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金ピカ折り紙、フェニックスに成るまでの軌跡【後編】

神谷哲史作品集2より「フェニックス」、ついに完成です!

53cmのホイル紙にびっしりと折り筋を仕込んで、うねるような蛇腹を畳んでいった前回。
(2020/04/23)
https://note.com/masanii_origami/n/na62906c74194

それから先は頭や翼、尾羽などのパーツを一気に仕上げました。

フェニックス制作記【後編】。
ホウキのように細長い物体が「鳳凰」に化ける様子を、どうぞご覧くださいませ!

☘️今日のトピック☘️
❶足の爪までリアルに!
❷ここにも「鶴の基本形」
❸やっぱり翼は難しい
❹意外とシンプルな尾羽

♦︎♦︎♦︎

❶足の爪までリアルに!
それではまず、両脚から。
無数に重なる蛇腹をバラして中割り折りすることで、指の基礎を作っていきます。

90°を4等分、22.5°になった指先をさらに沈め折りして、よりシャープに研ぎ澄ませる作業です。

当然ながら指は入らないので、爪楊枝やカッターナイフの背を使って正確なラインをなぞっていきます。

次に太もも・カカト。
通常の教育折り紙では、あまりの厚みに折ることができず「曲げる」になってしまいます。
ここを「折る」ことができるのは、ホイル紙などの薄い紙ならでは。

最後に、爪先をかぶせ折り。
鉤爪をグワッと開いたら、猛禽類のように迫力のある両足の完成です!

❷ここにも「鶴の基本形」
さて、お次はアタマです。
あらかじめ網目状に仕込んでおいた、紙のカドを使います。

基本的には22.5°がベースの規則的な構造なので、いわゆる「複雑系」に慣れている方には理解しやすいと思います。
(折れるかどうかは別問題です)

途中で、「ツルの基本形」の一歩手前、慣れ親しんだ形が現れました。
エンシェントドラゴンと同じですね。

そもそもパーツ自体が極小なので、爪楊枝を使ってチマチマと作業を進めていきます。
いつも額(ひたい)が裂けてしまうのですが、折らずに丸める事で乗り切りました。

クチバシを開いて、首まわりを整えたら、端正なお顔のできあがり。

❸やっぱり翼は難しい
個人的にフェニックスの最難関だと思っているのが、この「翼」です。

ガバッと開いて、意味の分からない畳み方をする工程102〜108。
ヒダを裏へ表へひっくり返し、ななめに広げていく工程176〜186。
埋め込まれたヒダを引っ張り出す工程188〜190。

今回こそは、一発で鮮やかに決めたい!
と意気込んだものの、またまた苦戦してしまいました。
左側で散々やらかしたおかげで、右側は比較的きれいに折れたのですが…
神谷氏の作品は、やっぱり一筋縄ではいきませんね。

でも、羽の先端をキッチリ尖らせたら、意外ときれいにまとまりました。

全体のシルエットがこちら。
鳥の丸焼きみたいですね。

❹意外とシンプルな尾羽
いよいよ最後は「尾羽」です。
一番目立つパーツであり、妥協せずエレガントに仕上げたいところ。

とても複雑そうに見えますが、実はけっこう単純なんです。

無数に連なるヒダの正体は、中割り折りの繰り返し。
根本から「前1・後1/2・前1・後1/2…」といった具合に、一定のパターンで折っていきます。
端まで到達したら、背側の両脇を立てて整えます。

あとは、自由に曲げればOK!
翼や頭などのパーツと比べると、非常に分かりやすい構造です。
多くの作例は前側に丸めている事が多いのですが、後ろに流して優雅に飛ぶ姿を表現しました。

♦︎♦︎♦︎

神谷哲史作品集2より「フェニックス」、いかがだったでしょうか?
【前編】【後編】の2回にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。

エンシェントドラゴンもしかり、過去に折ったことのある作品に再チャレンジするのは、なかなか有意義です。
自分のスキルアップを確かめるのはもちろん、当時を思い出して懐かしさに浸れるのもいいですね。

新しい作品の開拓と、過去の作品のおさらい。
どちらもバランス良く、楽しんでいきたいと思います。

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