見出し画像

インドの職場でオンライン懇親会を企画してみた@2021年ディワリ

今回は、私が勤めるインドの企業で企画・運営した、インドでのオンライン懇親会(ディワリ会)についてシェアします。

この記事を書こうと思った理由

インドまたは日本で、インドの人々と一緒に働かれている方々向けに、
仕事以外の場で、社員の人と交流する場づくりのアイデアをシェアしたく、
この記事を書こうと思いました。

コロナ禍で、オンライン中心の働き方になり、同僚やチームメンバーと仕事以外の交流する機会が減っているのではと思います。インドの職場では、「チャイ休憩」(午前11時頃 and/or 夕方の休憩)の文化があり、カジュアルな雰囲気で仕事以外のことを話す、良いきっかけになっていました。
しかしコロナ以降、職場に行く機会が減ったり、交代出勤になったりと、社員の人と、オフの時間を共有することが少なくなったかと思います。

そんな中で、オンラインで交流する機会を作れるのではないかと思います。
今回私がシェアするのは、インドのお祭り「ディワリ」に合わせたイベントでしたが、定期的に、または不定期に、こうした交流イベントを企画してみてはいかがでしょうか?

オンラインだと仕事以外のコミュニケーションがしずらい


懇親会の企画の企画に誘われる

私はインドの現地IT企業で働いています。

先日、最も大きなお祭りのひとつ「ディワリ」を前に、所属するチーム内でのオフ会(社員交流イベント)の企画・運営を担当することになりました。

「ディワリ」は、毎年10月~11月の時期にやってくる「光のお祭り」
この時期になると、多くの人が1~2週間ほど休暇を取り、地元の州に
帰省したり、家族や親戚と集まって過ごします。ディワリの前は、家を大掃除したり、家族でいただく料理作り、買い出しなど、日本の年末年始に、どこか雰囲気が似ています。

今回(2021年)のディワリでは、みんなが休暇に入る前に、
オンラインでの社員交流イベント(オフ会)を企画しよう!という話になりました。日本の忘年会に近いと思います。

目的は2つ。
・メンバーの、仕事以外での様々な側面を知るため
・メンバーの、日々の貢献や成果を称賛するため

日本の忘年会と違い、ディワリに際して交流の場を作ることは、インドではあまりポピュラーではないと思います。(あくまで私の私見ですが)
私のチームでも、ディワリに際してイベントを行うのは初めてでした。

私の上司や同僚は全員インドの方ですが、私が仲良くしている同僚のひとりが、イベントの指揮を取っており、「一緒にやろうよ!」と声をかけられたのがきっかけで、企画・運営に携わることになりました。

1時間の枠の中で、イベントプログラムの企画・実行を担当することになりました。参考になる資料やサンプルは記載できないのですが、イメージがしやすいよう、できる限り分かりやすく、以下に説明していこうと思います。

イベントで企画したこと

オンライン交流イベントで企画・実行したのは以下の4つ。

ショートビデオ

以下のテーマで、チームメンバーに5~6秒ほどのビデオを送ってもらい、
3分ほどのショートムービーを作りました。
・今の仕事をしていなかったら、どんな職業についていた?
・私は○○オタクです!

(目的)
ビデオを作る目的は、各メンバーのパーソナルな側面を、お互いに知るきっかけを作るためでした。また、このイベントのアイスブレイクのためにビデオを流す目的もあり、
プログラムの一番最初にビデオを流しました。

(使用したツール、所感)
ビデオの編集には、Microsoft Office 365 の Video Editor を使いました。

私のディワリの思い出(トークリレー)

以下の2つをテーマに、メンバー間でのリレートークを行いました。
1人1分以内の尺で、話してもらいました。
・小さい頃のディワリの思い出
・ディワリのときに食べる、お気に入りの食べ物

(目的)
これもまた、仕事以外のカジュアルな話をする話題提供にと、このセッションを設けました。またオンラインだと、どうしても受け身(観ている・聞いているだけ)の参加になりがちなので、一人ひとりが話す時間を少しでも作るため、このプログラムを設けました。

(使用したツール、所感)
MCが、一人ずつランダムに指名して話していく、という形式にしました。

個人的に面白かったのが、インドの各地域の文化、食文化をお互いに知れたこと。私のチームは、東西南北あらゆる地域出身のメンバーがおり、ディワリのお祝いの仕方も、ディワリならではの食べ物も、地域によって異なりました。

例えば、北インド・パンジャーブ出身のメンバーは、「ディワリの特別な食べ物といったら、、バラをあしらったミタイ(インドの甘いお菓子)です」
と言うと、「えっ?バラをお菓子に使うの?」と南インド出身のメンバーが返す。インドの古今東西の文化を知る機会になり、意外と盛り上がりました。

ありがとうボード(Wall of Fame)

事前にメンバーにWEBアンケートを取り、ここ最近で仕事をする中で、各チームメンバーに対して「感謝したいこと」「尊敬していること」を匿名で記入してもらいました。そのコメントをまとめて、各メンバーに宛てられた「ありがとうボード」を、スライドにまとめました。

(目的)
普段、メンバーに対して「尊敬していること」「感謝していること」を直接話すきっかけは少ないと思います。今回のイベントでは、各々の普段の仕事ぶりや成果をリスペクトする、認める、という目的もあり、この企画をしました。

(使用したツール、所感)
WEBアンケートには、Office 365 のFormアプリ(GoogleフォームでもOK)
スライドにはパワーポイントを使いました。
1人に対して1枚のスライドを作り、イベント終了後には、メンバー1人ひとりに、本人宛ての「ありがとうボード」を送りました。

些細なことですが、普段の仕事の様子や努力を、誰かに認めてもらうのは嬉しいことです。ディワリのときだけに限定せず、四半期ごとに、こうした取り組みを実施することになりました。


ベスト○○賞

あらかじめ決められたテーマに沿って、表彰しました。MVP(最優秀選手)をなぞって、以下の項目で賞を設けました。(一部)
・Most Creative Player(最もクリエイティブな人)
・Most Cheerful Player(最も明るい雰囲気を作ってくれる人)
・Most Punctual Player (いつも時間をきっちり守る人)
・Most Artistic Player (アートセンスがある人)
・Most Mysterious Player (独特の雰囲気がある人)
などなど・・

これも、各アワードごとにスライドを作って投影しました。
気をつけたことは、誰も傷つかないテーマにすること、そして全員の名前が載るようにすることです。

(目的)
各メンバーの個性をリスペクトする意図で設けました。

(ツール、所感)
各項目ごとに、投票形式にする予定でしたが、私が属するチームは投票を集めるほどの人数が多くないので、イベント企画・運営側が指名するかたちになりました。

賞を発表したあとに、表彰された各メンバーに「一言どうそ!」と話す機会を設けました。これも受け身参加になりがちなオンラインイベントのエンゲージメントを高めるうえで、よかったのではないかと思います。


ディワリ・クイズ大会

これはインド人メンバーの強い希望で(笑)クイズ大会を行うことになりました。なぞなぞ、ディワリに関するトリビアクイズ、ボリウッドソングのイントロクイズ等を設けました。

(目的)
主にアイスブレイクのために設けました。

(ツール、所感)
クイズ作成、演出はすべてインド人メンバーが担当してくれましたが、
よく考えられたクイズ、そして「クイズ・ミリオネア」のBGMも流れ、
本格的なクイズ大会になりました。

インド人メンバーはクリエイティブな人が多く、レベルの高さに圧倒されました。私は残念ながらクイズのほとんどが分からなかったので、このセクションでは完全に傍観者でした。。

Swiggy (インド版 Uber Eats)クーポンで、好きなフードを注文

同僚が提案してくれて、「そんなアイデアもあるのか!」と思った企画。

オフラインのイベントでは、レストランに集まる、ケータリングの注文などができるけど、オンラインだとそれがないからパーティー感に欠けます。

そこで利用したのが、Swiggy (インド版Uber Eats)のクーポンの利用。
会社でクーポンを購入、クーポンコードをメンバーに共有して、オンラインイベント当日に、好きな食べ物/飲み物を各個人がオーダーできるようにする、というものです。

どんな食べ物をオーダーしたかで、メンバーの個性も見えてくる、ということで、イベントの途中に、ランダムに「ところで今日は何をオーダーしたの?」と聞き、答えてもらいました。

この方法だと、各個人が好きなものを注文できる、少し特別感が出る、ということで、とても良いアイデアだな、と思いました。

「Swiggy Voucher 」で検索すれば色々出てきますが、例えば以下のサイトでバウチャーが購入できます。


ドレスコード

最後に、このオンラインイベントに際し、簡単なドレスコードも設けました。それは「カラフルな服を着る」というもの。

ディワリは「光の祭り」、祭りの際に飾られる、カラフルにデコレーションされたライト、そして「個性を祝う」というイベントの趣旨になぞらえて、
カラフルな服、という趣旨にしました。

今回のイベントでは、最終的に却下になりましたが、「インドの伝統的な服(サリーやクルタなど)」というドレスコードも、雰囲気づくりのために良いかもしれません。

ただ、みんな気合が入っており、結果的にカラフルなインドの伝統服に身を包んだ人が多かったです。

オフ会を企画して学んだこと

今回イベントを企画してみて、学んだことが2つ。

インドのメンバーはイベント大好き

今回、イベントを企画してみて、圧倒されたのが、
イベントにかける、インド人メンバーの情熱とコミットメントでした。
もはやいつもの仕事よりも、本気になって取り組んでいたような印象。

インドのメンバーと働いていて常に思うのですが、普段の仕事の場面でも
インド人の同僚たちは「何事も全力で楽しんで取り組む」ことに、非常に長けている印象を受けます。

今回のイベントも、あくまでオフ会なので「そこまでやらなくても・・」と思うところまで、力を入れていました。結果的に、チーム内のメンバーについて知れる、意義のあるイベントになりました。

オフ会のイベントを提案したら、快くサポートしてくれるかもしれません。

個人的な部分を互たいに知ることで、仕事もしやすくなった


このイベントを一緒に企画・運営した同僚たちとは、親近感が上がり、
結果的に普段の仕事もしやすくなりました。協力してくれる人が増えたり、
心理的な距離が縮まり、コミュニケーションが取りやすくなりました。

これもインドで働いていて常に思うことですが、
インドの職場環境では、個人的なつながりや、その人の人となりを
どれだけ知っているかが、普段の仕事に直結する、と感じています。

その人の出身地、趣味や得意なこと等パーソナルな部分を聞くことで、
相手自身に興味があることを示すことになり、結果的に相手も親近感を持ってくれるようになり、心を開いてくれます。
あくまで私の経験ですが、インドの職場では特に、一度距離が縮まった人は、コミュニケーションや仕事が一緒にしやすくなる(返信が早くなる、協力的になってくれるなど)傾向が強いように思います。

オフ会を実施したことで、インド人の同僚たちとパーソナルな部分を知り合うきっかけになり、チーム内でのコミュニケーションや仕事が、より潤滑に進むようになりました。

以上2つの学び・成果は、あくまで私の経験ですが、
他の職場環境でも、特にインドとの方々がいる職場では、応用できる部分は少なからずあると思います。


以上、インドでのオンライン懇親会の企画体験をシェアしました。

インド、または日本で、インドの人々と一緒に働かれている方にとって、
「こんなアイデアもあるんだ」「自分の会社でもやってみようかな」と、
インドの同僚の方との交流を深めるきっかけになればと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?