なぜ日本の結婚式がガラパゴス的進化を遂げたのか?の考察〜2000〜
21世紀がやってきました。
2000年代は、
ブライダル業界には 3つの大きな変革がありました。
1つ目は 結婚式の主催者の交代です。
仲人文化がなくなっていくと同時に
主催者として主導権をにぎるのは 親ではなく、
新郎新婦自身、
・・になったことで
結婚式の意味づけや価値観が変わったのです。
それまでの結婚式の主な目的は「新郎新婦のお披露目」でした。
つまり、
「我が子が 結婚することになりましたので、
どうぞ皆様のお力添えで 若い二人を導いてください。」
という意味だったのです。
しかし 主催者が 新郎新婦自身になったことで
「お披露目」という意味は だんだんとうすくなっていきました。
結婚式で自分たちをひけらかすようなことは はずかしい。
自宅に招くようなアットホームな雰囲気で
ゲストにたのしんでもらう結婚式にしたい。
そんな風に考える新郎新婦が多くなり
高砂にテーブルをおかずに ソファにする新郎新婦様が
ちらほら出て来たのもこの頃です。
当時は100組に ひと組、いるかいないかくらい珍しかったですが。
2つ目は、そういう新郎新婦様のニーズを汲み取り
自宅にまねくような結婚式、として
ゲストハウスウェディングが登場。
現実的には自宅には大勢の人はお招きできないので、
たった一日でもセレブになった気分を味わえる、ということもあり
このスタイルは多くの若者の心を捉え またたくまに
業界の主流へと成長していきました。
テイクアンドギブニーズの創業当初は それまでの結婚式が
「白」の明るいイメージだったのに対し
真っ黒バックのサイトで、かっこよくておしゃれ。
一日一件終日貸切、すべて自由、サプライズ付。
プールがある豪華な邸宅風の式場が次々とできていき
とてもセンセーショナルだったのを覚えています。
3つ目は、ウェディングプランナーというカタカナ職業ができたこと。
それまでは、式場やホテルにいる
「婚礼窓口担当者」という立場の方がやっていた仕事だったのですが
当時は 職業ではなく、あくまで 一部署の担当 という立場。
年齢層も高めで、人生経験の豊富なベテランのおじさまやおばさま方が多かったのですが これは親世代が主催者だったためです。
主催者が若い世代になったので、同世代の若い女の子たちが
ウェディングプランナー とか
ウェディングプロデューサー とか
ブライダルコンサルタント とか
カタカナ表記の肩書きを持ち
婚礼担当窓口者がやっていた仕事をまかされるようになりました。
かくいう私も この変革の真っ只中
海外のようなフリースタイルの結婚式をなんとか日本で広めたいという思いで
それまで あまり表に出ないように細々とやっていましたが
もう、おおっぴらにしてもいい時期かもと思い
2007年に起業しました。
それまでに現場で見て来た結婚式の根底にある意味を再定義するならば
新郎新婦にとって それまでの
人生において一番近しい関係の方々に感謝の気持ちを伝え、
それを形にすることではないかと思い
「ありがとうをつたえたい」
というタイトルをつけて
フリースタイルのプロデュースを始めました。
気づけば、いつのまにか そんなのあたりまえ、な風潮になっていき
なんとなく、、、どこかでキャッチフレーズ取られたのか? みたいな気持ちになったこともありましたが、、、(笑)
でも、同じ時代にウェディングの仕事をして、同じことを感じ、
同じように大事だと考えている人がいて、
新郎新婦様にその価値観を伝えようと努力してくださった方が
たくさんいてくれたたんだと、今はとても感慨深い思いでいます。
そんな方達にこの場をお借りして
「ありがとう」
を伝えたい。(^^)
しかしながら、
この時代は 会場主導型のパッケージ化された結婚式に
ますます拍車がかかってしまいました。
下請け業者は安い賃金で買い叩かれるような働き方をせざるをえず、
法外なマージン率の設定、
高額な年間契約金を納めないと仕事がまわしてもらえない
・・といった体験を仲間内から耳にするようになりました。
式場経験のあるカメラマンや司会者など
独立してフリーになる人が増える一方で「もちこみ」いじめにあうケースも
少なくなく、私もその一人でした。。いやはや つらかった。
新郎新婦様からも こんなはずではなかったと
号泣状態のお悩み相談を 受けることが多くなったのもこの時代。。
まだまだ甘ちゃんだった私は、
正義感をやみくもに振りかざして
その度に戦いを挑んでいたのでしたが、、、
結婚式を作るという本来の目的とは 軸がずれているところで
エネルギーを消耗して 疲れはててしまい
式場恐怖症になり すっかりやる気を失ってしまいました。
ウェディング業界とは全く関係のないところで
ゼロベースから結婚式を作れる場所がないかと模索し始めました。
そして、、、2010年代へ。
いよいよ またウェディングの新たな文化が登場。となります。
つづきは またあした。
本日も長々とお付き合いくださりありがとうございます