ニッポンの、みせものやさん
という映画を観ました。
江戸時代には300軒もあった見世物小屋。
現在は1軒だけだそうです。
その1軒も姿を消すのは時間の問題です。
興行主が言っていた「やってれば消えるしかないことが分かる」という言葉が印象に残っています。
外国人にはもちろん、今の世代にも分からない日本独特のあの世界。
後を継げる者がいない以上、残念ですが、消えるしかないのでしょう。
日本人にしか分からないこと。
「グローバル化」だの「国際化」だのという流れで日本独特の文化が減っています。
国際化が必要な分野はたくさんあることはもちろんです。
しかし、その一方で国際化する必要がないものもあると思います。
「閉鎖的」などと言われますが、「閉鎖的で何が悪い!」と言いたくなるものがあります。
閉鎖してきているからこそ残っている、守り続けられている日本独特の文化があります。
大相撲。
相撲発祥以来、ずっと守られてきた日本独特の文化はすでに失われてしまったと、私は、思います。
外国人を入れて欲しくなかった、というのが正直な気持ちです。
これは高見山が入ったころから思っていました。
閉鎖的な考えであることは十分分かっています。
しかし、今の大相撲にはもう「礼節」も「潔さ」もなくなっているように、私には、見えます。
それは単に外国人のせいだけではないかもしれません。
世代によるものかもしれません。
だから、歌舞伎にも、能にも、文楽にも、外国人は入れないで欲しい。
閉鎖しておいて欲しい、と思います。
閉鎖しなくては守れない文化が、日本には、あるのですから。
そういうものを外国人に見てもらうのは大いにけっこう。
体験してもらうのも大いにけっこう。
そうあるべきだと思います。
海外で興行して、日本文化を知ってもらったらいい。
しかし、だからこそ、この文化を守らなくてはならない。
だから閉鎖的であって欲しいと、私は、思います。
青い目の歌舞伎役者。
考えただけでゾッとします。