9bic初の応援ソングが、彼らの活動と重なっていると思える件

  9bic初の全国ツアーのメイン曲である新曲、HeroのMVが今月You tubeに公開された。音楽方面には全く詳しくないが、率直な感想を述べていきたいと思う。
　まずイントロは、ワクワク感とどこか懐かしさがあるメロディーだな、というのが第一印象だ。ツアーの初日である札幌公演で、椚みなとがイントロでクラップを促したとき、冒頭から一気に盛り上がれてライブのオープニングにぴったりだと感じた。クラップは楽曲の途中にも入り、楽曲全体のリズミカルさは心地がいい。一番注目したいのが、楽曲のテーマである。
プロデューサーのやっぴさんがツイッターで、曲名、歌詞、MVすべてに意味があると言っていた。そしてHeroというテーマは、全国に笑顔を届ける思いを込めてメンバーが発案したと、札幌公演のMCで明かされた。暗い気持ちになりがちな、このご時世も意識してのことのようだ。
このご時世というのは、コロナウイルスによって日常が大きく変わった我々の生活を指しているに違いない。そんな最中でも決行してくれた初の全国ツアーのメイン曲に、初の応援ソングを持ってくることに、強いメッセージを感じる。そして、歌詞を見ていきたい。

空は飛べないから、道なき道を全力疾走
ナレーション付きのパンチで、練習してきたビームで君のピンチに寄り添うヒーロー
よくがんばったね　つらかったよね　でも大丈夫　僕が助けにきたから
きみの笑顔を守り抜くヒーロー

9bicの歌うHeroはスーパーマンの類でなく、人間味のあるヒーロー像だ。それはまるで、こうした現状のなかで懸命に活動する、9bicそのものとリンクするようにも思えて仕方がない。このような現状でも初の全国ツアーという新たな挑戦を行い、スマホゲームやアパレルブランドとのコラボやファンクラブの開設など、一周年記念ライブの後も懸命に活動の範囲を広げていっている。
私たちの生活は、大きく様変わりした状態を普通として過ごしていくことになりそうだ。帰属意識が薄くなることでの孤独、経済的不安など日々の悩みはつきないだろうし、なんといっても終わりが見えない憂鬱感がある。
しかし彼らの活動を見ていると、ひとつひとつ出来ることを頑張るしかないのだと、気づかせてくれる。その過程で、もうこれ以上頑張れないと根を上げそうになることが皆あると思う。9bicは魔法使いやスーパーマンのように、各々の現状から救い出してくれるわけではないが、私たちがピンチのときでも必ずいてくれて、その活動は笑顔を取り戻させてくれるのだ。新曲Heroは、9bicの新たな代表曲になるのではないだろうか。
　
　新曲を聴きながら、ひとりでも多くの人が9bicというHeroに救われて明日へ踏み出してくれることを願う年の瀬である。