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【UFC Vegas92】アルドに続けバルボーザ【メイン以外の注目試合】『Barboza vs. Murphy』※試合後追記しました


大会色合い

ナンバリングとしては92まで来たUFC Apex大会ですが、UFC的には「もうApexもういいっしょ」という感じになっているっぽく、存在意義が危ぶまれている?Apexシリーズ。正直なくなって有観客イベントが増えればいいと思うし、Apex大会があればそれはそれでセコンドの臨場感とか音を感じられていいと思うのですが、お客がいれば大歓声が上がって勝利パフォーマンスも見れてアガります。

今週のメインイベントは鉄人であり蹴りの名手であるバルボーザと、銃弾を頭部に受けた過去を持つ無敗のマーフィーのフェザー級マッチになります。マーフィーの母国であるイングランド・マンチェスターで開催されるUFC304のメインカードがほぼほぼ発表され、英国勢の士気も高まってきたところでマーフィーがApexで英国開催に繋がる?起爆剤となれるか、それとも前回ユサフに対して見事なカムバックを見せたベテランバルボーザが撃ち抜くか、という見方で楽しんでいこうと思います。

アンダーカードは気になってるけど連敗中の選手がところどころラインナップされてて、サブタイトル「STARTING OVER」とつけても遜色ないような雰囲気です。

RoadtoUFCも忘れずに!

注目試合

(ライトヘビー級:プレリム⑥)ウマール・シー🇫🇷 vs トゥコ・トコス🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

KSWなどで9戦無敗のフランス人ファイター、ウマール・シー。
28歳 9-0 (UFC - ) 4KO/3SUB
恵まれた体格とテイクダウン、グラウンドコントロールが得意ですがハイキックでの一撃KOもあるフィニッシャーでUFCでどこまで通用するか楽しみな選手です。
試合映像を見ているとダブルレッグでパワフルなテイクダウンをしてトップを奪うと、長い手でリストコントロールし優位なポジションに移行していくというやられてる側の心を削るようなキープを行なっていき、猛烈な鉄槌で戦意喪失させるパターンも多そうです。
2020年のOKTAGON MMAの試合を見ていると、テイクダウンに苦戦して消耗戦になってしまうと危ういかな?という印象。(ダメージもあったと思いますが)

対するは代役に代役を重ねて回ってきたトゥコ・トコス。
33歳 10-3 (UFC - ) 6KO/2SUB

RoadtoUFCシンガポール大会のワンマッチでジャン・ミンヤンに豪快KOされてしまったことが知られてると思いますが、その後は3連勝中。
前戦今年の2月FuryFCでは相手を持ち上げ叩き落とした際に、相手の腕が骨折してしまいTKO裁定。
直前代打となってしまいましたがどうでしょうか。

(ライト級:プレリム⑦)ビクター・マルティネス🇺🇸 vs トム・ノーラン🇦🇺

2023年コンテンダーシリーズでスカ勝ち契約したトム・ノーラン。
24歳 6-1 (UFC 0-1 ) 4KO

ライト級身長190族の恵まれたフレームで無敗を引っ提げUFCデビューを図ったノーランでしたが、デビューとなったニコラス・モッタ戦は得意の左ストレートに対してカウンターを喰らってしまい1R1分ちょっとのスカ負け。
自分の得意な土俵での勝負で失ってしまったので悔しい敗戦からのリスタートです。

対するは2021年コンテンダーシリーズで契約したビクター・マルティネス。32歳 13-5 (UFC 0-1 ) 8KO

パンチでのKO率の高いマルティネスですがデビューとなったジョーダン・レーヴィットとの試合では、相手の前蹴りになかなか中に入らせてもらえず近距離になったと思えばタイクリンチで組まれ、膝で粉砕されスカ負けデビューとなってしまいました。

互いにデビュー戦を落とし負けられない状況での再起戦となります。

(バンタム級:メインカード②) エイドリアン・ヤネス🇺🇸 vs ヴィニシウス・サルヴァドール🇧🇷

高KO率のボクサー、エイドリアン・ヤネス
30歳 16-5 (UFC 5-2 ) 10KO/2SUB
フック、アッパーがバンタム級とは思えないほど重く感じさせるパンチを持っていますが、2023年は2連敗。
23年4月UFC287では当時バンタム級ランキング6位のロブ・フォントと対戦しますが、クリンチアッパーに沈みます。
23年10月は自身ランキング14位の立場で当時13位のジョナサン・マルティネスとランカーマッチ。1Rから前足にインローを食らい続けこれを終始チェックできず2Rに倒れ込んでTKO負け。

ランカーとの大事な下剋上マッチを2つ落とし、再帰戦の相手は”デビュー後勝ち無しの3戦目”という格下。これは勝たねば。

対するは2022年コンテンダーシリーズでいいパフォーマンスを見せたフィニッシュ率100%のヴィニシウス・サルヴァドール。(フライ級からバンタム級へ転向)
27歳 14-6 (UFC 0-2 ) 13KO/1SUB

彼もボクサータイプと言っていいと思われます。契約となったコンテンダーシリーズの試合では序盤にパンチでニアフィニッシュまで持っていくと、終盤では自らケージを背負って近距離戦をしてやるぜ、と言ったスタイルで相手をノックアウト。
デビュー後2戦は積極性に欠ける試合運びで、個人的には期待外れといったところです。
今回の試合は2連敗にも関わらず元ランカーとの試合なのでチャンスを与えられた立場なので、噛み合う試合を期待!

(ウェルター級:メインカード③)テンバ・ゴリンボ🇿🇼 vs ラミズ・ブラヒマイ🇺🇸

ロック様から家を贈られたことで一躍有名になったテンバ・ゴリンボ。
33歳 12-4 (UFC 2-1 ) 2KO/6SUB

口座残高が残り7ドルとなった事を発信したことからドゥウェイン・ジョンソンと繋がり家を贈られたことで、チャンピオンになる!とロック様の前で誓ったゴリンボ。
AJフレッチャーに対してはカウンターギロチンを喰らってしまいましたが続く佐藤天戦では得意のグラップリングと伸びる右ストレートでダウンを奪うなど各局面で印象を残し勝利。
前戦ピート・ロドリゲス戦ではニータップ気味に頭を下げながらの高速右オーバーハンドを強烈にヒットさせパウンドアウト勝利。
3連勝を狙ってロック様へ捧げる勝利を狙います。

対するは2年ぶり出場のサブミッションフィニッシャー、ブラヒマイ。
31歳 10-4 (UFC 2-2 ) 10SUB

リアネイキッドチョーク、アームトライアングル、ギロチンが得意なパワーグラップラー。
前戦マイケル・ギルモア戦ではオーバーハンドに合わせタックル、バックを奪ってからは相手の顎下に腕が入らなくとも顎ごとネックロック気味に巻き込んで外されてもすかさずセットしタップを取り切るというパワフルグラップリグでフィニッシュ。

※※※試合後追記※※※

面白かった試合、見返したい試合

(ライトヘビー級:プレリム⑥)ウマール・シー🇫🇷 vs トゥコ・トコス🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

ウマール・シーが過去の試合で見せたようにダブルレッグでテイクダウンに成功すると、いつも通り裏からリストコントロールをしながら相手にポジションを与えずじわじわとコントロールタイムを伸ばしていきます。

バックポジションからボディトライアングルでロックしてびったりつくとそのままRNCをセット!!
ボディトライアングルになると体の位置がズレてRNCが極まらないことが多いですがそんなことは関係なく、難なく勝利しました。

相手は直前オファーの選手でしたので、次戦に誰を当ててくるのか楽しみにしておきたいと思います。

(ライト級:プレリム⑦)ビクター・マルティネス🇺🇸 vs トム・ノーラン🇦🇺

1Rバックスピンキックから繋げたコンビネーションのうち終わりに右をもらってダウンするノーラン。またか!!という感じで尻餅をつくと下からのエルボーでマルティネスを出血させます。

スタンドに戻ると勢いに乗りたいマルティネスが右オーバーハンドを打つとそこに膝を合わせるノーラン!!これがボディに刺さって悶絶パウンドアウト!!

デビュー戦勝ち無し対決はノーランに軍配です。

(バンタム級:メインカード①) ルアナ・ピニェーロ🇧🇷 vs アンジェラ・ヒル🇺🇸

柔道出身ピニェーロvsベテラン・ヒルの構図ですが、ピニェーロは自分の土俵である組みでの柔道投げを再三ディフェンスされてしまい攻め手がなくなります。
前蹴りでボディを効いたかな?と思ったところで2Rピニェーロが嫌がりタックルに入るとヒルがシングルギロチンセット!!!
これが極まってタップアウト!ヒルは初のサブミッション勝利で2連勝。

(バンタム級:メインカード②) エイドリアン・ヤネス🇺🇸 vs ヴィニシウス・サルヴァドール🇧🇷

オーソのヤネスにサウスのサルヴァドール。
ヤネスのフックをスウェー、ダッキングで交わしいいリズムと挑発混じりのヘッドムーブを見せるサルヴァドール。

1R半分が過ぎたところ、ローキックを放ったサルヴァドールに得意のカウンター右フックが遂にヒット!!!
倒れたサルヴァドールにヤネスがパウンドと鉄槌の嵐を浴びせてレフェリーストップ!!!

ストップが遅かったように感じましたが、、ヤネスは格下をしっかりKOしてランカーに向けたマッチメイクが組まれる事を祈ります。

逆にサルヴァドールはこれで3連敗。
階級的には良さそうに見えたのでもう少し注意深く堅実に戦えたらなぁと。前戦のCJベルガラ戦でも積極性なくベルガラにやりたいことをやられてしまっていたので同じスタイルのまま負けているような感じがします。

大会総括<ベテランえぐいて>

重たいローキックと相変わらずキレのあるスピンキックをボディに何度か刺すものの、マーフィーのスイッチ混ぜ混ぜジャブ、ストレートと有効打を重ねられて結果的にはランキングを明け渡すこととなったベテランバルボーザ。

ポイントの事を考えなければ、若手相手に5Rの試合で最後まで「勝つ可能性あるぞ!」と思わせてくれました。凄い。
反応やフィジカルが落ちて見せ場なく負けて去っていくベテランも少なくない中、先日のアルドもそうだし今日のアンジェラ・ヒルなんか39歳で初サブミッションなんてどれだけ日々積み重ねてきたのかと、感心が止まりません。

そのベテランに競り勝つ新世代と、連敗を抜けて再出発するプロスペクト、デビュー戦で存在感を示す新星、彼らが超満員のオクタゴンで大歓声を受ける日を期待します!!!

次回は来月日本時間6/2に行われるUFC302!
現代MMAを支配するダゲスタンのマカチェフ王に挑戦するのはポイエー様!!3度目(暫定王座を除く)の挑戦となるライト級チャンピオンシップ!!!