全7章 第1章 町工場の現場目線節約DX
1章: 中小町工場の現状と今後の目標
今の会社はこんなところ。
私たちの工場は、設計から製造までを一貫して行っている15人規模の工場です。デスクワークを担当するスタッフが10人、製造現場で働くスタッフが5人。
僕は唯一の若手です。小さく続けられるDXを期限付きで任されています。
しかし、ベテランスタッフが多く、それぞれが長年の経験に基づいて独自のルールで仕事を進めているため、時にはそのやり方がかえって業務の非効率化を招いていることも…。
最新の図面を見つけるのに時間がかかったり、ドキュメントのバージョンが混在していてどれが正しいのか分からなくなってしまったり。
紙は大量。メール派・fax派。ブラックボックス化。今までのやり方を変えたくない。など
中小町工場のリアルと高齢化の現状
全国各地に存在する中小の町工場。日本のものづくりを支えてきたこれらの工場では、近年、様々な課題が浮き彫りになっています。特に深刻なのが「高齢化」と「人手不足」です。
高齢化の進行
多くの町工場では、技術者の平均年齢が50歳を超えています。ベテランの職人たちが長年培ってきた技術やノウハウは素晴らしいものですが、その一方で若い世代の育成が追いつかず、技術継承が大きな課題となっています。さらに、定年退職を迎えるスタッフが増え続ける中で、新たな人材の確保が難しくなっています。
人手不足と多能工化の必要性
人手不足のため、工場では一人一人が複数の役割をこなす必要があり、多能工化が進んでいます。しかし、これもまた高齢化と相まって、業務負荷の増加につながっているのが現状です。特に、新しいデジタル技術や設備の導入には、従来の方法に慣れた高齢のスタッフにとって大きな壁となっています。
業務の非効率化
多くの工場では、まだ紙ベースの書類管理が主流です。これにより、情報の共有がスムーズに行われず、業務が非効率になることが多いです。また、ファイルや図面の管理が不十分で、最新版の書類が見つからない、更新が漏れるなどの問題が頻発しています。
今後の目標
よくあるこの課題を現場目線でDXするために、次の目標を掲げています。
デジタル化の推進
紙ベースの管理からデジタル管理へ移行し、情報の一元化とアクセスの向上を図ります。
効率的な業務プロセスの確立
ドキュメントや図面の管理を統一し、情報共有をスムーズにすることで、作業効率を向上させます。
技術継承と若手育成の強化
ベテランの技術をデジタルデータとして記録・保存し、次世代のスタッフが学びやすい環境を整備します。
コスト削減と無駄の排除
デジタルツールを活用して業務の無駄を見直し、コスト削減を図ります。
多能工化と柔軟な働き方の推進
一人のスタッフが複数の役割をこなせるよう、多能工化の推進とトレーニングを行い、柔軟な働き方を実現します。
これらの目標を達成することで、私たちは町工場としての強みをさらに高め、時代に合わせた進化を遂げていきたいと考えています。次章以降では、節約しながらステップバイステップでDXを進めていきます。全部で7章で完結します。
第2章は 2章: マイクロソフト環境だからできること
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