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M図建築工房×蛯原林業 地元の飫肥杉で建築する
・蛯原林業との出会い
家づくりを語る上で私たちにっとて重要な役割を果たしてくれている木材にまず敬意を表する。何十年時には何百年もかけて先人達が大切に残してくれた木材、建築大工として大事にしたい。これからも若い大工さんや建築士の方達にできたらM図で家をつくる施主にも貴重な木材を大切に使い利用すること伝えていけたらと思う。
・一流のお寿司やさん
一流と評されるお寿司屋さんは何年もの下積みを経て先輩達から技術を受け継ぎ一人前になってからでも美味しさを追求するために魚の目利き、素材を活かすための技術を学び続ける。
決して現状の技術に驕ることなく学び続ける。中々それを生涯継続する事は人はできない。
だからこそ一流といわれる人は少ないのである。
しかしながらお客様は当たり前のように一流を求める。
僕自身も同じお寿司屋さんで同じネタならば何年も努力して勉強し修行した職人さんのお寿司を僕は食べたい。
だからこそ僕たちは大工職人も日々建築の勉強をし愚直に技術を磨き努力しその期待に応えていかねばならないのである。
ぼくの悩み事
2021年 僕はとても悩んでいた。自分が必要とする良質な木材が中々入手出来ない。
住宅業界や家具業界を震撼させたウッドショックである。世界規模で流通が止まり住宅で使う材料が入手困難となった問題だ。
初めての経験で私も要因を当時、徹底的に調べ情報を集めた。
たくさんの要因が重なり合ったことがウッドショックとなったのだがやはり一番はコロナ禍により世界の木材産出国カナダや中国、ヨーロッパなどの移動制限やロックダウン、コンテナ製造工場の稼働率の低下による木材荷積み用のコンテナ不足など。
・アメリカ、中国の新築ブーム
・大規模山火事
・カナダの虫害などなど。
そんな中でも一番の衝撃だったのがロシアのウクライナ侵攻である。ロシアは有名な良質木材の産地で世界有数の森林資源大国である。
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しかしながら日本にも自然豊かな森林大国では?と僕はこれまで当たり前のように思っていた。
特に僕たちが拠点としている宮崎は日本一の杉の生産量を誇っいて宮崎の中心地からでも少し車を走らせればすぐに緑の山を見渡すことができる。
ならばなぜ日本の住宅木材が足らない事となったのか?調べるまで知らなかったことだが日本全体の住宅で使用される木材の6割〜7割は外国から持ち
込まれて木材だという事実。
僕が知らなかった「国産木材が使われない理由」
僕が知らなかった「国産木材が使われない理由」・山主の高齢化により山の手入れができていない
・欧米の伐採しやす平地が多いが日本の山は急斜面など過酷な地形が多い
・生産効率から外国産の価格が安いく日本産は割高
・価格競争に巻き込まれ林業家、製材所の廃業。
・木材をあつかう技術者(大工)の知識、技術力の低下
心の底から「ヘェ〜」である。地域性もあるのだろうがM図の家は構造材はもちろんほとんどの材を地元の木を使って当たり前に家づくりをやってきた。てか輸入木材はどこに売っているの?これも地域性というやつであろうか。
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世界の木材流通が止まったおかげで、これまで輸入木材に頼っていた工務店やハウスメーカーが一気に国産材に切り替えた。国産木材が急に足りなくなったそりゃそうだという話である。
これまでの付き合いもあり製材所が優先的に材料をスットックしてくれてはいたものの。???ここぞとばかりに値上げ値上げで僕らもパニック状態である。
そもそもこんなに日本の山にたくさんの杉・檜などの樹樹があるのに何故外国から輸入しなければならないのか?
普通の人ならどうでもいいような事をどうしても攻め込んで深掘りしたくなるのが僕の性分である。
僕が10代、20代の頃は大工の加工場には木材屋さんはもちろん山師さん達も出入りして山と家の情報交換を親方衆がしていた。今は加工も工業化、プレカット化が進み大工と製材所、山師との関わりが無くなってしまった。
興味を持ったら僕は動くウダウダ考える事はない、とりあえず動く。「よし山師に会いに行こう!」ウッドショックの情報や日本の山のことを一番知っているのはニュースや新聞の情報ではなく山師だ!と考えたからだ。
でも今どこに山師が存在するのか当時の僕は知らない。
速攻で電話帳やネットで調べた電話番号を元に電話しまくってみる。
僕が電話した内容は「林業の現場を見学させてください」「山の勉強をさせてください」である。簡単に考えていたがどこも相手にしてくれない。どこぞの冷やかし工務店と思われたか稀にみる国産材需要の繁盛期にそんな暇もなかろうということだ。
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そこで直アポがダメなら紹介してもらおうということで前に製材所で営業経験のある現在建材屋さんの久保氏に頼み込みようやく辿り着いだのが南郷町の「蛯原林業」さんである
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昨日も現地に赴き話の中で当時の話が出た。僕は探して探してやっと会いたい人と会える喜びで前の日に質問ノートを作成した。芸能人に会うような気分だ。
会社から約1時間弱到着するなりマシンガンのように蛯原さんに質問したこと、相手の時間も考えず製材所から伐採現場もで案内してもらったこと。
今考えればドン引きだったぽいが50問ほどの質問にも丁寧に答えてくれた蛯原さんには感謝でしかない。
あっという間の1日であったが何より互いの協力がこれからの家づくりに大切だと蛯原さんも僕も直感的に思っていたのだろう。僕は少なからずその日から蛯原林業のファンとなった。
念願の山の見学
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木材は木材であってどれも一緒でしょ?工務店として表現しづらい地味なところだが僕はこだわりたい。僕と同じ宮崎で生まれ同じ空気を吸って同じ時代を生きて僕ががいなくなったこの後の宮崎も見守ってくれるでありましょう。想像するとキュンとくる。ロマンチックである。
M図建築工房が使う木材はAD材が主流である。大まかに住宅の材料にはKD材、AD材、グリーン材とあるマニアックな話なので興味がある人は調べてみるのも面白いと思う。
僕がAD(自然乾燥)にこだわる理由ADには天然木材の良さを残しゆっくりと木材の強度を上げていき粘りを増してくれます。僕たち大工が鉋をかけると木の脂がでて艶が出ます。法隆寺で使われている木材は1000年の時を超え頑張っています。
日本の主流はKD材、M図で使いたい木材は現場で使えるまで一年以上の時間をかけて乾燥させる手間がいる。ダメもとで蛯原林業さんに何とか一緒に家づくりをお願いできないか。AD材をお願いできないかをお願いした。
天然乾燥は時間だけでなく広い場所もいるしかもとても忙しい当時に何処の馬の骨とも分からない変わったことを頼む。しかし蛯原さんはM図用のAD材と乾燥場を確保してくれた。
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同じ図面で建築してもつくる職人さんの技術、知識、材料、何よりその会社の理念によって完成度もものづくりの本質を忘れ利益だけが優先になってしまうと、どうしても無機質な建築物となってしまう。
職人が情熱持って仕事した建物はは必ずその建築物に宿ると僕は思っている。
なので僕らは各業種との繋がりとM図建築工房の家づくりを考え方を共有し協力してもらうためコミニュケーションを大事にしている。職人は私も含め変わった人が多いが何十年もやっていると慣れてくる。
家づくりには様々な業種の人たちが関わり完成を目指す。左官、瓦、大工、建具職人、蛯原林業のように材料を提供してくれる人たちであったりと。
僕は建築が好きだ。これからどれだけの建築物に関われるか分からないが建築に関わる職人としてこれからも情熱を持って仕事をしていく。これからも各職方達と協力しチームワークを持って自信を持って良い建築物を未来に残していきたい。
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追伸: 「ハレとケプロジェクト」の外構工事、泥だらけになりながらも里山づくりに励む。今はどうにかなりそうなぐらい身も心もヘトヘトだが後に良い思い出となれば嬉しい。
困難も情熱と覚悟を持って挑めば後悔しないだろう。
頑張ろ。
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