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武蔵小杉と言う街の不運【1】

どういう言うタイトルにしようかと思ったけど、これしか思い浮かばなかった…。
街が綺麗になって、道が真っすぐになって、移動しやすくなって住みやすい街になったのは確かだけど、どうしても今の姿を見てしまうと、近年稀にみる雑多な再開発だなと思ってしまうのです。

ちなみに武蔵小杉の略称は「ムサコ」じゃなくて
「コスギ」
なのでよろしく。

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(ムサコは武蔵小杉から7駅先の武蔵小山の事、あるいは武蔵小金井)

武蔵小杉という街との関わり

dis記事が書きたいわけじゃなく、幼少期から就職直後までの十数年間を川崎と小杉の中間あたりにある町で過ごし、大きな街で買い物と言ったらイトーヨーカドー武蔵小杉駅前店くらいしかショッピングセンターが無かった時代から現在までを見てきて、変に持ち上げられれば複雑な気持ちになり、変に叩かれれば複雑な気持ちになり(2019年の台風19号のような出来事)、どうしてこうなったのかなぁと言うのを歴史を振り返りつつ、つらつら書いていくものです。

武蔵小杉とはどんな街か

武蔵小杉は住みたい街ランキングでも関東で20位(2020年版より)、神奈川県勢では横浜、鎌倉に次いで3番目と言う高順位に位置していて、疑いようのなく人気のある街になったのだなと認識するところです。
これほど注目を集める以前の武蔵小杉、再開発が始まる前はそれより先に開発が始まっていた新百合ヶ丘や武蔵溝ノ口(溝の口)に比べると目立たず、川崎市民から見ても等々力緑地(等々力競技場や市民ミュージアムのある緑地公園)の最寄だったり、法政二高やNECがあるくらいの認識だったかと思います。
あとイトーヨーカドー。
(だいたい駅周辺には工場と病院くらいしかなかった)

再開発の始まり

一体いつ頃武蔵小杉の再開発は始まったのか…。
自分の記憶頼りでは曖昧なので調べてみると興味深い記事が見つかりました。

元々は30年ほど前から始まりバブル崩壊で計画の見直し、平成7年ごろに現在の様な計画が主体に。
個人的に興味深いなと思っているのが、東急武蔵小杉駅の形でした。
記事中にもある平成16年(2004年)時点の東急武蔵小杉駅の屋根は真っ平。
駅がこの形になったのは平成11年(1999年)の事。
本来は東急目黒線を通すために線路とホームを増設する工事でしたが、当時から妙に殺風景な屋根だなとは思って見ていて、後にそれが人工地盤という物でいずれこの上に何かを作るという事を知りました。
つまり、武蔵小杉の街が変わる事に何となく気づいたのはこの駅の屋根の形でした。

そして実際に現在の武蔵小杉東急スクエアの建設が始まったのが平成24年(2012年)。
完成から10年以上手付かず、さらには駅改良工事以前から構想だけはあった(と思われる)駅ビルがついに着工された!
と勝手にテンションが上がり撮った写真がこちら。

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2012年はすでに周辺にはタワマンが建ち始めている時期で、横須賀線武蔵小杉駅も開業後、おそらく注目が集まりだしている時期だったと思いますが、個人的に本命はこの東急スクエアでした。
何故かと言うと、前述の様に一番最初に変化が感じ取れた場所だったから。
見直された再開発計画の始動と東急武蔵小杉駅の工事が始まったのがほぼ同時期。
当初から現在の姿を見越したものだったのか気になるところです。

交通の要衝

なぜそんなに武蔵小杉にタワマンをボコボコ建てるのか。
いくら街をきれいにしても、そんなに人を呼び寄せる魅力が武蔵小杉あるのか?
二子玉川の様なブランド力は到底武蔵小杉にはないぞ?
と、当初から思っていましたが、それを言ったら二子玉川も大昔は東京郊外の田畑だったところを開発してブランド力を育て上げて行ったわけで、武蔵小杉もその途上と言われたまぁそうなのかなと思うしかないところですが。

とは言え、そもそも地理上の優位点は魅力として外すことは出来ないのだろうなと。
東京都心横浜へ直結する鉄道5路線、中原街道、綱島街道、府中街道の主要道路が集う武蔵小杉は交通結節点としての重要度が大きく、やはりそこが魅力として大きいのだと思いますが、武蔵小杉の不運はこれを狙って作ったわけじゃないというところです。

じゃあ武蔵小杉と言う交通の要衝がとても使い勝手のいい駅なのかと言うとそうでもありません。
東急と南武線の武蔵小杉と横須賀線の武蔵小杉がなんでこんなに離れてるんだよとキレる人は幾百人といると思います。

でも運が悪いことに、横須賀線がたまたま従来の武蔵小杉と近くを通っていたがためにこんな事になってしまっただけで、完全に偶然の産物でしかありません。
最初から横須賀線の線路をもっと東横線の近くまで寄せて敷いておけばこんなことにはならなかっただろうにと、誰もが思うでしょう。

でも運が悪いことに、そうはならなかった。
なぜなら、昔はそこに武蔵小杉という駅は無かったから…。

(つづく...)




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