無敵とは敵がいないこと!?
ある武道の達人にその弟子の一人がこう尋ねました。
「先生、この武道の奥義とは何ですか?」
すると達人はこう答えたそうです。
「自分を殺しに来た人間と友達になることさ。」
無敵という言葉があります。
この言葉には敵をなぎ倒していくイメージがありますが、本当はそうではなく、みんなと仲良くなってしまう、敵がいない状態にしてしまう、だから無敵なんだとある本に書かれていました。
幕末史に残る江戸城無血開城という大きな出来事がありますが、この功労者でもある勝海舟と坂本龍馬の出会いの話は有名です。
坂本龍馬は勝海舟を殺すために会いに行くのですが、勝の人間的なスケールの大きさにほれ込んでしまい、その場で弟子にしてくれと言います。
勝は竜馬が自分を殺しに来たのを薄々分かっていたようですが、何も言わずに彼を向かい入れます。
自分と違う考え方の人間がいるのことは当り前のことだと素直に思える人だったんだろうと推測できます。
まさに勝は無敵な人と言えます。
みんなを仲間にしてしまう勝のような無敵な人が増えれば、この世界はもっと平和になるはずです。
それは国家間にも言えることで、自国の利益優先や覇権争いに励むことばかり躍起になり、国費や国力を使ってしまう国があります。
それとは真逆に、経済大国でもなく先進国でもないが、国民みんなが幸せを感じながら毎日生活している国もある。
個人レベルの思考が昇化集合されて国というものが形成されているのだとすれば、個人のレベルにブレイクダウンして変革していかない限り国が変わることはないだろうと思う。
わたしは、無敵になるためにはたった一つだけ条件があると感じています。
それは許すこと。
しかし、それを邪魔する怒りというエネルギーがあります。
これは人類史上で最も厄介なものです。
今日も世界のどこかで争いが起きています。
おそらくこの先も世界から争いが無くなることはないでしょう。
許せないから今日もどこかで争いが起きている。
竜馬も自分の考えに固執していたら、おそらく勝を切り殺していたでしょう。
勝の人間の大きさに触れ、それまでの勝に対する自分の感情を清算したのだろうと思う。
それ即ち許しだと思うのです。
許すためには、素直と謙虚がカギとなります。
周りを変えようとしても、おそらく何も変わらないし変えることは出来ない。
変えることが出来るのは自分だけ。
一人一人の想いが熱となり昇化されて国が動かされていく。
無敵とは敵がいないこと。
一国だけが無敵なのは無敵ではなく、覇権であり支配です。
世界中が敵のいない無敵な国々になれば、無敵の地球が出来上がります。