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裏切るのも人であり、幸運を運んでくれるのも、また人である。
映画「バッファロー66」(1998年)
主演: ヴィンセント・ギャロ
*オススメしたい人*
・どん底の人生を送っている人
・人生を終わらせたいと思っている人
・自暴自棄になっている人
*ストーリー*
5年の刑期を終え、出所するビリー・ブラウン。
寒さに凍え、尿意を覚えたビリーは、トイレに行くために、レストランを探し回るが、利用を断られ、なかなか、用を足すことができない。
あるダンススタジオがあるビルに入り、ようやく用を足すことができる。
気持ちが落ち着いたビリーはバッファローに住む両親に公衆電話を掛ける。
ビリーは、両親には服役していたことを知らせず、政府の仕事で各地を飛び回っていると嘘をついていた。
ビリーは久しぶりに実家に帰ることを告げ、出任せに結婚したと話をすると、両親から妻を連れてこいと言われる。
嘘だとも言えず、ビリーは両親の申し出を断るが、両親はなかなか引こうとしない。
後に引けなくなったビリーは、しぶしぶ妻を連れて行くと言って、受話器を置く。
その後、どうするか案じていると、偶然若い女性が通り過ぎたので、その女性を脅し、無理やり、彼女の車に連れ込み、バッファローまで運転させる。
その女性は、レイラと言って、ダンスを習いに来ていた。
ビリーは、レイラに両親の前では、自分に惚れ込んでいる妻という設定で、演技をしろと強要する。
バッファローの家に着くと両親が出迎えてくれた。
初めて会う息子の妻に喜ぶ両親だったが、ビリーは久しぶりに会う両親と過ごしているうちに、次第に苛立ちを覚えた。
母親はアメフトのバッファローチームに嵌っており、ビリーの出産のために、優勝試合を見損なったと、相変わらず愚痴り続け、ビリーがチョコアレルギーで、顔が腫れ上がったこともすっかり忘れた様子で、チョコドーナツを勧めてきた。
レイラは、そつなく両親の前で良い妻を演じていたが、話が大袈裟過ぎて、ビリーはいつ嘘がバレるか冷や冷やしていた。
実はビリーは、アメフトに1万ドルを賭けていたが、持ち金もないのにあっさり負けてしまい、その弁償として、ある刑期を迫られている人の身代わりとなり、刑務所に入所することになった。
賭けたチームが負けたのは、スコットというアメフト選手が八百長をしたことが原因だと考えていたビリーは、スコットを殺害し、自分も死のうと考えていた。
レイラはビリーとホテルで一緒に時間を過ごすうちにほのかな恋心を抱くようになった。
ビリーの様子にただならない空気を感じ取り、自分を一人部屋に置いてどこかに行ってしまいそうな気がすると話すが、ビリーは素知らぬ振りをする。
ビリーはコーヒーを買ってくるとレイラに言い残したまま、スコットが経営する店に向かっていくーー。
*映画の見どころ*
アメフトに賭けて大負けし、大金の弁償に他人の身代わりに刑務所行きとなり、出所したところで、生きる希望もない。
そんなどん底のビリーの前にレイラという女性が現れました。
レイラは、ビリーと偶然出会った、彼の苦しい出任せのために利用された女性でした。
彼の一方的な上から目線の態度にレイラは内心苛立ちを感じていましたが、彼と一緒に時間を過ごすことで、かつて彼が一人の女性に夢中になり、一途だった恋愛話を聞くことで、彼の繊細な一面を知り、ビリーに好意を持つようになります。
ビリーも一時は自分の人生に絶望して、自分で自分の人生を終わらせることにばかり、意識が集中していました。
スコットを殺して、自分も死のうと考え、スコットの店に出向いたものの、我に返ります。
その心境の変化をもたらしてくれたのは、レイラの存在であったことは言うまでもありません。
いつしかビリーもレイラに恋心を持つようになることで、人生に小さな希望を見出すことができたようです。
ビリーはレイラに出会うことで、自暴自棄になりつつある人生を変えることができました。
*人生の好転レッスン*
人は人を求めるが故に、期待を裏切られ、傷ついてしまうことはよくあることです。
しかし、人を救ってくれるのも、また人であることは間違いありません。
絶望するような人生を送っていたとしても、ほんの少しの出会いにより人生が好転していくことは稀ではないことです。
恋愛に限らず、誰かを好きになることで、生きるエネルギーが湧いてくるかもしれません。
その小さな希望を育てるように生きていけば、人生を好転させるきっかけになることでしょう。