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辛抱の糸

菅総理が「緊急事態宣言」を解除すると発表した。

感染者数が下げ止まりどころか、増加している中での解除に心配の声が上がっている。確かに、これ以上延長しても大きな効果は望めないかもしれない。

「なぜ感染者数が増えたか」の答えとして、「若者に対するSNSでの発信が出来ていなかった」と菅総理は言った。

それを聞いて、違和感を覚えた。
それは論点が違うんじゃないのか。

SNSが理由なら、なぜ前回の緊急事態宣言の時は外出する人が減り、感染者数が減ったのか?

前回とはやはり危機感が違う。
みんな慣れてしまった。

前回は、得体の知れないものに対する恐怖感があった。
有名人の死もあった。

死を身近に感じたんだと思う。
それが、みんなの心を抑制した。
みんなが、自主的にそうした。

いつまでも、ただ「我慢してくれ」では、辛抱の糸も切れてしまう。
政府がSNSで熱のないことをいくら発信しても、若者の心にはおそらく響かないだろう。

自分は大丈夫だろう。

根拠のない言い訳が、みんなを外へと後押しする。

国会議員の飲食が、問題にされたことがあったが、危機感が無くなってきているのは政府も同じだろう。

国民の心が変化しているのに、政府が同じことをやっていたら、結果は見えている。やらされ仕事の上司に、部下は進んでついて行こうとは思はない。

どこで言うかが、問題じゃなくて、何を言うかが問題なんだと思う。
そして、それをどう言うかが問題であり、どんな人が言うのかが問題だ。

熱のない無策な言葉で人の心が動かせるとは思えない。


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