中日と日本ハムのトレードについて
本日19日、中日と日本ハムで2対2トレードが発表された。
中日から郡司裕也選手と山本拓実選手が、日本ハムからは、宇佐見真吾選手と齋藤綱記選手がトレードとなった。
今回はこの電撃トレードから、両球団の編成面や各選手の成績や特徴を踏まえて、考察していこうと思う。
中日と日本ハムの今季の現状
最初に中日、日本ハム両球団の今季の捕手とリリーフ投手の現状を見ていく。
まずは中日。捕手は開幕から正捕手だった木下拓哉選手が先日ケガで抹消され、今は石橋康太選手がスタメンマスクを被っている。ただ、石橋選手もまだ22歳と若く、離脱した木下選手にすぐにとって代われる選手であるかというとそうではない。
昨オフに無償トレードで獲得した加藤匠馬選手やベテランの大野奨太選手がいるものの、決して層は厚くないと感じる。
中日はリリーフ投手の中で左腕を見ていくと、福敬登選手や上田洸太朗がいるものの、昨季DeNAからトレードで獲得した砂田毅樹選手は、思うような成績を残しているわけではなく、こちらも層は厚くない。
続いて日本ハム。捕手は昨季オフにオリックスから加入した伏見寅威選手と、中日から加入したアリエル・マルティネス選手がスタメン捕手として出場しており、若手捕手も徐々に芽が出はじめており、他球団と比べると層は厚いと感じる。
日本ハムはリリーフ投手の中で右腕を見ていくと、ソフトバンクから近藤健介選手の人的補償として加入した田中正義選手をはじめ、良い投手がいるものの、そこまで層は厚くない。
今回のトレードの狙い
では今回の両球団のトレードの狙いはどこにあるのか。
中日の補強ポイントは明確で、「中堅捕手」と「リリーフ左腕」だ。
中日は昨オフに桂衣央利選手と山下斐紹選手、前述したアリエル・マルティネス選手をリリースし、中堅捕手が木下拓哉選手のみということに。そこで「中堅の第二捕手」獲得に向けて動くも不発に終わり、代わりと言っては何だが、ロッテから加藤匠馬選手を無償で獲得するに至った。
そして今回、正捕手の木下拓哉選手のケガで「ある程度実績のある中堅捕手」の獲得が急務となり、本トレードが成立したという背景があると私は感じた。
またリリーフ左腕については、先日補強したメヒア投手の獲得と並行して左腕投手の獲得に動いていたが不発に終わったという報道が出ており、捕手トレードに合わせて投手のトレードも成立したと考えている。
一方、日本ハムの補強ポイントは捕手の方は明確ではない。
郡司選手を従来通り捕手として起用するとしても、日本ハムの若手捕手は郡拓也選手、古川祐大選手、梅林優貴選手、田宮裕涼選手の4人がおり、若手捕手を必要としての補強ではない。
リリーフ右腕については、若手となると、吉田輝星選手、田中瑛斗選手、松岡洸希選手、安西叶翔選手しかおらず、山本選手は1軍登板の実績もある速球派の右腕としては、日本ハムからすると喉から手が出るほどのものだと考える。
トレードされた4選手が活躍するには
では最後にトレードされた4選手が今後活躍していくには何が大切になっていくかを簡単に記して締めたい。
郡司裕也選手
以前の私の記事にも記したが、中日ではなかなかチャンスがもらえず2軍で結果を残すも1軍ではアピールできずにいた。
ただ日本ハムに移籍後は、必ずチャンスは巡ってくると思う。そこで郡司選手のアピールポイントである、「出塁率の高さ」を活かし、いずれは日本ハムを代表する捕手へと成長していってほしい。
山本拓実選手
小柄ながらも持ち前の速球と奪三振力で、1軍登板実績もある右腕。
若手のリリーフ右腕が少ない日本ハムで必ず戦力になってくると思うので、エスコンフィールドで躍動した姿が見たい。
宇佐見真吾選手
去年は正捕手としてパンチ力もある打撃でキャリアハイの成績を残した。中日でも頼れる捕手として、正捕手に名乗り出るような活躍をしてほしい。
齋藤綱記選手
ファームの成績は申し分ないが、1軍ではなかなか結果を残していない。変則左腕のリリーバーとして中日で一皮むけてほしい。