ChatGPTの新機能「Custom instructions」:初心者ガイド 〜使い方と注意点〜
OpenAIのChatGPTは、人工知能との対話をよりパーソナライズできるようにする新機能「Custom instructions」がリリースされました。この記事では、この新機能が初心者にとってどのような利点をもたらし、どのような注意点があるのかを詳しく解説します。
Custom instructionsを利用する方法
Custom instructionは現在有料契約プランのユーザーにのみ公開されていますが、利用するには下記の設定が必要です。
1 左下のSettings & Betaをクリック
2 「Beta features」の「Custom instructions」をONに設定
3 設定から「Custom instructions」をクリック
4 Custom instructionsの2箇所を設定して「Save」をクリック
設定箇所が2ヶ所ありますが、内容については次の章で説明します。
5 「New Chat」から新しいチャットを起動してプロンプトを入力
6 上部のツールバーに「Custom instructions: On」が表示されているのを確認
こちらプロンプトを書いている時には出ませんが、プロンプトを送信後に表示されます。
Custom instructionsの設定について
設定内容について説明します。
1 What would you like ChatGPT to know about you to provide better responses?
ChatGPTにより良い回答を得るためにユーザーについて知っておいてもらいたいこととして、下記のような内容を記載します。
拠点はどこですか?
お仕事は何をされていますか?
趣味は何ですか?
何時間でも話せる話題は?
あなたの目標は何ですか?
2 How would you like ChatGPT to respond?
ChatGPTにどのように対応して欲しいかということを知ってもらうために、下記について記載します。
ChatGPTはどの程度フォーマルであるべきか、カジュアルであるべきか?
返信の長さは?
どのように対応してほしいですか?
ChatGPTはトピックに対して意見を持つべきか、それとも中立を保つべきか?
最初からパーソナライズされた対話体験
Custom instructionsを使用すると、ユーザーは自分の好みや要件を予めChatGPTに伝えておくことができます。これにより、AIは最初からユーザーのニーズにより適応することが可能となります。
例えば、下記のような使い方があります。
先生が授業計画を作成する際に、中学の3年生の数学を教えているという事実を何度も繰り返す必要がなくなる
エンジニアは、コードをPythonなどの特定のプログラミング言語で回答してほしい場合、その要望を予め登録しておくことで回答が何も言わなくてもその言語での出力となる
つまり、カスタム指示機能を使用すると、ユーザーは一度指示を設定すれば、それが全ての将来の会話に適用されます。これにより、ユーザーは毎回自分の好みや情報を繰り返す必要がなくなります。
これは、特に頻繁に同じ種類のタスクを行うユーザーにとって、時間を節約する大きなメリットとなります。
事例1 学校の先生の場合の例
例えば、日本の中学校の先生の場合には下記のような設定ができます。
毎回同様のことをプロンプトに入力しても同様の結果が得られるかと思いますが、上記のように設定しておくことで、いきなり上記を知っている前提でチャットを開始することができます。
実際に下記のようにいきなり「因数分解の教材作成」の依頼をしても、中学校向けとしての対応をしてくれています。
事例2 プログラミングの場合
Custom instructionsを使用すれば、ユーザーは特定のプログラミング言語を指定することができます。これにより、ChatGPTは指定された言語でコードを生成します。これは、特定の言語でコードを書きたい開発者にとって大きな効率化となります。プログラミング学習者は、習っているプログラミング言語を入れておけば、その言語で返信されるので助かります。
例えば、何も指定しないと出力されるプログラミング言語は、Pythonが多いのですが、PHPをCustom instructionsで指定しておけばPHPで出力されるようになります。
また、特定のプロジェクトの概要やアーキテクチャなどを予め入れておけば、コード生成を依頼する時などに毎回入力する必要がなくなるのも助かります。
Custom instructionsの影響に関する注意点
しかし、一方で、質問の内容によってはカスタム指示を変更しなければならない場合もあります。これは、特定の質問やタスクがカスタム指示と一致しない場合や、新たな要件が発生した場合に発生します。このような場合、ユーザーはカスタム指示を更新する必要があります。
逆に思った結果にならない場合に、Custom instructionが残っていることも原因になる可能性があります。そのため、チャットによって大きくアウトプットの方向性などを変更したい場合は、記載しない方が良いです。
作業の効率化につながるCustom instructions
ChatGPTのCustom instructionsは、初心者でも簡単に利用でき、多くのメリットを提供します。この機能を使用すると、ユーザーは自分の好みや要件をAIに伝え、それに基づいたパーソナライズされた対話体験を得ることができます。
一度設定すれば、それがその後の会話に適用されるため、時間を節約することができます。出力形式を制御したり、特定のプログラミング言語を指定したり、特定の入力ケースに基づいて出力を制御することも可能です。
ChatGPTとの対話をより効果的に行うことができるので、プロンプトの入力時間削減という効率化のために活用したい機能です。