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Guy Lafleur
カタカナで表記するのは難しいのですが「ギー・ラフルーア」「ギー・ラフラー」が近い発音でしょうか。
フランス語で、”La Fleur”。
英語にすると”The Flower”。
「花」。
私が(アイス)ホッケーの大ファンであることは以前この場に書きました。
その私が大好きな選手が二人います。
二人とも私がモントリオールに試合を見に行っていたころに活躍していた選手です。
そのうちの一人の名前がこの”Guy Lafleur”です。
この4月に癌で亡くなりました。
そのころのMontreal Canadiensは他のスポーツを含めても「最強」といって良いほどのチームでした。
1976-77シーズンには、60勝8敗12分けという驚異的な成績を残しています。
年間80試合のうち、負けたのはわずかに8試合だけなのですから。
チーム自体がオールスターチームのようでした。
その中にあって実力、人気ともに一番だったのがこのLafleurでした。
まだヘルメットの着用が義務付けられていなかった時代。
ブロンドの髪をなびかせてリンクを走り回るその姿はまさに「花」でした。
ホッケーはゴールキーパーを除く5人が数十秒ごとに次々と入れ替わりながら試合を進めます。
背番号10がリンクに登場すると、それだけで花が咲いたようにリンクが明るくなります。
そして、スタジアム全体が”Guy!” ”Guy!”という歓声に包まれます。
そのLafleurのゴールの中で、最も人々の記憶に残っているのが1979年のプレーオフ準決勝でのゴールでしょう。
1点をリードされて、残り試合時間が2分を切り、これでプレーオフ敗退か、と思っていたとき。
Lafleurがリンクにおりました。
騒然とする場内。
右サイドでパスを受けたLafleurがシュート!
ゴール!
ラジオで実況を聴いていた私は狂喜したのでした。
試合は延長に入り、Canadiensが試合を制し、その後も勝ち続けて4連覇を果たしました。
https://youtu.be/xRX9bahX93M
そのLafleurと、私だけの思い出があります。
ある年のチームのパーティーでのこと。
その日の試合で目を負傷し、眼帯をしてパーティーに参加したLafleur。
痛む目を押さえながらもサインをしてくれ、その後に言ってくれた言葉。
「今度来るときは飛行機代を出してあげるよ」
社交辞令だと思いますし、本人は覚えていなかったと思いますが、そんなことを言ってもらえただけで夢見心地でした。
その後、Lafleurは他のチームに移籍しましたが、そのチームがモントリオールで試合をするときには、相手チームのLafleurには変わらず”Guy! “Guy!”の大声援。
それほど愛されていた選手でした。
そんなLafleurでも癌には勝てず、70年の生涯を閉じたのでした。
安らかに。