XREAL AirとMeta quest3を長期間使ってみての感想
XREAL Airとは
私が購入した時期は2022年の12月なので、その頃はXREALではなくNrealという名称だった。その後名称だけ変わってXREAL Airと呼ばれるようになった。ちなみに現行で売られているのは名称末尾に数字の2がついているモデルがあるが、私のは数字なしのXREAL Air。違いはたぶん自動調光機能があるかないか。私のは無い。
ちなみに調光機能は私の持ってるほうにもある。無いのは自動で調光する機能。調光自体はツルについてるボタンを押せばできるので特に不便を感じないのと、他にどうスペックが変わってるのかはわからない。
Meta quest3とは
私が購入した3はMeta quest3と言う名称だが、その前の前のモデルで所有していた頃はoculus questという名称だった。oculus quest2が売られている頃あたりにoculus社が確かMeta社に買い取られたか何かして名称だけ変わってMeta quest2になり、その後継機である3を2023年10月に購入。
両方の機械に求めていること
映画鑑賞の体験価値が高いかどうか
作業用メインマシンであるMacBookProのサブディスプレイとして使えると嬉しいな
子供が生まれるまでは年に100本は映画を見ていた映画好きの私にとって、映画鑑賞の体験価値が少しでも高くなってほしいという願いで両方の機器を購入。さらに作業用のコンピューターとしてMacBookProを使用していて、フリーランスのプログラマーとして自宅や事務所で作業する時にメインマシンのサブディスプレイになるといいなという希望もあった。
ちなみに出張などは滅多にないため、移動中に使用することはほぼない。つまりモビリティに優れている必要は特に無く、ポータビリティが高い方が良いという使用条件。
あとメガネはかけない。裸眼。顔が小さい。このへんはネットに情報をアップしてくださっている他の方の情報では少なかったので、あえて書いておこうと思う。
Meta quest3
先にMeta quest3から感想を述べたい。
VR機器は他に
HTC VIVEを2017年3月に購入
oculus quest (1)を2019年6月に購入
VIVE XR Eliteを2023年6月に購入
を所有。実際のところ、今まではoculus questがあれば事欠かなかった。NetflixとAmazonPrimeビデオのアプリが使えたので。XR Eliteを買ったのは、MRに興味があったためだが、正直かなり肩透かしを食らってがっかりした。MRの出来が中途半端だったことと、NetflixやプライムビデオどころかYoutubeのアプリさえ無い状態。組み込みブラウザでNetflixもプライムビデオも見られない状態で、メディアを抱き込んで機械を売りつけさえすれば終了なのだという企業姿勢を見せつけられた気がして、HTC VIVEというブランドとそれを持ち上げているメディアごと嫌いになった。
そんななか、Meta社がquest proをMR体験の実験機として発売していたが体験価値と値段との折り合いが付かず(確か最初は販売価格が20万円を超えていた)見送っていたところ、quest3が発売されたので飛びついたということだ。一番やりたいことは映画鑑賞なので、外部から隔離された仮想空間にこだわる必要は無く、拡張現実や混合現実であるMRやXRであることはむしろ歓迎であるため。
結論から言うとド本命は最初から空間コンピューティングとして機器を作っているApple vision proであり、vision proの値段が高くてなかなか買えないのでそれまでのつなぎとしてquest3を使っている。
装着感
quest3の重さは気にならない。たぶん自分がそういうのに鈍感なのだと思うが、だいたい2時間の映画を見ても重くて首がどうのとか頭がどうのという感覚は特に無い。裸眼なのでアタッチメント的な追加の何かしらも必要ない。頭にくくりつけるベルトで社外品をいくつか買ったが、自分の頭が小さすぎるのか装着した感覚に違和感があったので結局ベルトも純正のまま使っている。
つまり買ったままの状態で装着感は良好。
映像体験
Youtubeアプリ、Netflixアプリ(今後ブラウザ版になるそう)、プライムビデオアプリ、それぞれ体験は良好。先にも書いたがMRアプリとしてもう少し洗練されてほしい。逆に言うとquestの設計が最初からゲーム機なのでゲーム機としての限界がMRの体験価値を損ねているともいえる。
Youtubeアプリはいち早くMR機能を搭載しているが、私がそもそもYoutubeをあまり見ないのであまり役に立っていない。
サブディスプレイ
immersedとvirtual desktopアプリを使っているがどちらも帯に短し襷に長し。
まずvirtual desktopはVR機器からPCを操作しようというコンセプトなので、基本はVRのコントローラーを使ってPCを捜査する。当然苦痛。
immersedはなかなかよく出来ていて、MRモードにしてPCをそのまま操作しながら画面だけMR的に映そうというコンセプトがとても良い。ただし起動直後はVRモードになっていて、MRモードにするにはVRのコントローラー2つ使ってMRモードに切り替える必要がある。これが起動直後からMRモードであるオプションがあるなり記憶してるなりするか、もしくは1個のコントローラーだけでMRモードに切り替えられればまだいいのだが、どちらも出来ないのでMRモードに切り替える操作がとてもやりにくい。
あとquest3でもまだPCのサブディスプレイとしては解像度が足りなくて文字が少し見えづらい。
VRゲーム
私はPCゲームが大好きだがVRゲームはほとんど遊ばない。VRで何か挑戦するのは疲れる。VR元年と呼ばれた初期に結構な数のVRゲームを購入して試してみたが、特に面白いと思わなかったものがほとんどだ。
そんな中でも3つだけ遊んでいるVRゲームがある。
卓球
Eleven Table TennisとRacket Furyで、これは完全に好みだがRacket Furyをずっと遊んでいる。たぶんRacket Furyのほうが発売が早く先に始めたので慣れもあるとおもう。ゲームをするのではなく、AIロボット相手にただひたすら練習。
ゴルフ
GOLF+でゲームを遊ばずにひたすら打ちっぱなしコーナーで打ちっぱなしをしている。現実でも誰かとコースに出ることなくひたすら打ちっぱなしに行くので、それが自宅でタダで出来るのがいいい。
ちなみにこれのために片方のコントローラーをVRゴルフ用アタッチメントに装着しているので、それもあって先ほどあげたサブディスプレイアプリのimmersedをMRモードに切り替えるためだけに2本のコントローラーを使用するのがとても辛い。
Beat Saber
言わずと知れた音ゲー。2匹目のドジョウを狙えとばかりに他にもBeat Saber類似ゲームがいくつも出てきているが、なぜがVRゲームらしいゲームを遊ぶのはこの本家Beat Saberのみ。VRゲーマーは最初に見たVRゲームをお母さんと認識する習性によるものかもしれない。
quest3全般に言えること
長年使っているoculus questからの後継の後継だけあって、AppleVisionProを買いたくても値段が高くて買えないことを除けばほぼほぼ私の使い方にマッチする機械であると言える。ただし、その設計思想はあくまでVRゲーム機であると感じる。その設計思想と私の使用意図との差異が体験価値の低さとして感じるのが残念なところ。
あとVR的な機器といわずヘッドフォン全般にも言えることだが、音の体験は聴覚だけでなく触覚でも感じるものなので、つまり音の震えを全身で感じられない今の技術では迫力に限界がある。この根本的な部分に触れることすらせず、音だけで迫力を伝えようとしている段階では、メーカーにもメディアにも多少の不信を感じてしまう。目先だけで売りつけれさえすればいいのか的な。
XREAL Air
光学的に見える現実の空間にディスプレイを投影させる、私の使用意図に本命でマッチする機械である。それだけに残念な点が辛くて結果的に全然使ってない。
いいところ
光学的に現実空間が見える
サブディスプレイとして設計されているので私の使用意図に無理なく沿っている
AppleVisionProより圧倒的に求めやすい価格
昔のHMDの誇大広告に釣られてがっかりした人ほど感動できる鮮明な画質
我慢できるわるいところ
やはり誇大広告気味と感じてしまう、言うほどたいしたことない迫力
つまり思ってたより鮮明ではあるけど宣伝されるほどの迫力には欠ける
ディスプレイ投影の機構的というか角度的に、レンズカバーをして完全に視界を塞いだときに映り込んでしまう自分の体
迫力の無い音質
どうしても我慢できないわるいところ
私はXrealBEAMも持っている。素のXrealAirだけでは使えない、映像の空間固定モードと追従モードが使いたいためである。ところがまず、空間固定モードは実質使い物にならない。なぜなら視野角が狭すぎるから。でもこれは別にいい。視野角が狭いのは最初から想定内なので、そもそも空間固定モードに期待していない。問題は追従モード。
追従モードでは頭の角度にも追従してしまう。わかるだろうか。私だけではないと思うが人間の頭は地面に対して正確に垂直になっているわけではない。微妙に角度が付いている。追従モードでは頭の角度にも追従してしまうので、地面に対して画面が平行にならないのだ。なぜこれを、ヨーとピッチだけ頭に追従してロールは固定しないのだろうか?技術的に出来るはずなのにロールだけ固定ほか追従モードを作らないのが理解できない。
この理由でXREAL Airが使いにくい。結果的に使っていない。
ちなみにBEAMを使わない素のXrealだけで見るモードは使ってない。論外。最低でも3Dot(+ロールキャンセル)でないと見るに値しない。0Dotは論外である。3Dotとか0Dotの言葉の意味は、0Dotだと頭に画面がくっつくからキョロキョロできない、3Dotだときょろきょろできる、6Dotだとさらに近づける。もっと正確に知りたい場合は各自で調べるのが良いと思う。
XREAL BEAMの残念なところ
BEAM proが発売されているが、このロールだけ固定モードが搭載されていなさそうなので購入していない。なのでpro無しのBEAMでの評価だが、これも残念なところがある。
おそらく勝手に起動するなどして、使うときに必ず充電残量がゼロに減っている。まず充電のためにケーブルを差した段階で起動しているのがわかる。そしておそらく充電が終わってケーブルを抜いた段階でも起動しているのではないか?そうでないとしても内部で何か起動しているのか、満充電にしておいても次に起動する頃には充電残量が減っている。ちなみに減っているというのは控えめな言い方だ。実際は使うときはいつも空になっている。
総じて
私が欲しいのは立体的な映像なのではなく、空間にでかい平面が欲しい。立体は普段いつも見ているので見せられても飽きる。空間に巨大な平面があってそこに映像が投影されるから我々は感動する。とにかく巨大なものが見たい。このメカニズムをはやくみんなわかってほしい。
先日AppleStoreでApple vision proの体験をしてきた。やはり私が圧倒的に欲しいのはApple vision proだ。現状、映画を見るためだけにvision proの代金60万円を支払うのは高いが、ホームシアターの環境構築に何十万円も何百万円もつぎ込む人の気持ちが私にはよくわかる。私がそれをしないのは単に私にはその財力と環境が無いからだ。vision proなら購入する財力さえ整えば音の迫力以外の欲しいものがほぼ近い形で手に入る。それがわかった。
2025/02/06 追記
主題からは外れるけど別記事にするほどでもない疑問なのでここに書くけど、XREAL AirってARグラスってよく言われるけどARじゃないよね?それとも自分が言葉尻警察なんだろうか。別に言葉の定義はどうでもいいけど(この記事読んでもらえば定義とか固有名詞とか仕様とかの捉え方が雑な方だと伝わると思う)だからといってあれをARというのは意味がわからない。言葉の本質はコミュニケーションだから大多数に伝わればいい的な?でもそうしたらARを仕事にしている人は困ったりしないのかしら?と考えが循環してしまう。