令和6年の問44。何故勘違い⁉️
令和6年の行政書士試験の記述問題44の題材は、実際には**昭和58年の判例**に基づくものです。しかし、多くの予備校が誤って昭和43年の判例に基づく解答を提供しているようです。
- **昭和58年の判例**:この判例は、競願関係における正式な開設免許の付与や拒否についてのもので、他社の免許付与処分の取消しは原告適格がないとされています。代わりに、自己の拒否処分の取消し訴訟と免許付与の義務付け訴訟が適切な救済手段とされています。
- **昭和43年の判例**:これは予備免許に関する判例で、他社の予備免許付与処分の取消しが可能とされていますが、令和6年の問題44では開設免許に関するものであり、適用すべき判例ではありません。
したがって、正しい解答は昭和58年の判例に基づくべきで、Xは総務大臣Yを被告として、拒否処分の取消しと免許付与の義務付けを併合提起することが適切です。予備校の解答が昭和43年の判例に基づいている場合、それはこの特定の問題に対して誤った解釈です。受験生としては、正しい判例に基づく理解が重要です。
予備校が昭和43年の判例を基にした解答を提供している理由はいくつか考えられます:
1. **情報の更新不足**:試験対策の資料や教材が古く、昭和43年の判例に基づいた情報がそのまま使用されている可能性があります。特に、試験の傾向や法改正に対応するための更新が不十分だと、旧来の情報が残ることがあります。
2. **判例の理解不足**:昭和43年と昭和58年の判例の違いを正確に理解していない、またはその重要性を認識していない場合があります。特に、予備免許と開設免許の違いや、それに伴う判例の適用範囲の違いが見落とされることがあります。
3. **試験対策の焦点のずれ**:予備校が試験対策として、過去の出題パターンや一般的な知識に偏重し、特定の判例の詳細な分析を怠ることがあります。特に、昭和43年の判例が過去の試験で頻出だった場合、その情報が引き続き使われることがあります。
4. **情報伝達のミス**:教材作成や講義の準備段階で、情報の伝達にミスが発生し、誤った判例が取り上げられることがあります。また、講師間の情報共有が不十分だと、誤解が広がる可能性もあります。
5. **試験傾向の誤読**:試験の出題傾向を予測する際に、過去の問題を分析しますが、その分析が不正確であったり、最近の傾向を捉えきれていない場合、新しい判例に基づく問題への対応が遅れることがあります。
6. **受験生の誤解を招く表現**:教材や講義の中で、判例の解説が曖昧であったり、一般化された表現が使われると、受験生が誤解を招くことがあります。例えば、「競願関係では他社の免許取消しが可能」と一括りにされると、具体的な判例の違いが見落とされます。
これらの要因が組み合わさることで、予備校が昭和43年の判例に基づく解答を提供し続けることがあります。受験生としては、信頼できる複数の情報源から情報を収集し、自己の判断で最新の判例や法律の理解を深めることが重要です。