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そうだ、Win11を予想しよう!#1

インストール可能なISOやら、スクリーンショットやらの流出も起きるほどMSの次世代OS(以下「Win11」と略称)が話題になっているようです。

 真ん中にタスクバーって、デスクトップOSのライバル達(Mac、ChromeOS)を意識しすぎやろ、とか思ったりしなくはないのですが、WinにおけるUIは、良いとか悪いとか論評したり、超頑張って慣れてみたり等せず、勝手にどんどん(あまり一貫性がなく)変わるのに振り回されないように程々で使うべきもの、結局のところジオングの足みたいなもの、だと思っていますので、詳しく取り上げることは致しません。というか、Winの真価(独自性・革新性・新規性等)はカーネル等の基礎部分にこそあるというのがこずかむが20年近く維持している見解なのでありまして、その部分に着目して予想をやってみたいと思います。なお、長くなりそうな気がするので、書き始めから#1としております。6/26までまだ1週間以上ありますから、のんびり楽しみながらやっていこうという意図もあります。よろしければ、しばらくお付き合いください。

 Winの基礎部分の今後を予想したり、論評したりする際にも色々な視座があると思いますが、こずかむが特に注目しているのはLinuxとの関係です。そもそもWSL(Windows Subsystem for Linux)の登場それ自体がなかなか衝撃的だったわけですが、最初のそれ(WSL1)は主に質の高いUNIXターミナル環境を提供することのみを目的としていた(ように思われる)のに対し、最近のMSはHyper-V技術を積極的に活用し、従来のカーネルであるntosknlLinuxとを組み合わせたハイブリッドを志向しているようにみえるところです。Win11はそのようなハイブリッドの(野心的で、相対的にはかなりバギーな)実践の場として設定されるんじゃないかなぁとぼんやりと考えています。

 そこでWin11におけるLinuxの位置づけ等を大胆に予測することにしましょう。箇条書きにしてみます。

Hyper-Vの上でntosknlLinuxの両方が(デフォルトでは)常に動く
Linuxは基本的には(利用可能な場合には)AMD SEV等のTEE機能も活用してプログラム等の改ざん等が困難なセキュアな実行環境として活用
・上記のLinux環境ではMSの認証を受けたプログラムしか実行できない(したがって、ユーザがWin11の上で自由にLinux環境を使いたい場合はWSL2を用いることになる)
Win11ではデフォルトではHyper-V有効化必須(仮想化支援機能のないCPUは動作対象外)

予測の根拠は、最近MSがLinuxコミュニティに提供したLinuxHyper-Vroot partitionとして動作できるようにする以下のパッチの存在です。こういうパッチを作って出すというのはWinの管理系をLinuxで作り上げたいという意向の表れなのではないかと想像しますが、GoogleやAWS等のクラウド事業における超強力なライバル達がこぞってLinuxに投資している状況において、その恩恵をちゃんと受けられるようにしたいというのは極めて合理的な判断であるというべきなのではないでしょうか。

 root partitionMSのドキュメントによるとメモリや周辺機器等のハードウェアの管理を直接担うものとされており、デバイスドライバの動作環境でもあります。Linuxroot partitionになるとデバイス・ドライバはLinuxのそれとして作られないといけなくなり、現時点では、ドライバの書き方が大きく変わる、ソースコード公開の義務が基本的には生じる、等の問題があるでしょうから、Win11ではデフォルトではLinuxroot partitionにはならず、その役目はまずはntosknlになるのでしょう。しかしながら、MS自身はデバイスドライバのソースコード公開に抵抗感はほとんどないはずですから、まずはMSの最大の収益源であるAzureを構成するサーバでLinux as root partitionをヘビーに活用することを通じて完成度を高めていくのでしょう。また、サード・パーティにも移行等を促すべく、Linuxの上でもWinな(ntosknl上で動作する)デバイスドライバをそのまま効率的に動かせるフレームワークや、ntosknl用のドライバのソースコードをLinux対応に簡単にできるフレームワーク等を用意し、サード・パーティ製のLinux対応ドライバを増やしていく。そして、Win11の次のWin12においては、Linux as root partitionをデフォルトにすることを目指すという感じになるのではないのかなぁと。そんな感じの予測をしています。

なお、MSは最近、WSLgというWSL2上のGUIアプリをWinデスクトップ環境で高速に実行できるようにするフレームワークの提供をはじめており、これもライバル社が積極的に行うLinuxへの投資を積極活用するための戦略なんだろうと思っていたりするんですが、長くなってきましたので今日はここまでとします。

また、基本的には裏どりを全然していない、妄想やら希望やらを書きなぐったものなので、そこらへんはご容赦願いますw

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