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【UFC Vegas91】チェック必須のフライ級戦線【メイン以外の注目試合】『Nicolau vs. Perez』※試合後追記しました。
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大会色合い
UFC300で特大花火を打ち上げたマックス・ホロウェイの余韻に今もなお浸っている筆者ですが、3月と4月は当NoteをすっぽかしていながらもUFCはチェックしておりました。何かと忙しい年度末〜年度始めのため、お察しいただければと思います。が、ただの備忘録ですのでゆる〜く閲覧していただければと思います。
さてメインイベントには日本人参戦者が増えてきたフライ級ランカーの下剋上マッチであります。ニコラウはTUFブラジルに出場したりUFC契約後リリースの経験もある柔術黒帯の苦労人。
対するペレスもパンデミックのゴタゴタに巻き込まれながら現在3連敗中ですが相手はフィゲイレード、パントージャ、モカエフと苦しい相手が続いています。
メイン以外では注目していたロントップとオナマが計量オーバーとなってしまってとても残念ですが、こればっかりは我々素人は何も言えないので致し方なしとしてその他に目を向けていきましょう!
注目試合
(バンタム級:プレリム⑦)ハニ・ヤヒーラ🇧🇷 vs ビクター・ヘンリー🇺🇸
かつては日本のプロモーションHERO’Sにも出場し神の子KIDとの対戦経験もあるヤヒーラ。
38歳 28-11 (UFC 13-5) 21SUB
前戦は約1年前のモンテル・ジャクソン戦。
ナイスタイミングなシングルレッグでグラウンドゲームに持ち込みますが付き合ってはもらえず、クロスにロングリーチのクロスを合わされノックアウト負け。
対するは日本ではお馴染みジョシュ・バーネットの教え子ビクター・ヘンリー。
36歳 23-6 (UFC 2-1) 6KO/8SUB
RIZINで再び活躍を見せる前の金原正徳をKOした元DEEP王者。
個人的にはRIZIN代表というよりはDEEP代表でしょうか。
前戦は当時無敗の実力者ジャビッド・バシャラートと対戦し2R早々、スローでは目を背けたくなるようなローブローを喰らって試合続行不可能のノーコンテスト。
1Rはバシャラートにテイクダウンされるもののヘンリーの見事なリカバリーで見応えのある組みが展開されていました。
ヤヒーラのやりたい展開は分かっているのでヘンリーがどう対処するか。
(ウェルター級:メインカード①)ティム・ミーンズ🇺🇸 vs ウロシュ・メディチ🇷🇸
マット・ブラウン、ジム・ミラーと並んで未だ生き残っている戦うオジサンの一角であるミーンズ。
40歳 33-15 (UFC 15-12) 20KO/5SUB
ホランド、マックス・グリフィン、アレックス・モロノを相手に3連敗中でしたが前戦アンドレ・フィアリョには最終3Rにケージ際でフックをヒットさせ畳み掛けてフィアリョの戦意を奪いTKO勝利。2R終盤のハーフガードから相手の動きに合わせたスイープでトップポジションを奪ってダメージを与え一気に流れを引き寄せました。ベテラン。
対するはフィニッシュ率100%のウロシュ・メディチ。
31歳 9-1 (3-2) 7KO/2SUB
UFC291では実力者セメルスバーガーと接戦を繰り広げ最終ラウンドでは首相撲で距離を詰めてフック系のパンチを効かせ、直後にスピニングエルボーでダウンを奪いTKO勝利。
前戦はキルギスの未知の強豪オロルバイの漬け地獄から抜け出せずフラストレーションの溜まる敗戦に。
(ヘビー級:メインカード③)オースティン・レーン🇺🇸 vs ジョナタ・ディニス🇧🇷
DWCS2022で契約を掴んだフィニッシュ100%のオースティン・レーン。
35歳 12-4 (UFC 0-1) 11KO/1SUB
デビューとなったジャスティン・タファ戦ではエグいアイポークをお見舞いしてしまい試合続行不可能のノーコンテスト。仕切り直しとなったのはタファのホームであるオーストラリア大会UFC293。
またもやアイポークでタイムアウトとなった直後、会場大盛り上がりの鉄拳制裁KO負けを喰らってしまい、今回こそUFC初勝利を狙います。ローカル時代は短期決戦KO量産マンではありました。
対するは昨年DWCSより無敗のストライカー、ジョナタ・ディニス。
32歳 6-0 (UFCデビュー) 6KO
驚くべき事にMMAデビューして2年も経たない実力者ですが、元々はGROLYでも活躍するキックボクサーで、デビュー以来全てを1R KO勝利でここまで来ています。
そうなってくると強い、よりもあらゆる局面での対応が必要なMMAにおける経験不足は予想されるので、魔境UFCでは苦戦するだろうと見られているのではないでしょうか。
とはいえ今回の相手は同じく短期決戦でのし上がって来た相手ですので、ひとまずインパクトのある勝利を期待したいところです。
DWCSでの相手も無敗オールKOの選手でしたので今回も得意の距離でKO勝利を期待!
(ライトヘビー級:メインカード⑤) ライアン・スパン🇺🇸[#11] vs ボグダン・グスコフ🇺🇿
かつて砂漠男に敗北を味わわされたスーパーマンことライアン・スパン。
32歳 21-9 (UFC 7-4) 6KO/12SUB
ウォーカーに負けた試合も含めて1Rで勝ったり負けたりを繰り返していながらなんとかランカー11位に留まっているスーパーマン。
サブミッション負けも自分きっかけで不利なポジションになってから極められがち。
ただし本人もギロチンがめちゃくちゃ得意で、サブミッション勝利12回のうち9回がギロチンチョーク。
対するはTUF準優勝者のザック・パウガをリリースに追いやったハードパンチャー、ボグダン・グスゴフ。フィニッシュ率100%。
31歳 15-3 (UFC 1-1) 13KO/2SUB
距離をとって拳を低く置いた構えから踏み込んでノーモーションで打ってくる感じの右でザック・パウガを技ありKOでUFC初勝利。
UFCデビューは当時ランカー9位のオーズデミア戦で、得意の踏み込みで距離を詰めるもカウンターをもらってダウンしてしまいバックチョークでフィニッシュされてしまいました。
再び掴んだランカー戦のチャンスを生かせるか。
※※※試合後追記※※※
面白かった試合、見返したい試合
(ライト級:プレリム③) ハメス・ロントップ🇵🇪 vs クリス・パディーヤ🇺🇸
バランス型なロントップですが、直前代打出場のパディーヤは再三レベルチェンジでテイクダウンを成功させてペースを握っていました。
1ラウンド後半、立とうと背を向けたロントップに対してクイックにバックテイクしながらチョークをセット!
これにロントップがタップし、アンダードッグでありながら完勝デビューとなりました!
インタビューも勝って当然といった冷静な感じで、カッコよかったです。
UP NEXT FIGHTINGという🇺🇸プロモーションのライト級王者👑!
次戦に期待。
(バンタム級:プレリム⑦)ハニ・ヤヒーラ🇧🇷 vs ビクター・ヘンリー🇺🇸
下段の蹴りとオーバーハンドを餌にテイクダウンを狙うヤヒーラに対してヘンリーはガードをテイクダウンディフェンスを重視した低い構えで、多少の被弾はヘッドムーブで対処。
ヤヒーラのタックル1発目はヘンリーが上手く対処して凌ぐと、ヤヒーラは後手に回らざるを得なくなります。
3Rまでくるとヤヒーラのタックルも力がなくヘンリーがストレート、ハイキックを当てるとヤヒーラがダウン!レフェリーストップとなりヘンリーのTKO勝利!
前回のノーコンテストを払拭するパフォーマンスを魅せました!
(ウェルター級:メインカード①)ティム・ミーンズ🇺🇸 vs ウロシュ・メディチ🇷🇸
レベルチェンジでテイクダウンを仕掛けるミーンズ。
ウロシュは組み負ける事なく密着状態から再び距離を取るとミーンズが頭の位置を下げたところにドンピシャでアッパーカットを合わせます!ミーンズはダウン!追撃パウンドを1発入れたところでハーブディーンがストップ!
フルラウンド漬けられた前戦からの復活勝利。
(ヘビー級:メインカード③)オースティン・レーン🇺🇸 vs ジョナタ・ディニス🇧🇷
立ち技出身のディニスに対してグラウンドコントロールで優勢に立とうとするレーンサイド。
1Rはマウントを取るところまでコントロールし切りますが、2Rはタックルをスプロールで対処し相手のやりたいことを封じるディニス。
ディニスがケージ際で左アッパー、右ストレートを綺麗にヒットさせるとレーンはゆっくりと倒れ込みノックアウト勝利!
分かりやすく苦手な局面があるものの、勝負強さを見せてヘビー級らしいノックアウトでデビュー戦を勝利で飾りました。
(ライトヘビー級:メインカード⑤) ライアン・スパン🇺🇸[#11] vs ボグダン・グスコフ🇺🇿
1R中盤、グスゴフのパンチに合わせてスパンが組むと足を掛けてテイクダウンに成功し、バックテイク!
残り時間は少ないがスパンにとって良いラウンドに。
2R、スパンの打撃の距離が合ってない様子。
対してグスゴフの低く構えた右でアッパーカットを放ちこれがスパンのアゴをしっかり捉えるとさらに右フックで追い討ち。スパンはダウンし、グスゴフのパウンドがスパンのアゴを更に砕いてレフェリーストップ!!
グスゴフのTKO勝利!!ランカー11位を下し、2連勝!!
大会総括<フライ級でベルトを巻けるか日本勢>
全体を通してストライキング能力が高い選手が勝ち星を掴む試合の多かった今大会。
中間層になるとストライカーのTDD能力も高く、柔術家やグラップラー、バランス型のオールラウンダーが打撃に沈む展開も頻繁に見られる昨今のMMAシーン。
メインのフライ級マッチもケイプの代役出場となったペレスが豪快KOでチャンスをモノにしました。
こうなってくると、考えるのは日本人フライ級でランカーとなった平良達郎選手と、インターナショナルファイトウィークのナンバーシリーズでデビュー戦が決定している鶴屋玲選手の今後です。
日本人選手の傾向を見ていると、ROAD TO UFCアジアシリーズではとにかくタックル、失敗してもタックルの戦法で打撃でまた作り直すフェーズがないように見えて戦術の偏りが気になってしまいます。
そうなると、契約後に勝ち進んでいけるのか疑問に思うシーンが多くあったのが記憶に残っています。
ただし平良達郎、鶴屋玲の両選手に関してはグラップリングが飛び抜けて強いので、それらをさらに光らせるストライキング強化に期待したいところです。平良選手は前戦ノックアウトしていますので、打撃も向上しており楽しみな一年になりますね!
そして次のUFCナンバーシリーズはフライ級タイトルマッチが行われるブラジル大会。
前回素晴らしいフィニッシュを見せたスティーブ・アーセグがランキング10位でありながら挑戦者となっています。