バッグをこちらに渡してください~」
と金融庁の方がすでに社内に待ってました。
バッグの中身を隅から隅まで検査されます。
これは保険業法に基づいて健全な運営を行うための抜き打ち検査。
例えばお客さまの個人情報が入ったパソコンは業務終了後は必ず会社に置いておかなくてはならなず、家に持って帰るのは厳禁。
また、個人情報をプリントアウトした紙ももちろん持っててはダメ。
さらにはお客様から保険金を預かることも絶対にご法度。
とにかく今まで経験した中でダントツに厳しかったです。
検査中のピキーンと張り詰めた空気は今でもしっかりと覚えています。
幸いにして僕は違反したことなかったのですが、
これもし違反していたらどうなっていたか…
違反者は奥の部屋で長時間に渡りガッツリ絞られていたようです。
とにかくとんでもなく厳しかったという記憶があります。
金融庁が定める法律遵守の厳しさを身をもって経験したのでした。

そういえば子どもの頃に両親から
「銀行は3時に店を閉めたら全員でお金の計算をして、1円でも合わなかったら数え直し。合うまで帰れないのよ」
と聞いたことがありました。
金融機関は当然ながらお客さまのお金を預かる業務なので金融庁の管轄。
1円単位でズレの許されない世界で、金融庁への報告義務もかなり厳しいようです。
この経験が後々の金融詐欺ネットワークなどに引っ掛からなくなる知識として自分と自分の資産そして大切な仲間を守ることになったのです。
↓ もしかして私騙されている?と思う人はすぐにご相談ください ↓

第1話 プロローグ(序章)
第2話 勉強が大嫌いな少年期
第3話 アルバイトで発見した新たな自分
第4話 ねずみ講で警察に連行された
第5話 大手ネットワークビジネスの会社 ニュースキン登場
第6話 今度は最大手のアムウェイ登場
第7話 業界で急成長中のneways登場
第8話 neways行政処分の衝撃
第10話 月利3%のFXの会社に転職
第11話 なんと詐欺師の会社だった
第12話 大元の会社に助けてもらう
第13話 ここも詐欺師の会社だった
第14話 危機一髪 被害者を救い出す
第15話 警視庁24時(TV番組)に当事者が登場
第16話 山田、スポーツブックアービトラージに挑戦
第17話 次は香港で海外投資?
第18話 偽装通貨で大損した人続出
第19話 勉強するしかない
第20話 これから副業を始めようという方へ
第21話 何をしているのかわからない息子
第22話 両親から託された夢の実現へ