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sayuras 「ナイン -nine-」

sayuras のデビューライブ(2023年12月16日@下北沢 Club Que)の一番最初を飾ったのが、デビューシングルでもある「ナイン -nine-」という曲。その時の様子が公式YouTubeチャンネルで観ることができる。

私はこの会場にいて、Club Que の音響の良さでグルーブ感が増幅された sayuras 楽器隊の演奏に包まれながら、三上ちさこさんの決意表明のようなこの曲の歌詞が、歌声に乗って耳に入ってくることで、いきなり泣いてしまった。

この曲の歌詞には、心に響いてくる言葉がたくさんある。

あの日見た 夢の 先へ ああ 全てを 賭けて 挑む
立ち上がれ 潰されても 何度 だって 這い上がれ

ひとりになっても やり切ろうと決めた
ふたりで描いた 僕自身の夢が 消えてしまうのが ただ怖かった

夕闇に響いた 僕を 呼ぶ声は ああ いつでも 僕の なかに

駆け抜けろ 時を刻め 重ねてきたもの 解き放て
変えてゆく しなやかさで 今日の自分 超えてゆけ

失くしても 消せはしない 心の地図は ここにある

どこにいても 輝ける 心の軸は ここにある

このような歌詞の力強さと、空気を貫くような声色でその歌詞を届けるちさこさんは、プロデューサーである保本真吾さんが「音楽界の宝」(リアルサウンド2022年7月6日のインタビュー記事より)と評するように、他にはなかなかいないタイプのヴォーカリスト。

でも、その歌にバンドの楽器隊の演奏力が負けてしまったら、音楽としてバランスがとれないし、歌の良さが引き出せない。sayuras が素晴らしいのは、楽器隊の音の太さが、ちさこさんの歌の鋭さを上手に包んでいるところ。

そのことに誰よりも先に気づいたのが、ちさこさん自身。2022年5月の彼女のソロライブで、sayuras楽器隊の3人がバックバンドメンバーとなった時のことを、ちさこさんはこう振り返っている。

このメンバーでライブをまず1回やったんですけど、リハのときから「終わらないでほしい!」と思うくらい、めちゃくちゃ気持ちよくて。音楽はもちろん、人間的にも一緒にいてすごく心地よかった。なので、そのライブが終わったときに「一緒にバンドをやりたいです」とお誘いしました。

sayuras インタビュー記事(リアルサウンド 2024年4月13日

そのようなバンドメンバーを見つけて、ミュージシャンとしての新しいステージが始まるタイミングでリリースされたのが「ナイン -nine-」だと知った上で、この曲を聞くと、歌詞のそれぞれの言葉の説得力が増幅されて耳に届いてくる。

それで、ライブで聴いた時に泣いてしまったし、今も、家で聞くたびに、この曲の言葉に心が揺さぶられる。

11月1日のライブでも、おそらく最初を飾るであろう「ナイン -nine」。そのオフィシャルミュージックビデオはこちら。


sayuras 渋谷WWW ワンマンライブ(イープラス / ローチケ)まであと28日

注:トップの画像は、ちさこさんの Tiktok への投稿(2023年9月26日)から

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