英国MMAで発掘。メインイベント以外のUFC良試合。『UFC London Aspinall vs Tybura』
大会色合い
UKファイターと言えば殿堂入りを果たしたマイケル・ビスピンを筆頭に、現ウェルター級王者レオン・エドワーズ、フェザー級ではランカーのアーノルド・アレン。そしてあのコナー・マクレガーを輩出したCage Warriorsから人気者パディ・ピンブレッドと各世代に強い印象を残す選手が存在しています。
2022年3月にロンドンで開催された「Volkov vs Aspinall」ではUKファイターが大活躍、大盛況でしたので、そこからロンドン大会がどんどん定着していってるなと個人的には感じています。
最近のロンドン大会はほぼアスピナルがメインイベントを務めています笑
注目選手
(ライト級)クリス・ダンカン >DWCS2022で大逆転勝利を演じた選手。背中のタトゥに注目。
(ライト級)ヨエル・アルバレス >ライト級長身族の一人。その身長191cm。19勝のうち16SUBという超絶フィニッシャー。手足が長く決まり手も多彩。
(ライト級)ファレス・ジアム >CW無敗のフィグラクに黒星を付けた実力者。回転系の打撃、スクランブルに強い印象。
(ミドル級)ポール・クレイグ >今回よりライトヘビーからミドルへ転向。重量級では珍しいSUBフィニッシャー。三角厨。
厳選4試合(ネタバレなし・序盤のみ記述)
メインイベント以外のメインカード、プレリムから2試合ずつ面白かった試合を書き置きします。
(フライ級:プレリム) ジャフェル・フィーリョ vs ダニエル・バレス
オッズの拮抗した第一試合。
フィーリョはDWCS2022を経て契約し今年UFC286にモカエフとの対戦でデビューしています。その内容は誰もが覚えているであろう、あのモカエフの足が膝を起点に反り返るほどの膝十字を仕掛けたのが、このフィーリョです。何故かこれを耐え切ったモカエフの魂に根負けしたような敗戦でしたが実力を示したデビュー戦でした。
対するバレスは2021年のDWCSで敗戦するもその後全てフィニッシュで4連勝し、今回がUFCデビュー戦となります。
試合はキックをバックボーンとするバレスがカーフキック、ジャブで主導権を握った印象。ボディへのパンチも得意で上下に打撃を散らし、フィーリョのガードを下げるよう餌を撒きます。バレスはフィーリョの心を折れるか、フィーリョはバレスを捕まえて仕掛けることができるか。互いにUFC初勝利がかかった注目の第一試合。
(ライト級:プレリム) マルク・ディアケイジー vs ヨエル・アルバレス
身長差のあるマッチアップとなったこのカード。と言っても178cmのディアケイジーに対して191cmとアルバレスの身長がデカすぎるだけという。ターナーもそうですがライト級で190越えというのは改めて規格外。
試合はリーチで勝るアルバレスが優位に距離をとって試合を進めていきますがディアケイジーはカーフ、スピンキック、バックブローと多角的に駆け引きを展開していきます。アルバレスはカーフのカットをかなり徹底している印象。
アルバレスはツァルキャン戦でボトムにいる状態で強烈なエルボー、パウンドを浴びせられて負けているので、ディアケイジーもタックルを混ぜながら金網側でプレッシャーをかけていきます。
やりたい事が明確なアルバレスにディアケイジーが何を仕掛けていくか。
(ミドル級:メインカード) [ライトヘビー#9]ポール・クレイグ vs アンドレ・ムニス[#14]
この試合では珍しく、ブルース・バッファーがコールをしてる間に両者近づいて睨み合いが始まりました笑
二人に挟まれてコールするブルース・バッファーの表情も良くて、ワクワク感が増します。計量でもバチバチだったんでしょうか?
ポール・クレイグは前戦、僕の推し選手であるジョニー・ウォーカーと対戦し、ウォーカーの蹴り足を捕まえてケンケンの状態からの変態パンチをもらってKO負けを喫してしまいました。
三角絞めでの極めが強い印象ですがパウンドでのTKOもいくつかあるグラップラー。
対してムニスもブラジル人らしく柔術、ムエタイのバックボーンを持っていて2019年のDWCSでUFCと契約しています。
UFCでの3戦連続1R腕十字フィニッシュと、UFCでは腕十字の印象が強いです。3連続の1回目にはあのホナウド・ジャカレイに極めて腕を破壊しています。
グラップラー、柔術家同士の試合はどうしても打撃戦になってしまいがちですが、この試合も立ち上がりは打撃戦が展開されます。
サウスポーに構えるムニスの打撃にかなりキレがある気がしますが、新しい階級になってクレイグのコンディションにどう影響しているかもポイントになってきます。喧嘩四つ。
打撃戦が展開される中ムニスがクレイグの蹴り足を掴んでテイクダウン、グラウンドゲームに展開!!
三角絞めか、腕十字か。スタンドの打撃戦だけでは終わらなそうなグラップラー対決。
(フェザー級:メインカード) ナサニエル・ウッド vs アンドレ・フィリ
アルファメール所属のUFCベテラン、フィリ。激しい打撃戦を敷く印象ですがここ数戦は勝ったり負けたり、アイポークでのノーコンテストや怪我に苦しんでいる印象。
対するナサニエル・ウッドはオールラウンダーで、UFC9戦目でシャルル・ジョーデイン、チャールズ・ローザとUFCで10戦を超える経験者から2連勝を上げています。
ウッドはピョートル・ヤンを連想させるような両手でしっかり頭部をガードするような構えでプレッシャーをかけていきます。
対するフィリは身長、リーチで勝るので距離をとって伸びる打撃を当てていきたい様子。
どちらも頻繁にスイッチするので、真剣に見ていると頭こんがらがります。
この試合はかなり好みで、リングのコーナーがないのに次々と展開していく見応えのある、MMAが詰まった試合となってます。MMA面白い。
大会総括(ネタバレあり)
厳選に上げたかった他の試合はメインカードのハーバートvsファレス・ジアム。この試合は見応えある四つの攻防が多く、試合を制したジアムの驚愕のバランスに期待大です。
あとはプレリムのロバーツvsパーソンズ。この試合もパーソンズがデビュー戦で劇的な撃ち合いを制して気持ちの強さを見せました。
O2アリーナに向かう途中の通路にUKファイターの写真がズラリと並んでいて、UFCの定着度合いが伺えます。
ヘビー級のメインイベントはアスピナルが肘打ちからのワンツーでティブラを粉砕!!前回痛めた右足でハイキックも見せていたので、もう大丈夫な感じでしょうか?
しっかりと前回のアクシデントによる敗戦を払拭したので、ブレイズとの再戦、或いはJJ狩りとトップランカーとの試合を見たいところです!