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【北東インド メガラヤ旅行記】①北東インドってどんなところ?

2021年12月に訪れた、北東インド・メガラヤ州の旅の記録です。
本記事では、北東インド、メガラヤ州の概要に触れてみたいと思います。

北東インドってどんなところ?

「北東インド」{North East India}について、聞いたことがありますか?
インドの中でも、ミャンマーやブータン、バングラデシュと国境を接する地域で、具体的には、インド北東地域の 8州を指します。

インドに住んでいる人は、日本人と似たような東アジア寄りの顔立ちの人々を見ることが多いかもしれません。彼らは北東インド出身の人々です。

地理的にも歴史的にも、東南アジアの大陸部(ミャンマーやタイ)、中国、チベット文化の影響を受けており、文化、食事、民族など、インドの他の地域とはかなり異なります。

インドの中の別世界

インドに住む、訪れる外国人からすると、インド北東部は「インドっぽくない」という印象を受けると思います。北東インドは、様々な点でインドの大部分の地域(北インドや南インドなど、ここでは「インド大陸部」とします)と異なる文化を有しています。例えば、

〇顔立ち
<インド大陸部>
目鼻立ちがくっきりした顔立ちした人々が多い。(日本人が多くイメージする「インド人」はインド大陸部の人をイメージすると思います。)

<北東インド>
北東インド地域の人々の人々は、日本人のような、東アジア人のような顔立ちの人が多いです。またタイやマレーシアような、大きい目の東南アジア地域の人のような風貌の人々もいます。

北東インド出身の人々(Better India の記事より)

〇言語
<インド大陸部>
インドでは州・地域ごとに異なる言語が話されています。「インド大陸部」では、同じ言語が話せる、または言語が似ていることが多いです。

例えば、北インドの州では、ほとんどの人々がヒンディー語を共通語として使っています。南インドでは州(地域)ごとに言語が異なりますが、隣接する州の言語同士は似ていることが多いです。

<北東インド>
北東インドの言語は、「インド大陸部」の言語系統とは異なり、また近隣地域の言語(ミャンマー語など)に影響されています。また州や民族ごとに、言語がまったく異なります。

旅行中に聞いて驚いたのですが、北東インドでは州や民族ごとに言語が異なるので、北東インドの中の異なる州の人同士では英語やヒンディー語で話すことが多いそうです。

〇食文化
<インド大陸部>
・ベジタリアン(菜食主義者)が多い
・北インドでは小麦、南インドではコメが主食

<北東インド>
・ノン・ベジタリアンが圧倒的に多い
インド大陸部では、肉は主に鶏肉がポピュラーですが、北東インドでは鶏肉、豚肉、牛肉など、様々な肉が日常的に食べられています。
・コメが主食
・インド大陸部でポピュラーな料理(ビリヤニやドーサなど)は、北東インドではあまり食べられていません。私が訪れたメガラヤやマ二プールでは、ビリヤニやドーサ、カレーを提供するレストランは、全く見かけませんでした。

〇宗教
<インド大陸部>
ヒンドゥー(約70%)、ムスリム(約20%)、クリスチャン、仏教徒など

<北東インド>
州によって、信仰されている宗教が大きく異なります。
注目すべきは、北東インドの多くの州で、クリスチャンが多数を占めること。例えば、私が訪れたメガラヤ州では、州の人口の70%近くがクリスチャンです。各地域の土着の宗教の影響が強く残る地域もあります。

北東インドの”中”でも多様な文化が存在

北東インド 7州は、「セブン・シスターズ」と呼ばれることがあります。北・南インドの人々から見て、これらの7州は「北東インド」として、ひとまとめにされてしまいがちです。

私も今回訪れる前は、なんとなく「文化とか食事とか、北東インドの中では大体同じなんだろうな」と勝手なイメージを抱いていました。しかし、今回訪れてみて、現地の人の話を聞いて、調べてみて、州ごとに多様な文化があることに驚きました。

今回私が訪れたのは、メガラヤ、マ二プール、ナガランドの3州のみですが、州をまたいだだけで、言語や文化が大きく違いました。ひとつの州の中にも、異なる文化圏が共生しています。

これから北東インドを訪れる人、北東インド出身の人と関わる機会がある人は、ぜひ州それぞれの文化や特徴に注目してほしいと思います。

日本人に北東インドをオススメする理由3つ

北東インドは、インド在住者やインドを旅したことがある人も、訪れたことがある人は少ないと思います。インド国内での旅行先として、候補地に挙がることは滅多にないと思います。

インド人も同じで、北東インドを訪れたことがあるインド人は、非常に少ないです。

今回北東インドを訪れてみて、特に日本人にとって、魅力に溢れる地域だと感じました。日本人へのおすすめポイントを3つ、以下に紹介します。

魅力①日本と文化的親和性が高い

北東インドは、インドの他の地域よりも、日本や東アジアの国と文化的親和性が高いように感じました。

特に若い人は、日本や韓国の文化に興味がある人が多く、街を歩いていると日本や韓国風のモダンなファッションに身を包んでいる人を見かけました。

また日本のアニメや歌手も人気。日本や韓国料理のレストランも多いです。インドの他の地域と違って、北東インドの人はほとんど肉や魚を食べるノン・ベジタリアンですし、食文化や味付けも、日本や東南アジアの料理と似ています。

また、北東インドの人々と日本人は、なんといっても顔つきが似ています。
旅行中、現地の人だと間違えられる場面も何度もありました(笑)

日本人がインドを訪れると、生活環境や食の違いから、異世界に来たようで疲れてしまうことも多いですが、北東インドは「インドだけど、親しみを感じる」地域だと思います。

魅力②親日的

北東インドの人々は、とても親日的です。
旅行中「日本人です」というと、とても親しみを持ってくれて話をしてくれる人がとても多かったです。

魅力①に挙げたように、文化的親和性からか、日本という国や文化に親しみを感じる人が多いようです。

また、北東インドの人が親日的な理由は、他にもあるように思いました。
メガラヤ州を旅していたときに聞いたエピソードを紹介します。
メガラヤ州のとあるキャンプ場に宿泊していたときのこと。地元出身のキャンプ場のスタッフの人に聞かれました。
「君は日本人だよね、近くのインフラ建設プロジェクトの仕事で来たの?」
「インフラ・・?」
「メガラヤ州や北東インドの州では、橋や幹線道路などのインフラ建設プロジェクトが複数進んでいる。その多くが日本の支援で建設されているんだ。(=日本政府による円借款事業)」
「このあたりの橋は老朽化しているし、豪雨で脆くなっている。ジャングル地域で幹線道路も少ない。インフラが整備されれば、安全に人が暮らせるようになって、インド本土や他の国との物流も早くなるんだよ。」

調べてみると、近年北東インドでは、日本政府による円借款事業が多数行われているようです。それを知って、北東インドでは親日的な人が多いのかもしれません。

インド北東部のメガラヤ州に建設中の` Dhubri-Phulbari bridge (写真は完成図)
完成すれば、インドで最長の河川かかる橋となる


魅力③手つかずの自然、歴史、文化

北東インドは、インドの他地域の観光地と比べると、良くも悪くも、観光開発があまり進んでいません。中国との国境を接していたり、歴史的な経緯から政治的に不安定な時期が続いていたりして、インドの中でも長らく「閉じられた」地域となっていました。

北東インドに行きやすくなり、旅行先として知られるになったのは、つい10年前くらいからのようです。それでも、インドの中ではあまりポピュラーな旅行先ではありません。インド人でも、北東インドに行ったことがある人は、珍しいです。

だからこそ、北東インドには手つかずの自然に出会い、自然と調和した人々の伝統的な生活を垣間見ることができます。

メガラヤ州 チェラプンジの大自然


以上、北東インドの概要と、日本人におすすめしたい理由をまとめました!
次回の記事では、北東インド7州のひとつ、メガラヤ州について、概要を説明したいと思います。



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