なぜ日本の結婚式がガラパゴス的進化を遂げたのか?の考察〜2020〜
戦後からの70年あまりの
ウェディング文化の流れを追っていくとわかることは
現在の一般的な結婚式の形式は、
けして 長年の日本に伝わる伝統からくるものではなく
その時代、その時代に 必要にせまられてできたものであり
いわば
「経済をなりたたせるため」にやむなく生まれたものなのです
ですから これからご結婚される方には 特に知っておいてほしいのは
「これが日本の伝統、とか これが普通、とか、結婚式とはそういうもの」
という間違った説明を受けても、鵜呑みにしないでください(^^;)
1980年以降に 婚礼業界で働いた経験のある方は、
私もそうですが、、、ほとんどの方が、少なからず
苦い経験をされてきていると思います。
「結婚式がこんなチープな中身のままでいいんだろうか?」
「法外に課せられたマージンや パッケージプランは なんとかならないのか?」
「もっと新郎新婦によりそってあげたい」
そうして熱い思いをもった方々が、
フリーランスとして独立したり、プロデュース会社をつくったり
あたらしいネットサービスをつくったり していて
少しずつですが、いい方向に向かっているなという実感があります。
そして
2020年、いきなり襲ってきたコロナの脅威!
仕事が激減して 生活をどうなりたたせるかと悩んでおられる方もいらっしゃると思いますし
なにより 新郎新婦様やご家族も これからどうなるんだろう、とご不安な思いでお過ごしになられているかと思います。
そこで、これからの10年で きっと変わっていくであろうウェディングの可能性についての 考察をまとめて、結びにしたいと思います。
1つ目は、結婚式のマイクロ化が進む。
つまり 二人だけ、または家族や親しい友人だけ、の ごくごく近しい数人だけの結婚式がこれまで以上に 増えてくると思います。
すでに年々、海外挙式や、家族だけの結婚式、フォトウェディングなどが増加傾向にあったのは もちろん金銭面もありますが
「少人数なので臨機応変に融通がきき、身軽であること」
「キャンセルなどの無駄が出ないこと」
「時間的ゆとりがあるので、ゆっくりすごせること」
「心の絆を深められる」
という数々のメリットも見逃せないポイントだと思います。
2つめは、結婚式の参加の選択肢としてオンラインがあたりまえになる。
マイクロ化が進むと同時に、住んでいる場所や ご家族お仕事の都合などにとらわれずにゲストが自由に、安価に参加が可能になるため
少人数の結婚式+オンライン中継で参加
という形式が これからどんどん当たり前になっていくと考えています。
新郎新婦様にとって、ゲストのドタキャンによる自己負担は かなり痛い。
年々増える食物アレルギーなどの個別対応にも気を使う。
ギフトもなにを選んでもあまりよろこばれないから何を選んでいのか困る。
結婚式に参加するためにゲストに金銭的労力的に負担をかけたくない。
ゲストにとっても、
映像とか余興があっても、なにをやっているのか よくみえない。
新郎新婦と写真を撮るだけで終わってしまい、ゆっくりしゃべれなかった。
他のテーブルにいる人が どんな人かは わからないままだった。
実はリアルの結婚式での不都合は
オンラインを組み合わせることで解消できるのです。
このメリットは新郎新婦様の心を捉えるに違いないと確信しています。
3つめは、「会場」という場所からの解放化が進む。
マイクロウェディング+オンラインが当たり前になってくると
新郎新婦自身も、世界中どこにいても、結婚式をすることができるようになります。多くの人を一箇所にあつめなくてもよくなります。
それでいながら、今この瞬間を地球の裏側にいる人と共有できるなんてすごいと思うのです。。。場所は関係なくなります。
ふたりが訪問先ごとに小さなセレモニーを行いながら
旅をして、ウェディングを作り上げていくというツアースタイルも可能になりますね。
これは個人的にも是非、手がけてみたいスタイルなので、
これからプロジェクトを立ち上げます。
(一緒にプロジェクトに参加してくださる方、興味ある方、是非お声がけください!)
(おばあちゃんちや、二人の思い出の地 巡りとかも最高ー。と妄想に耽る・・・)
4つめは、キャッシュレス、ペーパーレス化が進む。
日本は まだまだ招待状はペーパーで、お祝い金は現金で という風潮が
根強く残っていますが
生まれた時からインターネットがあたりまえにあった世代は、
キャッシュレスということに抵抗感がなくなっていて
すでにご祝儀は LINE PAYで先に払った、なんていう声も耳にすることが増えました。
そして、招待状は 招待サイトというデジタル化が進みつつあります。
一方通行で送りっぱなしの招待状ではなく
これからは、ブログや フェイスブック、SNSなど で二人の日々の様子を知ってもらって
双方向でお祝いの気持ち、感謝の気持ちをやりとりしたりでき
ゲスト同士を事前につなげられるメリットに気づく方が増えていくと思います。
もちろん、招待状や、ご祝儀は、手間がかかる分、
格式や重みが感じられるので、そこに価値を感じる方がいなくなるとは思えませんし私自身は、そういう重みも大好きで、なくしてはいけないものだと思いますので、しばらくの間は 共存する形になると思いますが
リアルに集まらない文化が普及するにつれ
10年後には、かなり数が少なくなっているかなと予想します。
5つめ。結婚式の引き算化 が進む
フリーでウェディングのプランナーをされている方は
全員思っていることだと思いますが
「やることに価値がある結婚式にする」
そのために、お二人とのコミュニケーションを大切にし 信頼関係を築き
一生の友、家族になるくらいの気持ちでお手伝いしているはずです。
ほぼ カウンセラーか 人生コーチのような存在に。
新郎新婦に支持されているプランナーさんやプロデュース会社さんは
変わったことをしていたり、おしゃれな装飾をするから
ご成約がとれているのではありません。
(と私は思ってます)
なにが一番大事なことなのか?
それを新郎新婦様としっかり共有できるから仕事になっているのです。
(と私は思います)
私は結婚式には 大きく3つの 本質があると考えています
「感謝」「祝福」「未来シェア」
この要素があれば、
あとは、食事も衣装も装飾もギフトも
なんにもなくてもいいのかもしれないと思うくらいです。
いらないものを いさぎよく削ぎ落とせるかどうか。
とことん削ぎ落としても、
新郎新婦様にとって、大きな価値のあるものを提供できて
それに対して対価をいただけるようになれるか?
それがウェディングの主流になっていくと思います。
2020年代をよりよい10年にするためにも、
価値あるウェディングを作ることを 生涯の仕事にしようと思う方が
もっと増えていただけたらと思いますし
これからご結婚される 新郎新婦様にとっても、
ほんの少しでもヒントにしていただけたなら嬉しく思います。
明日は まとめを書きます。本日もありがとうございました。