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駅弁フォトグラメトリとは何だったのか

xRArchi Advent Calendar2019 12日目の記事です。

今年は色々なイベントや活動に参加せていただきました。
主に大きな事柄として、
・Photogrammetry Meetup vol.1 at TIMEMACHINEでの登壇
・旧都城市民会館デジタルアーカイブプロジェクトへの参加
・VRAA01の運営参加と作品提出

がありました。
今まで、自分で勝手に何かを作ってはインターネットの片隅に放出すると言う事はしてきたものの、「活動」と言えるような行動はしてきたことがなかったので、お声がけいただいたり仲間に加えていただいたりと今までに無い1年を送る事ができ、感謝するばかりです。

で、ここではそれらの活動についてではなく「自分で勝手に何かを作っては」について書きます。
形になった物ならなかった物も、色々ありますがその中でも

駅弁フォトグラメトリ

は、今年の前半に突然始めた意味不明なフォトグラメトリ作品だったと思います。

得てして、ただの駅弁好きが単に駅弁を3Dスキャンしただけのようにも見えますが(実際それは間違いではないですが…)それなりに、フワッとした考えがありました。

なんで駅弁なのか

そもそも駅弁が好きと言うのは大前提として、20代のころ週末になってはカメラを担いで日本各地を巡っていた時代、大抵は周りに人家も無いようなところでカメラを構えていたので、駅で弁当を調達してから撮影地に向かい食べたり、あるいは移動中に食べたりしていました。
あらゆる土地の駅弁を食べていると、その土地ごとに様々な種類の駅弁があることに気づきます。
基本的にはその土地の名産や郷土料理などを使ったものが主流ですが、違う土地でも同じような駅弁も存在し、それはそれで違いを感じることができました。
加えて見た目でも工夫がされています。
具材の色彩や、配し方など、旅の気分を高揚させるように目でも楽しませてくれる、いわゆる「映える」見た目をしています。
つまり、駅弁はそれ一つでその土地の食文化や郷土文化が詰め込まれているという事とても関心を持ったというわけです。

何をフォトグラメトるのか

これは6月に行われたPsychic VR Lab主催によるPhotogrammetry Meetup vol.1で発表したスライドのタイトルです。
ここで何をフォトグラメトるのかという自問に対して、

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と書きました。
パッと見は意味不明ですが、つまりは「時間」と「空間」の事です。
フォトグラメトリはそもそもは測量技術として、一般的には3Dスキャン技術の一つとして捉えられていますが、実は自分はフォトグラメトリを3Dスキャンとして使ってはいないという事にあるとき気付きました。
というか、初めて作った物からしてそうだったんですが。

形を取るだけだったら3Dスキャンだと思うのですが、自分は最初から「空間」を取得する目的でフォトグラメトリを始めました。
そして「時間」というのは写真の事です。
写真は、ある時間の一瞬を切り取る技術であり表現手法です。
あの年のあの場所という時間であったり、その場所の朝や夜という時間であったり、季節であったり、時間の種類も様々あります。
そして写真は基本的に平面表現ですが、そこに空間表現を加えるためフォトグラメトリ技術を使う事で、時間と空間を三次元的に記録・表現することができる、と言うのが自分のフォトグラメトリに対する基本スタンスです。

駅弁フォトグラメトリとは何だったのか

駅弁の話に戻ると、つまり駅弁のフォトグラメトリをするという事は駅弁の「時間」と「空間」を取得するためにやっていたという事です。
駅弁のどこに「時間」と「空間」が存在しているのかというと、一つは食品としての時間を止めるという事、もう一つは駅弁としての歴史を記録するという事、そして空間は駅弁の中に詰め込まれた食文化や郷土文化が空間として表現する事でした。
そしてそれを「バーチャル空間」として再構築したのがVRAA01のためにVRChatワールドとして制作した「Ekiben Festival」でした。

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制作時間やツール練度の問題で思った通りの表現ができているとは言えないですが、ありがたいことに選外佳作として評価をいただくことができました。

駅弁フォトグラメトリは今のところ趣味の範疇なので、これで何かを達成しようという物はないですが、収集を続けていくことでまた別の形の物が作れたらなと思います。
(日本各地の駅弁を一つの空間に集めることで、それだけで日本を表現できるし)


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