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【UFC Vegas84】砂漠男のチャンピオンロード【メイン以外の注目試合】Ankalaev vs Walker ※試合後追記版

大会色合い

2024年1度目の大会のメインイベントはUFC294にてメインカードに組まれていたものの、反則膝を被ったウォーカーが会場のある国名を問われて「砂漠」と答えるアクシデントでノーコンテストになった両者の仕切り直しマッチになります。ウォーカーにとってはベルトに絡む大一番となります。(オッズは差がつくと思われますが、ウォーカーを信じています。まぁあのキャラなので疑ってもいます。)

ウォーカーには得意の飛び道具でダイアップセットを起こしてくれることを期待します。
ウォーカーは筆者の推しファイターです。

と記事を書いてる間に元RIZINバンタム級王者で現UFCフライ級ランカーのマネル・ケイプ3.5ポンドオーバーでまた試合を飛ばしてしまいました。
試合を成立させていればいいヒールキャラとしてタレント性が出てきそうでしたが、、、これではただ積み上げたものが成り立ちませんね。

注目試合

ファイトナイトお馴染みコンテンダーシリーズ勢のデビュー戦も組まれているのでプレリムからじっくり見ていきたいと思います。
今年も変わらずメインイベント以外で注目している試合をプレリム、メインカードから各2試合ピックアップしてそれっぽく予習していきます。

(フライ級:プレリム)ジョシュア・ヴァン🇺🇸 vs フェリペ・ブネス🇧🇷

元Fury FCフライ級王者ジョシュア・ヴァン
23歳 9-1(UFC 2-0) 5KO2SUB

この若さでジュマグロフを相手に昨年デビューを果たしスプリット判定勝利。
前戦はUFC295のケビン・ボルハスと対戦し打撃戦を展開しました。
1Rはダウンシーンもありましたが2Rはプレッシャーをかけてボルハスを翻弄、3Rではテイクダウンも混ぜて持久戦を制しました。

ストレートをもらうシーンも多くて、若さで顎の被弾をカバーするような試合運びではあったのですがボディの打ち分けやハイキックでの畳み掛けなど個人的には好きなタイプなので今後に期待の若武者です。

対するは同じくフィーダー団体LFAにおいて日本の堀内雄馬選手をKOで下しLFAフライ級王者となったフェリペ・ブネス。ピットブルブラザーズ所属。
34歳 13-6(UFCデビュー) 2KO/8SUB

返しのフックでダウンを奪って王者となったブネスですが、フィニッシュ勝利のほとんどはサブミッションによるもので、内訳もほとんどがアムーバーという得意なものがはっきりと見える選手。
仕留めるパンチも持っていて、打撃戦ではジョシュア・ヴァンと噛み合う展開になりそうです。

(バンタム級:プレリム)マーカス・マクギー🇺🇸 vs ガストン・ボラニョス🇵🇪

デビューからUFC2連勝中のプレデターヘア、マーカス・マクギー。
33歳 8-1(UFC 2-0) 7KO/1SUB

フィニッシュ率100%、デビュー戦では自身初のRNCによるサブミッション勝利。唯一の敗戦もRNCによるサブミッション負け。
前戦ではJPベイズを相手に間合いを徹底して回し蹴り等多様な蹴り技を見せつつパンチ一発で仕留めました。
豪快な試合をしそうな戦闘民族顔ですがデビュー2戦では緻密な試合をしていて今後気になる要チェック選手です。

対するは2023年4月にUFCデビュー戦を勝利で飾った生粋の元Bellatorファイター、ガストン・ボラニョス
31歳 7-3(UFC 1-0) 6KO

2017〜22年までBellatorにて9戦6勝3敗のベテラン選手。
UFCデビューとなった前戦は当時UFC2戦目アーロン・フィリップスとの消耗戦を制しましたがバック+四の字ロックを与える場面も多くRNCをセットされるシーンも複数ありました。
ワイはBellatorの知識に乏しいのですが、互いにUFCバンタム級の中堅層に食い込むことができるかどうかの大事な一戦となりそうです。

(ヘビー級:メインカード)アンドレイ・アルロフスキー🇺🇸 vs ウォルド・コルテス・アコスタ🇩🇴

野球の投手の経験を持つヘビー級ボクサーのアコスタ
32歳 10-1(UFC 3-1) 5KO/1SUB

コンテンダーシリーズを経てデビューすると、地味ポジにいるヘビー級戦士との試合を重ねて勝ち星を重ねています。
球を投げるのオーバースローのようなオーバーハンドを強打として持っていますが細かいパンチを重ねるボクサースタイルで試合を運びます。

なんといっても特徴的(というか悪目立ち)なのがカーフキックをカットしないことでしょう。反応できてないのか、あえてカットしないのか?、よく分かりませんが毎試合カーフを蹴らせてパンチを当てるという博打を見てるようでパンチよりもそっちが気になってしまいます。

前戦は昨年シンガポール大会で長身ルーカス・ブジェスキを相手にショートフックを効かせてKO勝利、会場を沸かせました。

対するは時を駆ける元UFCヘビー級王者、44歳の鉄人・アンドレイ・アルロフスキー。
軽量級と違って年齢層も高く、経験が物をいうヘビー級で未だに試合を成立させるのは凄いことです。

フィニッシュ勝利は2015年から遠ざかっており基本的にはポイントゲームで、2021年から22年にはスプリット判定勝ち2つを含む4連勝。現在は2連敗と後がない状況ですが、そこがメンタルに響くかどうかはわからない領域、年齢なので関係ないように思えます。

(バンタム級:メインカード)リッキー・シモン🇺🇸[#13] vs マリオ・バティスタ🇺🇸

現在5連勝中のフィニッシャー、マリオ・バティスタ。
30歳 13-2-(UFC 7-2) 3KO/6SUB

3連続1Rサブミッション勝ちを含む5連勝中で、タックルのタイミングが上手く電光石火で極める力を持っているので、相手としてはとにかくトップポジションを与えたくない選手であります。
とはいえ、まだトップ選手からは勝ち星を得られておらず今回ようやくランカー戦が組まれた状況です。
ちなみに2019年UFCデビュー戦ではコーリー・サンドヘイゲンに三角絞めを極められて敗戦しています。ここを越えてリベンジに漕ぎ着けられるか!?

対するはバンタム級ランキング13位、リッキー・シモン。
31歳 20-4(UFC 8-3) 6KO/4SUB

2018年にUFCデビューしたベテラン?ランカー。
そのデビュー戦の相手はメラブ・ドバリシビリで、見事勝利を飾りましたが、トップからギロチンを極めているのにも関わらず、何故か落ちずに動き続けるというメラブゾンビの恐怖を体験したファイターでもあります。

前戦はメインイベントとして行われたソン・ヤドンとのランカー対決に敗れてしまい、一歩後退。ノーランカーとの試合が組まれる運びとなりました。

トップ選手と鎬を削ってきたランカーを越えて行けるかマリオ・バティスタ。


その他気になる選手たち

ライト級トム・ノーラン🇦🇺
UFCデビュー。DWCSシーズン7合格者。190cm近い長身族。スカ勝ち合格。

フェザー級ジャン・シウバ🇧🇷
UFCデビュー。DWCSシーズン7合格者。縦肘跳び膝アグレッシブスタイル。

バンタム級ファリド・バシャラート🇦🇫
バシャラート兄弟、兄。弟はジャビッド・バシャラート。安定の無敗兄弟。

ミドル級ブルンノ・フェレイラ🇧🇷
DWCSシーズン6合格者。ロボコップをワンパンKOしたパンチャー。

※※※試合後追記※※※

面白かった試合

(フライ級:プレリム)ジョシュア・ヴァン🇺🇸 vs フェリペ・ブネス🇧🇷

序盤中央からプレッシャーをかけるジョシュア・ヴァン。
ブネスはケージを背負いながら右を振って牽制しつつサークリング。
大きな決定打は多くないもののこの位置関係で駆け引きが続き、ゆっくりと消耗していそうなブネスが組みを仕掛けます。ラウンド間際にマウントを奪って、ブネスの勝ち筋はやっぱりアームバーでの一本だなと再確認したところで2R突入。

2Rになると得意のボディを打ちながらジョシュア・ヴァンがさらにプレッシャーをかけます。
ブネスは再三ケージに押し込みテイクダウンを狙いますがこれを切られ続け、逆にトップポジションを与えてしまいます。
やはりアームバーでしか勝ち筋がなさそうなブネスでしたが、スタンドに戻ってもパンチに対して頭を下げたところに何度も膝をもらったり劣勢に陥り勢いそのままレフェリーストップ!!

まだまだ若いジョシュア・ヴァンのTKO勝利!

(フェザー級:プレリム)ウェスティン・ウィルソン🇺🇸 vs ジャン・シウバ🇧🇷


身長差のあるマッチアップですが、シウバはウィルソンの入りに合わせて左フックをバシバシと当てていきます。
入ってきたところを迎え撃てば、自ら踏み込んで左、右と強烈にヒットさせてダウンを奪うシウバ。
なんとかテイクダウンを奪うウィルソンでしたがもう抑え込める状態にないほどのダメージを負っていてレフェリーも全集中状態。

最後はケージ際に追い込んで頭を下げたところにアッパーを打ち込んでようやくレフェリーストップ。

体が仰け反るほどにクリーンヒットさせ続けたジャン・シウバがデビュー戦を見事に勝利!

(バンタム級:プレリム)マーカス・マクギー🇺🇸 vs ガストン・ボラニョス🇵🇪

1R、打撃で優勢になったのはマグギー。しっかりテイクダウンも混ぜて味付けして見応えのあるゲームメイクでボラニョスからダウンを奪いつつ顔を赤に染めます。前手の右がかなり当てますが深追いはせず、オフェンスの時間とディフェンスの時間をうまく配分してるように見えました。
1Rほぼフィニッシュしかけると2Rはさらに優位に進めてスピンキック、左ストレートをヒットさせレフェリーストップ!

マグギー勝利!!これで3連続フィニッシュとなりました。
バンタム級は層厚いのでランカーまであと何戦か勝たなきゃいけないかもですが、今のところは安定した試合運びを見せているので今後更に期待です。

(ミドル級:メインカード)フィル・ハウズ🇺🇸 vs ブルンノ・フェヘイラ🇧🇷

フェヘイラはプレッシャーを受けながらも柔道技でのテイクダウンを見せるなど粗い打撃とは裏腹に得意技を見せていきます。
フェヘイラのハイキックをヘッドダウンで避けたハウズでしたが、直後にフェヘイラは跳び膝!これに対してもヘッドダウンしてしまい被弾!
ダメージを負ったもののダウンしなかったハウズでしたが明らかに動きが落ち、さらにパンチを被弾してダウン。追撃のパウンドを受けてレフェリーストップ!!

粗いけど倒すさまはブラジルファイターらしいフェヘイラのKO勝利となりました!
ハウズは3連続1R KOという絶望的な結果に。

(ライト級:メインカード)ジム・ミラー🇺🇸 vs ガブリエル・ベニテス🇲🇽

最多出場、最多勝利の記録を持つジム・ミラー。
コンディションが良さそうで、流れるような打撃のコンビネーションを見せていてとても40歳とは思えない動きに毎度驚かされます。
クリンチでの打撃、外ローキックも効かせて試合を支配していました。

打撃戦が進む3R、ダブルレッグでテイクダウンを成功させたジム・ミラー。
ハーフガードの下になったベニテスが返そうとしたところジム・ミラーはバランス良く耐えてバックにつきます。
うまくコントロールしてアゴごと締め上げるチョーク?ネッククランク?でタップを奪い勝利!!

最多勝利を26に更新しました!
40歳にしてこの素晴らしい内容のMMA、すごい!!
フィニッシュに繋がったバックを奪った動きはさすがでした。

大会総括<ここが砂漠であったなら>

メインイベントは残念な結果に終わってしまいました。
2ラウンドに入ってからアンカラさんが下に意識させるような打撃戦をやってるような気がしてて、怖いなぁと思っていたらズドン。
勝ち負けは変わらなかったかもしれませんが、UFC294のあのとき続行していたらどうなっていたか、有観客パワーでなにか起こったんじゃないかと意味のないタラレバを考えております。

プレリムのコンテンダーシリーズ勢はいい内容でしたが、メインカードのアコスタちゃんは挑発行為が手数よりも多くてあまり見応えはありませんでした。

とにかく、推しのウォーカーが完敗してしまったので総括として書くことはそれ以上もそれ以下もありません。。。

再来週のファイトナイトではROAD TO UFC シーズン2の決勝が行われた、新たな日本人UFCファイターが誕生するはずなので気持ちを切り替えていきたいと思います!!!