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猫のこと…猫カフェツアー

先日、ざわざわ動物園というライブを一緒にやってる芸人と、そのお客さんたちで猫カフェツアーを開催した。

いろいろな心配はあったが、みんな楽しんでくれたようでよかった。
芸人がとか、お客さんがとか、よりも僕が心配していたのが、こんなひっきりなしにお客さんが来て猫がストレスなんじゃないか?ということだ。
それを考えると、後半のざわお回は人が少なかったし、最後の自分の回も定員いっぱいではないし、自分も「猫!猫!」とならずにいれば大丈夫なわけで、店主のVEGA君も「大丈夫です!」と言ってくれたのでほっと胸を撫で下ろしている。

そもそも僕がこの猫カフェツアーを企画した理由なのだが、ただ一点「猫カフェにお金を使う」ということだけだ。
猫カフェは世間的には「癒しの空間」なのだが、それと同時に「命を扱う現場」でもある。
餌代や、薬代、病院にかかる子もいるだろう。とにかくお金がかかる。
大所帯を食わして行かなきゃいけないのだ。

「北澤さんも猫カフェやった方がいいですよ」と言われることがちょいちょいあるし、今回もそんなようなことを言われたが、僕には絶対に出来ない。
猫たちを見守りながら、世話をして、利益を出し、猫たちの幸せな未来を考える。そこには計り知れない苦労があるのだ。
きっと僕は猫に肩入れし過ぎて、やったとしても経営面で上手く行かず、すぐに猫カフェを閉店しなければいけないだろう。

今回お世話になった拝啓ねこ様を営むVEGA君夫妻(いやVEGAって打つの面倒くさいな!)と初めて会った時、

「あ、この人たちはすごいな」

と思った。まったく偏りがないのだ。
この人たちは猫に対して一方通行じゃなく、猫のためにいろんな道を考えながらこの拝啓ねこ様という保護猫カフェをやってるんだなと、話してて感じた。

店主であり、飼い主であり、親であり、このご夫婦はここにいる猫たちに人生を捧げてるんだなと。
(でもVEGA君はこの間べろべろに酔って帰って奥様に怒られたらしい)

猫カフェツアーの途中、ずっと聞きたいけど聞いていいかわからない質問を思い切ってしてみた。

「里親さんが見つかって、ここの子が卒業するのは寂しいの?」

と。

VEGAくんが、

「んー、寂しいと嬉しいが半々ですね。」

と言ったのを聞いて泣きそうになったが、続けて、

「でも新しいおうちで楽しそうにしてる姿をSNSとかで見ると、めちゃくちゃ嬉しくなります」

と言うのを聞いて、この夫婦は猫の伝道師なのだなと思った。

僕が前に住んでいた所で、地域猫の世話をしてるおばさんがいた。そのおばさんは野良猫たちを地域猫として世話するために、

「迷惑はかけませんのでよろしくお願いします」

と一軒一軒頭を下げて回った。
僕はそのおばさんに、

「猫の幸せのためには、人間同士が仲良くならないといけない」

と教えられた。

「猫はこんなにかわいいのになんでわからないの!」

という偏った考えではなく、

「自分たちがきっちりやりますんで、安心してください」

という覚悟が出来てるのだ。

そしてVEGAご夫婦(もうベガって打とうかな)の猫好きなだけじゃない人好きな所も、皆に愛される理由なのかなと思う。

自分は猫に対して何も出来てないのだが、そんな自分でも出来ることと言ったら、

「信頼出来る人がやってる猫カフェにお金を使う」

ぐらいしかないのだ。
これから先、もっと違う形も模索しながら、この猫カフェの子たちの幸せを願うばかりだ。

まあ決まってることと言えば、猫と一緒に生活出来る環境になったら、ぜひ拝啓ねこ様の猫たちから迎え入れたいと思うけど、みんなかわいいから困っちゃう。

それと根底をひっくり返すようで申し訳ないが、猫カフェツアーは僕が堂々と猫カフェに入り浸りたいがために企画したとは、誰も知る由もない。


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