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インドに起業家マインドを持った人が多い理由

今回はインドで起業家マインドを持つ人が多い背景を3つシェアしたいと思います。

インドには起業家マインドを持つ人が圧倒的に多い

私はインド南部の都市、バンガロールに住んでいます。
インド人の同僚や友人と話す中で、日本と大きく違うと思ったこと。
それは「起業家マインドを持っている人が圧倒的に多い」ということです。

私の数少ない知り合いだけでも、
・大学卒業して自分のスタートアップを始めた
・企業に何年か勤めた後、自身の経験や興味のある分野で事業を始めた
・今は企業に勤めているが、起業準備をしている
こういった人々がとても多い印象を受けます。
(肌感覚ですが20代~30代の友人の中で5割くらい)

各国の起業率に関する調査によれば、インドはイスラエルに次いで起業率が高いというデータが出ています。GEM(※1)による調査によると、TEA(※2)が 9.9。調査対象の50か国中のなかでは中位に位置しますが、日本の 3.7 よりは圧倒的に高いです。
インドの人口規模を考えると、起業家の数は世界の中で突出することが想像できます。

※1:Global Entrepreneurship Monitor(グローバル・アントレプレナーシップ・モニター)の略。ロンドンを拠点とする世界各国の起業家活動を調査する組織
※2:Total Early-Stage Entrepreneurial Activityの略。起業の計画段階から起業後3年半までの起業活動者が、成人人口に占める割合を指す

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引用:一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター


私は個人の活動として、Headstart Network Foundation という、インドのスタートアップ・コミュニティ(※3)である NGOで、プロボノ活動をしています。このコミュニティの中にいると、スタートアップの経営者や、起業家マインドを持った人に多く出会います。

(※3)ピッチイベントやオンラインセッションを運営し、インドの起業家や投資家(ベンチャーキャピタル)、アクセラレーターを繋ぎコミュニティを創出している団体。

それでも会社の同僚や友人レベルでも、起業に前向きで事業計画を持っている人が非常に多いと肌で感じます。

そこで、インドで起業家マインドを持った人々が多い理由を、友人の意見と私なりの考察をもとに3つシェアしたいと思います。

理由①:経済成長の真っ只中~ビジネスチャンスに溢れている

新興国であるインドは今も経済成長の真っ只中にあります。
GDP 成長率は過去10年で5%以上を維持しており、2019年はコロナの影響でマイナス成長に転じたものの、2021年は10%以上の伸びが予測されています。(※4)
(※)引用:世界経済のネタ帳(元データはIMFより)

インドでは経済成長の後押しもあり中所得層の所得を向上し、内需が拡大しています。消費者の購買力、市場が拡大しているぶん、事業を立ち上げて軌道に乗れば、起業家として成功できるのではないか?と起業を前向きに考える人が多いように思います。

またインド国内には、物流や金融、交通、農業など、多くの分野で社会課題があります。課題はビジネスチャンスであり、こうした課題解決にビジネスで取り組むスタートアップも無数にあります。

経済成長中にあるアジアやアフリカの新興国では、共通して言えることだと思います。

理由②:家族の経済的な支え

最近は西洋的な考え方も影響していて、一概には言えないものの、
インドでは家族との繋がりが強いです。精神的な繋がりだけでなく、経済的な繋がりも強く、例えば、子どもは成人になって働き始めてからも、結婚するまでは親と一緒に同居する、経済的に相互依存するという家庭が多いです。

一般的には、西欧諸国では、子どもは成人になったら、または就職したら経済的に独立せよ、と考える風潮があります。日本も一部の家庭でそうだと思います。

一方インドでは、成人になって就職しても、親は子どもと一緒に住み、共通の家計で生活する、ということが一般的です。(仕事などで遠方に住む場合は別です。)

結婚してからは(特に都市部では)親や家族から独立して家庭を持つことが多いですが、経済的には家族・親戚と相互依存する傾向が多いです。例えば、家計が厳しいとき、大きな支出が伴うときに、家族・親戚の支えを受けることが一般的です。

「家族による経済的な支え」という、ある意味ライフラインとなる経済的な頼りどころがあることは、起業を検討する上での安心材料になります。

起業を考えている友人に起業することに対する生活面での不安を聞くと、「”起業のための資金”は自分の貯金や資金調達で何とかするが、家族と生活している、または経済的な支えがあるから、明日の生活や食べるもの対する不安はあまり無い」という回答がよく帰ってきます。

ちなみに、ここではインドの中・高所得層の家庭で起業を考えている人を対象にしています。インドでは貧困ラインぎりぎりで生活している方も多いので、所得層によって生活水準にはかなり差があります。



理由③:身近に起業家がたくさんいる

インドで出会った友人たちと話していると、身近な人々(家族や親しい友人、大学の先輩など)が起業した、会社を経営している、という話は結構普通に聞きます。

インドは中小零細企業の数が非常に多いです。インドの経済紙、Times of Indiaの記事によれば、インド国内企業の99%が中小企業に分類されています。(※5)

またインド政府の主要政策のひとつである「Startup India」では、インド国内のスタートアップを支援する各種補助金や制度が整えられ、起業を後押しする政策が打ち出されています。

ほぼ毎月、インド中央政府や州政府のスタートアップ機関がハッカソンを開催している。

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加えて、ここ2~3年で、ユニコーン企業に仲間入りした企業数も一気に増えました。2021年上半期ですでに、昨年の数を超えています。

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参照元:SME Futures


こうしたユニコーン企業のCEOは、20代~30代の若い起業家が多く、インドの若い人々の間でロールモデルとなって認知されています。

以上のように、中小零細企業(=経営者)が多く、そしてユニコーン企業に代表されるように、成功した起業家たちからの影響を受け、「自分もできるんじゃないか?」と起業を志すが多くいるのだと思います。


(※5)2020年、インド政府による企業規模の定義を拡張したことで国内企業の約99%が中小零細企業に分類された。

インドで感じる「若さ」=「起業家マインド」


以上、インドに起業家マインドを持った人々が多い理由を、周囲の人々から聞く話や、社会・経済背景とともに、自分なりに分析してみました。

どれも目新しい理由ではないですが、インドの人々の「起業家志向」にある背景が少しでも伝われば幸いです。

インドに住んでいると「若さ」「エネルギー」を肌で感じます、これを具体的に言うと「人々の起業家マインド」が非常に強いです。自分の可能性を信じて、躊躇せずお金や時間を投資している人が多いです。

社会構成・経済状況が違うのでシンプルではないですが、この「起業家マインド」「チャレンジする姿勢」は、日本人としても見習うべきところだと思います。


引き続き、バンガロールから情報発信していきます!







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