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させていただきます
ここ数年、気になってしかたがない言葉。
「~させていただきます」
最近、乱用されている感があります。
何かというと「させていただきます」
本日は18時で閉店させていただきます。
(書類を)お送りさせていただきます。
拝見させていただきます。
などなど、などなど。
職場での出張報告会。
「今回、出張させていただきましたので、その報告をさせていただきます。」
何?
「今回、出張に行ってまいりましたので、その報告をいたします。」
じゃ、ダメなの?
これでは丁寧じゃないの?
まあ、最初のはまだいいかもしれないけど。
同じく職場で、
「お電話代わらせていただきました」
なんて聞こえてくるとゾッとします。
「させていただく」は丁寧語なのでしょうか?
私の理解では「させていただく」は「相手の許可を得て何かをする」ときに使うものだとばかり思っていますが間違いなのでしょうか?
政治家諸氏からもこんな発言が聞こえます。
「本日、法案を提出させていただきました」
「この度、立候補させていただきました⚪︎⚪︎です」
法案は自分たちの信念を持って自分の意思で提出するんじゃないの?
そんなに自信のない法案なんて通るわけないよ!
「本日、法案を提出いたしました」だろ!
立候補は誰かの許可を得て、させていただくものなの?
「立候補いたしました」だろ!
そんな消極的な候補者には投票しないよ。
こう言いたくなります。
丁寧語を含む敬語の使い方に自信がないから、そう言っておけば間違いないとでも思っているのでしょうか。
これ以外にも、やたらと「遠回し」の表現を使って「丁寧に」言っているように見せかける表現をよく耳にします。
「お名前を頂戴してもよろしいでしょうか」
「お子様はいらっしゃいましたでしょうか」
「ご結婚されているご状況でしょうか」
「ばっかやろー!」と叫びたくなります。
あ、そうそう、「お名前様」なんて表現もよく耳にします。
言葉は常に変化するものではあります。
正しいも誤りもないのかもしれません。
多くの人が使うようになるとそれが自然に定着して「正しく」なる。
最近はほとんど定着している「ら抜き」言葉はその例でしょう。
食べれる
見れる
来れる
元々は「食べられる」「見られる」「来られる」だったはずです。
ただ、この場合は敬語と混同する可能性があるので、その点からも「正しい」変化なのかもしれません。
「食べられる」だと、敬語の「召し上がる」なのか、自分が「食べることができる」なのか、どちらなのか分かりにくい場合がありますね。
先の「拝見させていただきます」は「拝見」がすでに敬語なので二重敬語ですね。
ただ、「御御御付け」の例もあるように、必ずしも敬語の重なりが変というわけではなさそうです。
あ、「おみおつけ」です。
念のため。
しかし、「させていただきます」は定着して欲しくないです!
断じて!
ということで、本日はこれで終わらせていただきます。(笑